新華網フランス カンヌ5月24日(記者/張曼、姜楠)第70回カンヌ映画祭が開催される中、中国語映画はコンペティション部門にはノミネートされていないものの、中国映画と市場は大いに注目されている。カンヌ映画祭で催された中国をテーマにしたイベント会場はほとんど満席で、世界の映画関係者が相次いで中国と協力する可能性を探っている。多くの映画人は中国の映画環境は日増しに成熟し、多様化と国際化に向かって発展していると受け止めている。
中国の映画市場は近年、急速に発展し、2016年の映画制作本数は772本、映画の興行収入は457億1,200万人民元、スクリーン数は41,179枚に上り、映画スクリーンが世界で最も多い国になった。中国が世界最大の映画市場であることは国際的な同業者の共通認識になっている。
中国映画市場は、世界の映画関連業者が手に入れたいと切望する「大きな宝物」であることは疑いないが、商業映画が絶対的な主流を占める市場環境であるため、多くの国際映画人は中国市場を見るだけで尻込みしている。中国は近年、多数の措置を通じて、芸術映画の発展を支援ている。今年の映画祭の中国と外国の映画人座談会で、中国の芸術シアターネットワークに焦点を絞り、芸術映画の発展の新しい動向について討論が行われた。多数の西洋映画の関係者は中国の映画産業の発展は多様化し、市場がよりセグメント化されているとの見解を示した。
フランスの経験豊富な映画人で、フランス中国映画祭の総代表を務めるシベルタン氏は中国の芸術映画はここ数年、徐々に発展の兆しを見せ、多様化が観衆に多くの選択肢を与え、市場の成熟と映画の質の全体的な向上にプラスになっていると述べた。
多様化する発展環境のもとで、中国映画の創作の題材と芸術表現の手法もより開放的なものになっている。今年のカンヌ映画祭で『路過未来』が「ある視点部門」に選ばれ、出稼ぎ労働者とその子供の生活の様子にフォーカスしたこの作品は、映画祭で放映後に幅広く好評を得た。
中国映画市場に詳しい米国のプロデューサー、ダニー・ウォルフ氏は次のように述べた。中国の現実的な題材を扱った芸術映画がカンヌ映画祭で上映されたことは、中国映画がより開放され、多様化していることを表わしている。「商業効果を考慮して、私が以前に中国と協力したプロジェクトはすべて商業用娯楽映画だった。だが、今の環境では、芸術映画の提携も検討し始めている。」
中国映画は近年、多様化する発展を迎えると同時に、国際化の歩みが加速し、国際的な協力、共同制作を絶えず推進しており、「中国映画を世界に近づける」。中国は現時点で、多数の国と映画共同制作協定を締結している。
より一層、緊密化する中外映画市場の提携は国際映画人に共通する願いだ。カンヌ映画祭の映画市場の責任者、ジェローム・パイラード氏は「中国の映画市場は将来性が高く、国際協力の潜在力が大きいため、中国映画は国際市場でより多く取引され、その成果を期待している。」 と語る。
(新華社より)
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