3日、早朝の陳峭村とその周辺の風景。(小型無人機から、福州=新華社記者/姜克紅)
【新華社福州8月21日】中国福建省寧徳市周寧県礼門郷後壠(こうろう)大峡谷の絶壁の上にある陳峭(ちんしょう)村は、避暑地として広く知られる。夏になると観光やキャンプ、ハイキングに訪れる人でにぎわう。
10年前までの同村は、今とは全く異なる様相を呈していた。周囲を山々に囲まれ、交通の便が悪く、耕地が乏しく、水資源も不足している同村での生活は困難を極めた。1990年代になると、出稼ぎのために村民が次々と村を離れ、2005年には、かつて千人規模だった村が、留守を守る高齢者30余人のみが残る村に変わってしまった。
しかし、村民たちの約10年間にわたる取り組みを経て、陳峭村は以前の貧しい「高齢者と子どもだけが残る村」から、「郷村観光」で知られる村へと発展していった。今では、出稼ぎに出ていた村民200人余りが相次いで帰郷・起業し、主に観光産業に携わっている。
2019年に陳峭村を訪れた観光客数は、延べ10万人を突破し、農民の1人当たり年収は1万4800元(1元=約15円)に達した。2017年末には、村の貧困世帯12戸すべてが貧困からの脱却を果たした。