【新華社モスクワ7月9日】上海協力機構(SCO)の設立以来、地域の安全・安定の維持や加盟国の共同発展促進の方面で獲得した成果は人々の注目を浴び、ますます国際的影響力を備えた多国間の協力プラットフォームとなっている。モスクワ国際関係大学、東アジアおよび上海協力機構研究センター主任のアレクサンドル・ルーチン氏はSCOウファ・サミット開催を前に新華社記者の取材に応じた際、上述の表明を行った。
ルーチン氏は、SCOの安全分野での協力の成果は最も著しく、「主にテロ対策の軍事演習の定期的な開催やテロ対策の情報交流、情報部門による行動調整などの面で体現されています」と語っている。ルーチン氏は、情報セキュリティ、麻薬販売や不法移民の取り締まりといった他の安全問題も、今後解決が得られるだろうとの見方を示している。
ルーチン氏は、SCOの枠組み内での経済貿易協力はかなりの潜在力を持つが、様々な要因の制約を受けており、経済貿易協力の展開は比較的ゆっくりだと指摘する。
中国・習近平国家主席の今年5月のロシア訪問中、中ロ両国はシルクロード経済ベルトの建設や欧州・アジアの経済連合の設立におけるドッキング協力に関する共同声明を発表している。声明は、双方は二国間と多国間メカニズム、特にSCOのプラットフォームを通して協力を展開してゆくと伝えている。
ルーチン氏は次のように指摘する。この声明はSCOに新たな任務を提起し、即ちシルクロード基金、アジアインフラ投資銀行、SCO銀行連合体などの金融機関を通して金融協力を強化することで、ロ中両国の専門家が現在この方面の仕事について研究している。中国が提起したシルクロード経済ベルト構想は、目下のSCOの経済分野における行き詰まりをちょうど打開することが可能で、SCOの役割、特に経済面の役割が著しく強まるだろう。
インドとパキスタンのSCO加盟へのプロセスをスタートさせることも、ウファ・サミットで議論される議題の一つとなる見通しだ。ルーチン氏は次のような見方を示している。SCOが新しい加盟国を受け入れる時機は早くから熟しており、ロシアはインドとパキスタンを取り込み新たなメンバーとすることを支持し、且つ積極的に推進する。「一部の人はSCOの拡大が速すぎて効率を損うのではないかと懸念しています。また、一部の人はSCOメンバー国間には共通認識が達成されることが難しいと懸念しています。しかし私は、SCO加盟国の拡大は、そのメリットがデメリットよりも多いと信じています。インドとパキスタンの加盟後、SCOはより強く、そして影響力のある国際組織となる。」
(新華網日本語)
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