▽朝鮮半島問題
朝鮮半島問題に関する質問に答えた際、李克強氏は次のように述べた。半島問題は複雑に錯綜し、昔からあって今に始まったことではなく、一気に解決しようとしても不可能だ。しばらく前から、大勢が朝米指導者のハノイ会談に比較的注目するようになった。会談後、朝米双方はどちらも接触を継続したいと表明した。接触しないよりは接触した方がよい。われわれはやはり忍耐を保たなければならず、チャンス、特に現在現れている積極的要素をしっかりつかみ、対話、特に朝米対話を後押しし、大勢が得たいと願っている成果を実現しなければならない。中国は終始、半島の非核化を堅持し、半島の平和と安定を望んでおり、この立場が変わったことは一度もない。半島問題をきちんと解決することは北南双方だけでなく、地域、世界にとっても有益だ。
▽中国EU関係
スペインEFE通信社記者の、中米間の貿易摩擦は中国と欧州連合(EU)の関係発展にとってチャンスか、それともマイナスの影響をもたらすか、今年の中国EU関係をどう思うかとの質問に李克強氏は次のように答えた。
中米貿易摩擦は中米二国間の事柄であり、われわれは第三国を利用することはなく、第三国を害することはなおさらない。中国とEUは、世界最大の発展途上国と世界最大の先進国連合だ。中国とEUは多極化する世界の重要な一極であり、中国EU関係の発展は中国EUのみならず、世界にとっても有益だと言えよう。
もちろん、中国EUは互いに最大の貿易パートナーであり、われわれの間には協力も摩擦もあり、過去、現在どちらにも存在する。だが、われわれは長年にわたり、意見の相違と摩擦を排する経験を積み重ねてきた。こうした経験は今後も踏襲すべきだと考えるが、そこで重要になるのは中国EU間の相互信頼を増強することにほかならない。われわれは現在、投資交渉を進めている最中で、双方向投資をさらに広げたいと実際に考えている。こうすれば双方に利益があるが、もちろん利益は公平でなければならない。
双方は互いに開かれた心で相手方に向き合い、協力する中で意見の相違を適切に解消して、中国EU関係を着実に前進させるべきだと思う。来月、私はEU本部を訪れ、EUの首脳と新たな中国EU首脳会議を共催する。今回の会議を通して、双方が戦略的、長期的な視点から中国EU関係を捉え、相互尊重、相互理解、協力推進の姿勢で中国EU関係の健全で安定した発展を促進することを希望する。
▽中日韓FTAと周辺国との協力
「今年の中日韓首脳会談で、どのようなことが重点的に議論されるのか」「世界で保護貿易主義が台頭している状況下で、中日韓自由貿易区協定(FTA)はいつ調印できるのか」「中国にとって東アジア地域包括的経済連携(RCEP)と中日韓FTAのどちらが優先的な選択肢なのか」との質問を受け、李克強氏は次のように述べた。
今年は中日韓首脳会談メカニズムが20周年を迎える。中国は議長国として日本、韓国と共同で会議の議題を協議していく。中日韓FTAの建設推進に関する議題も含まれるべきだろう。世界の貿易保護主義が台頭する中で、中日韓がFTA建設を進め、包括的で高水準、互恵的な協定を結ぶことは、3カ国それぞれにメリットがある。現在、日本と韓国はいずれも中国に対して大きな貿易黒字を出しているが、われわれは消費者がより多くの選択肢を持てるように対等な競争をしたいと考えている。この過程で優位性の相互補完を実現し、各当事者が利益を得られると信じている。中日韓FTAとRCEPのどちらが先にまとまるかは、各方面の努力次第だろう。いずれの合意が先に達成するとしても、中国はどちらの成功も見守っている。
中国は北東アジア諸国との関係を重視しているだけでなく、先ほど韓国の記者の質問に答えたように、中国は責任ある大国として、引き続き朝鮮半島の非核化を進める上で建設的な役割を果たしていく。東南アジアや全ての周辺国との協力も重視している。安定した周辺環境と「親善、誠実、互恵、包摂」を望んでおり、「一帯一路」構想を関係国の発展戦略と結び付けたいと考えている。中国は平和的発展の道を揺るぎなく歩み、地域と世界の平和と発展の擁護者、貢献者としての役割を揺るぎなく果たしていく。
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