福田さんの家にお邪魔して、奥さんにここ数年の家計状況を聞いた。福田家では株を買ったが、アベノミクスがこれほど急速かつ大幅に株価を引き上げるとは思っていなかったので、初めはたくさん買わず、恩恵を被ることができなかった。そして後から買った株は値上がりしなかった。福田夫人は、「小規模な投資家のちょっとした投資だけで、日本株式市場でもうけるのは難しい。一番重要なのは経済が好転すると思えないこと。だからしばらく持っていて、あとでもうけが出るような株でも、先行きの見通しがないので急いで売ってしまう。うちぐらいの資産の規模で、株で大もうけするのは不可能だし、損失が出たら出たでお手上げ」と言う。福田さんのような日本の中間層が株式市場でしっかり稼ぐことはかなり難しく、金を貯めたいなら、何年間もスーツを買わないのが一番の近道だ。
家計を握る福田夫人は最後に、「やっぱり貯金が一番安全」と述べた。この言葉は日本の情況と合致する。日本銀行(日銀)が15年に日本、米国、欧州の世帯資産構成について行った調査によると、日本の世帯資産のうち、預金が52%を占め、株式などの投資が16%、保険が26%だった。日本の一般世帯では預金と保険が資産の約8割を占めるということだ。福田さんは、「うちには健康保険があり、会社の厚生年金もあるが、保険商品は買っていない。日本には保険商品がたくさんあるが、保険を買って資産の価値を保とうとする人は多くない」と話す。福田さんのこうした考え方は日本で伝統的な考え方だ。日本社会の安定は国の整った社会保険制度によるものであり、経済の低迷が続いても、医療と年金については心配することがない。それほどたくさんの貯金をもっているわけではない中間層の福田さんが、今のように満足して日々を過ごせることに、心から祝福を送る。
(人民網日本語版)
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