日本政府は1日から、政府部門の庁舎が集中する東京・霞ヶ関で「ゆう活」をスタートさせた。国家公務員に従来より早めの登庁による朝型勤務と定時の退庁を促し、長時間労働の抑制を目指す取り組みだ。ただ安倍政権は安全保障関連法案の審議のため国会の会期を延長しており、職員が残業しないようにしようとしても現実には難しい。
▽いつもより1~2時間早く出勤
午前7時30分頃、内閣人事局には職員が続々と出勤した。参事官補佐の渡辺健夫さんは、「すがすがしい気分で一日を始められる。夕方は小学生の長女と遊んだり、宿題を見てあげたりしたい」と述べた。
ゆう活では、職員は普段より1~2時間早く出勤し、午前7時半から8時半の間に勤務をスタートする。退庁時間は変わらず、午後5時頃に帰宅し、午後4時15分以降の会議は原則禁止する。この取り組みを後押しするため、政府は各部門の概算要求の関連資料の提出期限を延長した。
ゆう活は8月末まで2カ月間行われ、安倍晋三首相がうち出す「ワークライフバランス」改善の取り組みの一部となる。内閣人事局は、中央省庁と地方出先機関を含めて希望者約22万人が参加すると予想する。
安倍首相は1日の午前中、首相官邸で記者団に、「日本の長時間労働の慣行を変えるきっかけにしたい」と意気込みを語り、夕方には仕事を切り上げて、都内の美術館を訪れた。
日本の「残業文化」の根は深く、サラリーマンが深夜まで残業する姿は見慣れた光景だ。定時の帰宅を後ろめたく思い、あえて残業する人もいる。「過労死」も珍しくない。経済協力開発機構(OECD)がまとめたデータによると、2013年の日本の平均労働時間は1735時間で、ドイツより350時間多く、フランスより約250時間多かった。
▽自分で自分に「黄信号」を
だが6月24日に終わる予定だった国会の会期が95日間も大幅に延長され、一部の職員によれば、国家の準備のため、中央省庁の職員は深夜まで働くことになりそうだという。共同通信社は、安倍政権のうち出したゆう活だが、普及には黄信号がともっていると報じる。
防衛省の職員はゆう活を評価しておらず、「安全保障関連法案の審議も続いているので、どこまで早く帰れるかわからない」と述べた。
黄信号は安倍政権が自らともしたものだ。安倍内閣は5月14日に集団的自衛権の行使容認、日米の軍事一体化の強化を含む一連の安全保障関連法案を決定し、自衛隊の海外での活動範囲を広げることなどをうち出した。法案は国会の審議にかけられることになり、今国会での成立を確実にするため、自民党が安定多数を確保する衆議院は6月22日、国会の会期を9月27日まで大幅に延長した。これは日本の戦後の新憲法の枠組における最も長い会期の延長だ。
日本メディアの調査によると、日本憲法学者の98%が安倍政権のうち出した安保法案は憲法9条の精神に背くものであるとの見方を示した。日本の元政府要人、弁護士、法律についての常識をもった市民たちは、安倍政権に法案の撤回を求めている。
(人民網日本語版)
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