中国人科学者はこのほどキンシコウが高度順応する秘密を明らかにし、高海抜環境に適応する遺伝のメカニズムを解明した。同研究成果はこのほど、ネイチャー・ジェネティクス(電子版)に掲載された。
論文の著者で雲南大学の于黎研究員によると、科学者は次世代ゲノムシークエンシングプラットフォームを利用し、雲南省に生息する1匹のキンシコウのゲノムシークエンシングを実施し、その他の哺乳動物と比較し、ゲノム分析を行った。その結果、雲南省のキンシコウの大幅に拡張した遺伝子族の中の遺伝子が、DNAの修復と酸化的リン酸化の過程に密集していることが明らかになった。また雲南省のキンシコウとアカゲザルの各組織のRNAシークエンシングと比較トランスクリプトームの分析を行ったところ、高発現遺伝子は酸化的リン酸化および心筋収縮に関連するルートに密集していたことがわかった。于氏は「これは雲南省のキンシコウの耐紫外線およびエネルギー代謝などの適応性と、進化の能力を示している」と述べた。
科学者は貴州省のキンシコウ、怒江のキンシコウ、ベトナムのキンシコウの個体の全ゲノムシークエンシングを実施した。その結果、6つの遺伝子に8つの共通アミノ酸の置換があったことを発見した。科学者はさらに雲南省のキンシコウの1つの群れ(20匹)と四川省のキンシコウの3つの群れ(26匹)のゲノムスキャンを行い、選択された遺伝子がDNA修復、心血管の発育、酸欠反応、エネルギー代謝、血管生成と関連していることを発見した。
(人民網日本語版)
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