【新華社北京12月21日】米国連邦準備制度理事会(FRB)は16日、約10年ぶりに政策利上の引き上げをスタートさせると発表した。この背景のもと、新興経済体は債務の高止まり、通貨安、外国投資の減少、資金の流出などの課題に直面する見通しだ。しかし国際経済の専門家は、FRBは今回の利上げは有史以来、最も十分に予測されたことで、しかも中国経済が好転へ向かうという基本面での支えがあるので、利上げは中国経済にとっては課題とチャンスの共存だといえると普遍的にみなしている。
保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のマネージング・ディレクター (managing director)で課長代理であるチーフエコノミスト、莫恒勇(Henry Mo)氏は新華社記者の取材に応じた際次のように述べた。FRBによる利上げは米国経済の回復と安定を明らかにしており、雇用市場が明らかに改善される見通しだ。米国経済の好転は新興市場諸国の輸出、特に中国の輸出を牽引するのに役立つだろう。
人民元為替相場の動きについて、専門家は、中国の健全な貿易黒字や余裕のある外貨準備高及び国際通貨基金(IMF)が人民元を特別引き出し権(SDR)の通貨バスケットに組み入れると最近発表したことは、いずれもFRBの利上げ後に、人民元為替相場の安定維持を保障するものだと普遍的にみなしている。
ピーターソン国際経済研究所の先任研究員、ニコラス・ラディ氏は次のように述べた。中国が新たな措置を採るに伴い、人民元為替相場が通貨バスケット( basket of currencies)を注視する見通しだ。中国・中央銀行は金融政策でより大きな自主権を擁する見通しなので、米国の通貨政策に対しては追従する必要はない。
歴史的経験から見て、FRBの利上げと国際資本の流れには絶対的な直接の因果関係は存在せず、国際資本の流れはグローバルマクロ経済環境や一国経済の基本面により受けた影響が更に大きいといえる。中国経済が安定の中で良い方向へ向かうよう維持し続け、経済改革措置を更に実行し、人民元為替相場の安定を維持しさえすれば、FRBが利上げのルートに入った後にも、中国経済は依然として国際資本から重く見られるだろう。
(新華網日本語)
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