【新華社北京12月14日】人民元の対米ドル相場が何度も下落し続けたことで、人民元の切り下げが始まるのか。投機目的の短期的な取引を抑制するトービン税は早急に導入されるのか。銀聯カードの海外での現金引き出し限度額は今後、調整されるのだろうか。国家外貨管理局の関係者は10日、以下のいくつかのホットトピックについて回答した。
為替レートの短期的な変動は傾向的な切り下げとは異なる
6.40の大台を突破した後、10日に人民元の対米ドル基準値は6.4236に下がり、4年ぶりの最安値を記録した。人民元は対米ドル相場で最近、下落が続き、人民元の切り下げを懸念する声が市場に広がっている。
これに対し、国家外貨管理局国際収支司の王春英副司長は10日に開催された四半期外貨管理政策新聞発表会で「我々は人民元の米ドル相場の短期的な変動によって、人民元が切り下げられる傾向にあると判断されるとは主張しない。人民元の通貨バスケットに対する多国間の為替レート及びより長期的な動向を注視することを希望する。」と述べた。
外貨管理局総合司の王允貴司長は「人民元相場の変動は、正確に対応する必要がある。為替レートの変動は為替レート設定の市場化改革の正常な結果と言える。この変動性は、中国国内の需要と供給を反映し、国際金融市場の変化も反映している。」と述べ、また「11月以降、人民元が対米ドル相場で下落したのは、米ドルの価値が上昇したことが主な原因だ。英ポンド、日本円、ユーロなども対米ドル相場で大幅に下落しており、人民元にもやや影響が出ている。」と説明した。
銀聯カードの海外現金引き出し限度額は調整されない
外貨管理局は9月、中国銀聯に対し、銀聯カードの海外での現金引き出しの管理を強化し、カード1枚につき、1日1万元を超過しないことを前提に、2016年1月1日から年間累計10万元の限度額を設定するように要請する通達を発した。この政策は短期的な規制なのか、それとも長期的な調整なのだろうか。
王春英副司長は次のように述べた。「この政策の重点はマネーロンダリングのリスクを防止するもので、情勢の変化に合わせて調整することはなく、マクロ的で慎重な管理政策とは異なる。」モニタリングによると、10月は海外での引き出し金額が1月から9月の平均値と比べて21%低下し、年度限度額が原因で引き出しが失敗した割合はわずか4%だった。これは新政策によって、カード保有者の正常で合理的なニーズが保証された状況で、当初に予測した効果に到達したことを表している。
王春英副司長は次のように表した。次の段階で、外貨管理局は銀行カードによる正常な海外での観光消費の決済を継続的にサポートし、国際交流に利便性を提供する。海外での消費及び中国国内での人民元の外貨への両替・決済政策に変更はないが、カード保有者が海外で大量な現金を引き出すことを奨励しない。
(新華網日本語)
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