中国起源の「書の造形芸術」書道。書道は中日両国の文化交流の上でも重要な役割を果たし続けてきた。今回は、北京の中央財経大学書法学学科で中国人大学生たちに日本の書道を伝える庄村真琴さんをご紹介する。(北京滞在歴10年)
尊敬する恩師の勧めで中国へ
2歳10ヶ月から習字教室に通い始めた庄村さんは、道を聞かれても「あの面白い『う』の文字が書かれたうどん屋さんを右に曲がって」とユニークな説明をするほど文字にばかり興味を持つ子どもだった。中学時代に文部科学大臣賞を受賞したことがきっかけで書道の道に進むことを決意。大学は書道学科に入学し、大学院にも進学した。修士課程在籍中に1年間中国へ留学。修士課程修了後も恩師の勧めで中国行きを決意した。
庄村真琴さんと師匠の西嶋慎一氏
留学生活と教員への道
留学当初の中国語は日常会話レベルだった庄村さんは、再度修士課程から学び直すことに。受講中も聞き取れない箇所などは同級生にジェスチャーを交えながら確認する日々だった。博士課程2年の時、中国行きを勧めてくれた恩師であり、師匠でもある田中東竹氏が他界。留学を終えたら師匠の近くに戻りたいと考えていたため、庄村さんは行き場を失ってしまった形となった。そんな時、中国の大学の恩師から、中国の大学の教員にならないかと声をかけられ、現在の中央財経大学の教員への道が開けたのだという。
料紙作りの講義の様子