近年、中国でも「いじめ」が大きな社会問題として注目されている。日本でも、いじめが問題となっており、自殺者が出る事件に発展し、メディアが広く報道するというケースもある。そのため、日本政府は、いじめを防止するための法律を制定し、少年院送致の年齢下限を14歳以上から「おおむね12歳以上」に引き下げるなど、青少年犯罪の厳罰化を進めている。新華網が報じた。
自殺に追い込むいじめが多発
日本では、いじめが深刻な問題となり、自殺者が出ることも多々ある。日本で初めていじめ自殺事件が社会的に注目されたのは、1986年のことで、東京都中野区立中野富士見中学校2年の男子生徒がいじめを苦に自殺した。その後、93年1月、山形県新庄市立明倫中学校の体育館用具室内で1年生の男子生徒が遺体となって発見された。同生徒は巻かれて縦に置かれた体育用マットの中に逆さの状態で入れられ、死因は窒息死だった。事件当初、計7人の生徒が犯行を認めていた。この事件は日本中に衝撃を与え、学校現場におけるいじめの深刻さを明らかにし、少年法改正への気運を醸成した象徴的事件として、今日でもメディアが取り上げている。
いじめられた児童生徒の立場に立った判断
2006年まで、日本の文部科学省は、「いじめ」を、「自分より弱い者に対して一方的に、身体的 心理的な攻撃を継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの」と定義していた。しかし、06年に同省が実施した、児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査における定義は、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの」と変遷し、さらに「起こった場所は学校の内外を問わない」としたほか、「個々の行為が『いじめ』に当たるか否かの判断は、表面的 形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする」との言葉が加わった。さらに、いじめの件数の呼称が「発生件数」から「認知件数」に変更された。つまり、いじめを受けた児童の感情により重きが置かれ、誰かがいじめられたと感じれば、いじめになる。