上海は、国内で初めてヘリコプターによる航空救急活動を展開した都市という。2005年6月に完成した瑞金病院のヘリポートは、国内で最も早くF1開催サーキット付属ヘリポートの設置条件にもとづいて建設された緊急救援設備の一つだ。瑞金病院のほか、上海華山、中山、長征の有名な三甲(最高レベル)病院にも、ヘリポートが設置されている。上海を皮切りに、長江デルタ地域にある多くの病院がヘリポートの建設に着手した。
現在、中国のヘリ救援システムは、緊急救援や中継輸送を中心とする初期段階にある。小型航空機が発着できる通用空港は、国内に1千ヶ所あまりしかない。また、数年前に組織された上海市警用航空チームが請け負っている医療救急業務や転院搬送業務は、まだ十数回しか実施されていない。一方、欧米の多くの大病院では、1日に3機から5機のヘリが病人を搬送している。
数年前から、低空医療救援飛行に関する審査認可の流れが次第に簡便化され、「人命のために道を譲る」が共通認識となってきている。国家衛生 計画出産委員会は、「十三五(第13次五カ年計画:2016-2020年)」期間中、航空医療救援システム構築の推進を目的として、中国民用航空局の規定に基づき、全国に500カ所以上の新空港を建設することを明確に打ち出している。中国にある民間通用航空企業の数は、2年前から倍増し、ヘリコプター保有数は計600~700機に上る。だが、AEDや心電図モニターなどの基本的な救命医療装置を配備したヘリコプターは、まだそれほど多くないのが現状だ。
(人民網日本語版)
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