王司長は記者会見で人民元切り下げ観測について言及する中で、「中国の国際収支構造は健全で、人民元には長期的な値下がりの基盤は存在しない。米ドルの金利引き上げは人民元に切り下げ圧力をもたらすが、国境を越えた資金の流動に目立った影響は与えないだろう」と述べた。
興業銀行の魯政委チーフエコノミストはさらに踏み込んで、「人民元のバスケット入り後、市場化の要求がさらに高まり、レートの変化について、単なる上昇や低下の動きだけでみることはできなくなり、人民元レートの市場化という大きな背景の中でみることが必要になり、変動への恐怖感から自由になれる」と述べた。
10日の記者会見で明らかにされた興味深い1組のデータによると、10月以降の国境を越えた資金の流出圧力が第1~3四半期(1~9月)に比べて著しく緩和されたという。これには主に2つの理由があり、その1つは、1~9月には外匯管理局の政策が強化されたことだ。たとえば9月にうち出された中国銀聯の人民元建てカードによる海外での現金引き出し管理政策の強化があり、今年10月1日から12月31日までの期間、カード1枚あたりで人民元に換算して累計5万元以上の現金を引き出すことはできないとされ、さらに来年からはカード1枚あたり1年間に累計10万元以上の引き出しは不可とされた。
このほか外匯管理局は、銀行、ローン リース関連企業、ゴムなど各産業を対象に特定検査を実施し、シャドーバンキングをはじめとする外貨分野の違法行為 犯罪行為を厳しく取り締まることを明らかにした。大まかな統計によると、今年1~11月の外貨がらみの違法案件は1900件を超え、行政処分として4億1千万元の罰金が科せられた。
(人民網日本語版)
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