河北省の衡水湖で撮影したアカハジロの成鳥とひな。(新華社記者/張碩)
【新華社石家荘6月2日】鳥類の専門家がこのほど、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅の恐れが最も高い「近絶滅種」に指定されているアカハジロのひなを中国河北省衡水市の桃城区と冀州区にまたがる国家級湿地自然保護区の衡水湖で数回にわたり確認した。
衡水学院生命科学学院の教師李峰氏は5月28日、今年初めて衡水湖でアカハジロのひなを確認した。同湖でアカハジロのモニタリングを開始して以来、繁殖が確認されたのは2度目。また、李氏はここ数日の間にアカハジロのひなを複数回確認した。これは衡水湖が「近絶滅種」のアカハジロの成長と繁殖の場所になったことを示す有力な裏付けになる。
アカハジロはカモ目カモ科ハジロ属に分類される鳥類で、繁殖期には通常8~10個の卵を集めてかえす。生息環境に対する要求が非常に高く、警戒心も強い。その生息状態が湿地生態システムの良し悪しを示すと言われる。
李氏はアカハジロの数が1990年代から激減していると説明。2012年にIUCNが発表したデータによると、個体数は世界全体で千羽を下回る。だが李氏を少し安心させることに、衡水湖では現在、おそらく世界最大の個体群とみられる308羽のアカハジロが確認されている。(記者/張碩)