三義荘の道路跡のわだち。(6月9日撮影、西安=新華社配信、陝西省考古研究院提供)
【新華社西安12月23日】中国陝西省考古研究院は16日、同省西安市の新寺遺跡付近で、前漢時代中後期とみられる古代道路の跡が見つかったことを明らかにした。路面にはわだちが多数残されており、前漢時代の長門宮と密接な関係がある可能性があるとしている。
同研究院の陳愛東(ちん・あいとう)助理研究員によると、今回の発掘は同市北東部の郊外にある三義荘と謝二村で行われた。三義荘の道路跡は主要部分が北東から南西方向へと伸びており、現在は南北に長さ105メートル、幅30メートルの道路跡の整理作業を行っている。謝二村も北東から南西方向へと伸び、長さ260メートル、幅50~70メートル。路面の整理作業後に約60本のわだちが見つかった。うち一部のわだちは交差し、車輪の跡がはっきりと分かる。陳氏によると、わだちの幅は14~26センチ、深さは0~16センチ。うち2本は1組であると考えられ、軸間距離は2・2メートルだった。
陳氏は、2カ所の道路跡は向きが同じで形状も近いことから、1本の道路だったと考えられるとの見方を示した。また、特に注目すべき点として、謝二村の道路跡が後漢時代の墓に分断されていることを挙げ、年代判定の重要な根拠になると指摘。こうしたことから、後漢より前の時代、おそらく前漢中後期だと説明した。
陳氏は、これほど多数で保存状態の良い前漢中後期のわだちは非常に珍しく、長門宮遺跡や前漢中後期の交通や社会の発展状況を研究する上で、重要な価値があると述べた。