韓国メディアによると、韓国でMERSの感染が確認された患者は、6月15日に150人に増加した。韓国保健福祉部中央MERS管理対策本部によると、これらの患者のうち、感染した家族や知り合いを見舞いに行き感染した患者が54人含まれる。これに病院の看護師7人を含めると院内感染が61人となり、全体の40.6%を占めることになる。病院を訪れた人が地域社会に戻れば、「院外感染」を引き起こす可能性がある。
朝鮮日報のウェブサイトが6月16日に掲載した記事によると、医療関係者は、韓国の見舞い文化がMERSの感染拡大を促していると指摘した。家族や友人が入院した場合、一度も見舞いに行かなければ、韓国社会の道徳と常識に背くという。
記者はMERSの感染拡大防止に取り組む、ソウルの主な病院を取材した。病室は患者の健康と感染拡大防止のため、外部から隔離されていた。これは基本的な原則だ。ソウルの大型病院は見舞いの規定を定めている。例えば時間制限、外部からの食糧の持ち込みの禁止などだ。しかし記者が現場を取材したところ、これらの規定は徹底されていなかった。病室内では患者と家族が集まり出前をとり、家族が患者のベッドに横たわり休んでいた。さらに一部の人は病院内で酒を飲み、隠れながら喫煙し捕まっていた。免疫力が低くウイルス感染の恐れがある子供たちも、病院を出入りしていた。韓国の医療設備は世界最高水準と評価されているが、MERSの感染が拡大する中、病院内には驚きの光景が広がっていた。
儒教文化の深い影響を受ける韓国では、人々は身近な人が病気になった場合、自ら見舞いに行き世話をするべきだと考える。こうすることが、道義にかなっているのだ。韓国の病室は、冠婚葬祭の会場のようなものだ。
MERSの感染拡大により、人々が懸念を深めている。一部の病院はようやく、空港並みの検査基準により、見舞いに来た人の管理を強化し始めた。高麗大学校九老病院は13日より、見舞いに来たすべての人に対して、体温測定、手の消毒、身分確認を求めている。
(チャイナネット)
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