「人生が変わる講義」。これは、米国ハーバード大学の「中国哲学概論」の紹介で、多くの同大学の学生の共通認識ともなっている。少し前の「ニューヨークタイムズ」の報道によると、同大学で、中国哲学の講義は、コンピューター科学入門や経済学入門に継ぐ人気となっている。また、中国盛唐の詩人 杜甫も、「東洋のシェークスピア」と呼ばれ、英語に訳された「杜甫の詩」も同大学で流行している。文匯報が伝えた。
コンピューターや経済学が人気となるのは理解できるが、中国哲学が地球の反対側の米国でなぜ人気となっているのだろう?「中国哲学」の講座を行うハーバード大学のマイケル ピュエット教授によると、「一部の中国哲学の著作は米国人に『生活の哲学』と崇められ、流行している」。ピュエット教授が2006年に学部生を対象に「中国哲学」の講義を始めると、すぐに大人気となった。そして、翌年には学生が殺到し、教室の上がり段に座って講座を聞く学生まで登場。最終的に、講座は学内で最も大きなサンダースシアターに場所を移して行われるようになった。
「中国哲学」の講座が人気となっていると同時に、その内容が学生にも影響を与えている。ここ10年の講座を振り返り、ピュエット教授は、「多くの学生が、進んで自分のキャリアプランを具体的に設定するようになった。このような状況は以前ほとんどなかった」と目を細めている。
同大学で人気になっている中国の要素は、決して「哲学」ではない。2カ月前、杜甫の詩が初めて英語に訳され正式に刊行。作者は、米国の著名な漢学者である、ハーバード大学のステファン オーウェン教授で、同大学の公式ニュースサイト「ハーバード公報」で、杜甫を「中国のシェークスピア」と呼び、「シェークスピアの作品のように、杜甫の作品は、内容が豊富で詩の作風も一定でなくさまざま」と絶賛している。
中国の先人らの哲学や文学が現在、「物を潤して細かく声なし」とばかりに、米国の若者の人生を変えている。
(人民網日本語版)
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