今月16日、米アップル社の「iPhone7」(アイフォーン7)が世界で発売されたことは、アップルの中国市場における今後の命運に大きな関わりをもつ。時期を同じくして、アップルにとって世界最大のライバルといえる韓国サムスン電子は「電池問題」を起こした。このIT大手2社は苦境に陥っており、中国市場における競争にその原因がある。参考消息網がドイツメディアの情報として伝えた。
フランス通信社が紹介した米調査会社カナリスのデータによると、アップルとサムスンは現在、中国市場における携帯電話売上ランキングで4位、5位となっている。2社より上位には中国メーカーの華為(ファーウェイ)、vivo、Oppoが並ぶ。
カナリスの中国人アナリスト丁(ジェシー・ディン)さんは、「アップルは中国メーカーからの大きな圧力と課題に直面しており、こうしたメーカーは目下、中級機・高級機を研究開発中で、主力商品を大量に市場に送り込んでいる」と話す。
今月16日に世界で発売になったiPhone7では、カメラの規格が引き上げられ、防水機能が付加され、3.5ミリメートルのイヤホンジャックがなくなった。
最新の四半期業績報告をみると、アップルの中華圏での売上は今年第2四半期(4-6月)にそれまでの2位から3位に低下した。米調査会社IDCによれば、「iPhoneの売上は前年同期比32%減少した」という。
アップルの昔からのライバル・サムスンはさらなる苦境に立たされており、最近は「ギャラクシーノート7」の安全性をめぐる問題で深刻な危機を迎えている。同機は米国で26件の発火・爆発事件を起こし、サムスンは250万台の回収(リコール)を余儀なくされた。
米調査会社ストラテジー・アナリティックスの執行役員のニール・モーストン氏は、「サムスンの今回の件への対処はまずかった。方針の決定が遅く、情報のやり取りがスムースでなく、協力の姿勢も不十分で、企業イメージが損なわれた。中国では、サムスンブランドへの忠誠度は高くない。中国市場は競争が非常に激しく、細分化された市場であり、ライバル達は価格やデザインでお互いにしのぎを削っている。中国市場ではいかなるミスも許されない」と話す。
またモーストン氏は、「これまでの3~4年間、中国ブランドに対する民族的な誇りが高まり、中国ブランドが追い風を受けて勢いよく発展してきた」と指摘する。
中国ブランドのもつ最大の優位性はなんといっても価格だ。華為の「P9」はiPhone7と機能的にはほぼ同じだが、価格は約3分の1安い。
(人民網日本語版)
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