〇臭いものには蓋をすべき?
ここ数年、森村氏の自宅の玄関にペンキをかけられる事件や、24時間絶え間なく嫌がらせの電話がかかってくることが続いた。入り口には保安のために警察官が配備されたこともある。極右の人間が森村氏を「売国奴」とののしり、「筆を置け」と迫った。森村氏は、「筆を置くことなどあり得ない。私の著作が1人の日本人の善意によるものであることを、中国の人々が理解してくれていると思っている。日本人は、当時の行為は正しくないものであると考え、十分に反省している」と話した。
森村氏は、「日本には、『臭いものには蓋』という諺がある。だが私は、臭いものはあくまでも臭く、全てを取り出して、皆に『私は間違ったことをした』と告白し、謝罪することが、正しい道だと思っている」と続けた。
戦争に対する日本人の認識は、現時点では、被害者の立場に留まっている。人々は、戦争がどれほど残酷な行いかを十分知っている。広島と長崎に投下された原子爆弾を忘れるはずはない。だが、日常生活を送る人々の上になぜ原爆が投下されたのかについて、理性的に考えられる人はほとんどいない。戦争中、日本は一体何をしたのかについて、答えられる人もほぼ皆無だ。
森村氏は著書の中で、「自分の国がかつて犯した誤りを暴露することは、苦痛を伴う作業である。だが、我々には、その苦痛に耐え、これらの事実を後代の人々に伝える義務がある。決して、彼らの記録が薄らぎ、当時の人々が命と引き換えに教えてくれた教訓を忘れることのないように」と訴えている。
(人民網日本語版)
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