10日、斗南花卉市場の物流エリアに到着した生花を分類するスタッフ。(昆明=新華社記者/江文燿)
【新華社昆明2月11日】新型コロナウイルスによる肺炎の影響で休業していたアジア最大の花卉(かき)市場、中国雲南省の昆明斗南花卉取引市場が10日午後、競りを再開した。同日競りにかけられたバラなど300万本余りは、早ければバレンタインデー前に中国各地に届けられる。
同市場内もある昆明国際斗南花卉競り取引センターの高栄梅(こう・えいばい)総経理は、再開前にスタッフが競り会場やオフィスエリア、物流エリアなどの重要エリアを念入りに消毒殺菌したと説明。今後は少なくとも1日2回の消毒・殺菌を行う他、花卉業者の本人確認やマスク着用の義務化、体温測定も実施する考えを示した。
人々が多く集まることによる感染リスクを回避する目的で、同市場は1月26日に、電子競り以外の花卉・苗木取引、観光や飲食などのサービスを見合わせ、2月6日には花の電子競りも停止し、市場内の全営業活動をストップした。
高氏によると、同センターの競り場は600人を収容できるが、競りの時に各参加者の座席間に一定の距離を確保するため、当面150人しか入場を許可しない。
同省は中国の主要な生花・切り花の産地で、生産・販売量は20年以上連続して中国トップの地位にある。高氏によると、例年第1四半期(1~3月)は生花・切り花販売の最盛期で、販売量は年間3分の1に達する。しかし、新型肺炎の影響を受け、多くの都市で卸売市場、花店が休業中のため、同省の生花・切り花販売は大幅減となっている。
高氏は「とはいえ、われわれは営業を堅持しており、それでこそ産業全体が早く回復し、花卉農家、花店が希望を見出すことができる」と述べ、花卉産業は同省の重点育成基幹産業であり、農民の増収へのけん引効果が大きいと指摘した。
昆明斗南花卉取引市場は中国花卉の「市場の風向計」「価格バロメーター」と呼ばれ、年間数十億本が中国各地や日本、タイ、ベトナムなど50以上の国・地域に販売されている。2019年は同市場の生花・切り花の取扱量が92億3100万本に上った。