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中国の「変面」で知的障害の日本の子供が満面の笑顔に
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-04-03 22:03:47 | 新華社 | 編集: 郭丹

1日、あいアイ美術館で中国の伝統芸能「変面」のパフォーマンスを披露する中国人留学生の王文強さん。(新華社記者/姜俏梅)

【新華社東京4月3日】日本列島各地で桜が満開となった4月1日、「小江戸」とも呼ばれる埼玉県川越市にある日本初の知的障害児美術館――あいアイ美術館の設立11周年記念イベントが行われた。例年とは違い、今年の記念イベントには「中国の国家機密」と呼ばれる川劇(中国四川省の伝統芸能)の「変面」が取り入れられた。日本の知的障害児やイベント参加者は中国伝統文化の芸術的魅力に間近で接し、会場は大いに盛り上がり何度も拍手が起こった。

あいアイ美術館が設立されたのは2007年5月。日本初の知的障害児美術館だ。埼玉県川越市郭町にあり、敷地面積は約千平方メートルで、木造2階建ての建物1棟と、平屋建ての伝統日本家屋1棟から成る。あいアイ美術館創始者の粟田千恵子氏は平屋をアトリエに変え、地元の知的障害児に絵画を教えている。アトリエ内には壁、机、イーゼルの上など至る所に子どもたちの作品が飾られている。想像力にあふれ、驚くような色の組み合わせの作品を見ると、全てが知的障害児の手によるものだとはなかなか信じられない。

あいアイ美術館の祝賀イベントはこれまで、5月5日の子どもの日に実施されていたが、今年初めて4月1日に前倒しされた。その理由は二つある。一つは、子どもの日は地元のイベントが多いため、美術館の祝賀イベントに参加できない知的障害児の画家もいること。もう一つは、知的障害児教育に50数年間携わってきた粟田氏が今年3月27日に満76歳を迎えたことから、自身の誕生日と美術館設立を一緒に祝いたいと考えたことだ。

イベント当日、あいアイ美術館の日本庭園は、知的障害児とその両親、あいアイ美術館の熱心な支援者や地元議員で満席だった。粟田氏は水色の法被を身にまとい、大きな白い天使の羽を背負っていた。

東京からはるばる駆け付けたある夫妻は、高校を卒業したばかりの息子を連れて来ていた。高校の先生の勧めに従い、知的障害を持つ息子を粟田氏に師事させ、絵画の才能を伸ばすことを考えているという。川越市在住の知的障害児の母親である杉田さんは、娘があいアイ美術館の開館以来ずっと粟田氏に師事し、もう十数年になると感激の面持ちで説明した。娘にとって唯一出来ることが絵を描くことなのだという。

今回の祝賀イベントのハイライトは、知的障害児の前で、中国の伝統芸術「変面」のパフォーマンスを披露することだった。川劇の音楽が鳴り響き、招かれてやって来た中国人留学生の王文強さんが中国の伝統衣装を着て、舞台に上がる。赤や白の仮面、喜びや悲しみの表情をした仮面が一瞬のうちに入れ替わり、マジックのようだ。続いて、王さんは最も人気のある孫悟空の仮面を着けて舞台から下り、庭で知的障害児一人一人と握手をした。そして、一人の知的障害児の手を引いて顔に軽く触らせると、さっとまた違うマスクが現れた。粟田氏が上演前に「びっくりしますよ」と念を押していたにもかかわらず、手を引かれた子どもはひどく驚き、会場は拍手と歓声に包まれた。王さんは上演終了後、観衆に向かって日本語で「変面」の起源や込められた奥深い考え方の一部を紹介した。

祝賀イベントまでに、粟田氏は子どもたちが中国川劇の「変面」をとりあえず理解できるよう、王さんが以前「変面」を演じた時の写真を使い、子どもたちに「変面」をテーマした作品を描かせていた。イベント当日、それらの作品は舞台前面の最も目立つ位置に飾られていた。知的障害児の筆によって「変面」のイメージがさまざまに誇張され、生き生きと表現されていた。「変面」を演じた王さんも感銘を受け、賛嘆していた。最後に、子どもたちは自身の「変面」作品を手に舞台上で王さんと記念撮影を行い、彼らが中国の伝統芸術に間近に接した瞬間を記録した。

あいアイ美術館が収蔵する知的障害者の絵画は1万点を超える。2カ月に1度展覧会を開催し、絵を販売することで知的障害児の自立を支援しているという。粟田氏は、知的障害を持つ子どもは学問に打ち込むことはできなくとも、芸術分野で独特の才能を発揮できると指摘。親は衣食の世話にとどまってはならず、彼らの潜在能力を引き出し、彼らをできるだけ自立させるべきと話している。粟田氏は70代という年齢を感じさせず、今も川越と東京を駆け回っており、教えている知的障害児は百人に上るという。(記者/姜俏梅)

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新華網日本語

中国の「変面」で知的障害の日本の子供が満面の笑顔に

新華網日本語 2018-04-03 22:03:47

1日、あいアイ美術館で中国の伝統芸能「変面」のパフォーマンスを披露する中国人留学生の王文強さん。(新華社記者/姜俏梅)

【新華社東京4月3日】日本列島各地で桜が満開となった4月1日、「小江戸」とも呼ばれる埼玉県川越市にある日本初の知的障害児美術館――あいアイ美術館の設立11周年記念イベントが行われた。例年とは違い、今年の記念イベントには「中国の国家機密」と呼ばれる川劇(中国四川省の伝統芸能)の「変面」が取り入れられた。日本の知的障害児やイベント参加者は中国伝統文化の芸術的魅力に間近で接し、会場は大いに盛り上がり何度も拍手が起こった。

あいアイ美術館が設立されたのは2007年5月。日本初の知的障害児美術館だ。埼玉県川越市郭町にあり、敷地面積は約千平方メートルで、木造2階建ての建物1棟と、平屋建ての伝統日本家屋1棟から成る。あいアイ美術館創始者の粟田千恵子氏は平屋をアトリエに変え、地元の知的障害児に絵画を教えている。アトリエ内には壁、机、イーゼルの上など至る所に子どもたちの作品が飾られている。想像力にあふれ、驚くような色の組み合わせの作品を見ると、全てが知的障害児の手によるものだとはなかなか信じられない。

あいアイ美術館の祝賀イベントはこれまで、5月5日の子どもの日に実施されていたが、今年初めて4月1日に前倒しされた。その理由は二つある。一つは、子どもの日は地元のイベントが多いため、美術館の祝賀イベントに参加できない知的障害児の画家もいること。もう一つは、知的障害児教育に50数年間携わってきた粟田氏が今年3月27日に満76歳を迎えたことから、自身の誕生日と美術館設立を一緒に祝いたいと考えたことだ。

イベント当日、あいアイ美術館の日本庭園は、知的障害児とその両親、あいアイ美術館の熱心な支援者や地元議員で満席だった。粟田氏は水色の法被を身にまとい、大きな白い天使の羽を背負っていた。

東京からはるばる駆け付けたある夫妻は、高校を卒業したばかりの息子を連れて来ていた。高校の先生の勧めに従い、知的障害を持つ息子を粟田氏に師事させ、絵画の才能を伸ばすことを考えているという。川越市在住の知的障害児の母親である杉田さんは、娘があいアイ美術館の開館以来ずっと粟田氏に師事し、もう十数年になると感激の面持ちで説明した。娘にとって唯一出来ることが絵を描くことなのだという。

今回の祝賀イベントのハイライトは、知的障害児の前で、中国の伝統芸術「変面」のパフォーマンスを披露することだった。川劇の音楽が鳴り響き、招かれてやって来た中国人留学生の王文強さんが中国の伝統衣装を着て、舞台に上がる。赤や白の仮面、喜びや悲しみの表情をした仮面が一瞬のうちに入れ替わり、マジックのようだ。続いて、王さんは最も人気のある孫悟空の仮面を着けて舞台から下り、庭で知的障害児一人一人と握手をした。そして、一人の知的障害児の手を引いて顔に軽く触らせると、さっとまた違うマスクが現れた。粟田氏が上演前に「びっくりしますよ」と念を押していたにもかかわらず、手を引かれた子どもはひどく驚き、会場は拍手と歓声に包まれた。王さんは上演終了後、観衆に向かって日本語で「変面」の起源や込められた奥深い考え方の一部を紹介した。

祝賀イベントまでに、粟田氏は子どもたちが中国川劇の「変面」をとりあえず理解できるよう、王さんが以前「変面」を演じた時の写真を使い、子どもたちに「変面」をテーマした作品を描かせていた。イベント当日、それらの作品は舞台前面の最も目立つ位置に飾られていた。知的障害児の筆によって「変面」のイメージがさまざまに誇張され、生き生きと表現されていた。「変面」を演じた王さんも感銘を受け、賛嘆していた。最後に、子どもたちは自身の「変面」作品を手に舞台上で王さんと記念撮影を行い、彼らが中国の伝統芸術に間近に接した瞬間を記録した。

あいアイ美術館が収蔵する知的障害者の絵画は1万点を超える。2カ月に1度展覧会を開催し、絵を販売することで知的障害児の自立を支援しているという。粟田氏は、知的障害を持つ子どもは学問に打ち込むことはできなくとも、芸術分野で独特の才能を発揮できると指摘。親は衣食の世話にとどまってはならず、彼らの潜在能力を引き出し、彼らをできるだけ自立させるべきと話している。粟田氏は70代という年齢を感じさせず、今も川越と東京を駆け回っており、教えている知的障害児は百人に上るという。(記者/姜俏梅)

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