安倍晋三首相が「アベノミクス」を推進してから、円安の流れが続いている。ドル相場は昨年を通じて反転上昇し、円安傾向がさらに強まった。ドル円相場は6月5日、13年ぶりの安値水準となった。一部の関係者は、新たな円安進行により悪影響が及ぶことを懸念している。英国メディアは、円安がアジアの通貨戦争を招く危険性が高まっており、韓国、インドネシア、インドなどが自国の通貨の価値を下げる準備をしていると報じた。
中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳鳳英所長は、「アジア諸国にとって、今回の通貨競争の前提は円ではなくドルだ。円がアジア通貨市場を左右することはなく、ましてや世界通貨市場を左右することはない。通貨市場を左右できるのは、米ドルのみだ。最近ドル相場は上昇傾向が続いている。ドルと比べ、その他の通貨は価値を落としている。当然ながら、円は下げ幅が大きい。人々は、日本製品が安くなっているのだから、自国の製品を高くしておくわけにはいかないと言うだろう。こうして他国も通貨安に取り組むが、アジアの通貨は米ドルを見据えている。アジアは円ではなくドルの地域であり、日本は悪い例を示したにすぎない」と分析した。
中国現代国際関係研究院経済安全研究センターの江涌主任は、「米ドルを中心とする国際金融システムにおいて、他国の金融資産は『ドルの罠』を避けられない。アジア全体がすでにドルの罠にはまっている。ドル相場の急激な上昇、自国通貨の急激な下落に警戒し、金融危機のリスクに備えなければならない。ドル相場の変動は他国が操作できることではなく、それに応じて反応するしかない。多くの国の経済は、米国に従属している。なぜなら既存の世界経済の秩序を揺るがせないからだ」と指摘した。
(チャイナネット)
推薦記事: