中国重慶墨希科技公司はこのほど、世界初の曲げられるスマホを発表した。普通の板状のスマホのようにして使うことも、腕に巻くこともできる。この製品が発表されると、海外メディアから注目を集めた。24日付英デイリー メールは同製品に関する情報を伝え、アップルとサムスンを超えたと評価した。
このスマホの重さは200グラム、パネルのサイズは5.2インチ。ディスプレイを曲げられるのは、グラフェンを使用しているからだ。英マンチェスター大学の物理学者であるAndre Geim氏とKonstantin Novoselov氏は2004年、グラフェンの分離に成功し、単独で存在できることを証明した。両氏は2010年に、ノーベル物理学賞を受賞した。グラフェンは非常に薄いが柔軟性が高く、断裂の強度は最も優れた鋼材の200倍にのぼる。またこのスマホのディスプレイは、アマゾンの電子書籍リーダー「Kindle」と同じ、Eインクを使用した白黒ディスプレイだ。
同社の余重勝 執行副総裁は白黒ディスプレイを使用する理由について、「白黒スマホの方が製造しやすい。カラーの曲げられるスマホは、電力消費が激しい。当社はまず中国市場で製品を販売する。海外市場に需要があれば、海外市場への進出も検討する」と話した。
同社は2016年に中国で10万台を販売する。定価は5000元。マンチェスター大学グラフェン研究者のAravind Vijayaraghavan氏は、「実用的な曲げられるスマホが生産できれば、大きな需要が存在する。今年中に発売できるのならば驚きだ。しかし低画素数で、信頼性のない白黒ディスプレイであれば、将来性は低いと思う」と判断した。
同社は北京墨キ控股集団株式有限公司、中国科学院重慶グリーンスマート技術研究院が共同出資し、2013年3月に創設されたハイテク企業だ。同社はグラフェン材料の生産と販売、応用技術の開発を行っている。
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