第10回東アジアサミットがこのほどマレーシアで行われた。東アジアサミットはアジア太平洋地域協力の重要なプラットフォームであり、ASEAN議長国が主催し、エネルギー、金融、教育、公衆衛生、災害管理、ASEANコネクティビティなどを重点協力分野としてきた。だが近年の東アジアサミットでは一部の国が南中国海問題に故意にこだわり、議事日程を揺さぶろうとしている。(蘇暁暉 中国国際問題研究所国際戦略研究部副主任。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
南中国海問題の当事国である中国は、東アジアサミットおよび関連会議が南中国海問題を議論するのにふさわしい場ではないことを明確に表明している。だが中国は挑発を避けることはなく、落ち着いて対応して、誤った見解を正している。今回のサミットで中国の李克強総理は南中国海の平和 安定の各国による共同維持について5つの提言を行った。
昨年の東アジアサミットでの発言と比べると、今年の李総理の提言は中国の南中国海政策の安定性と継続性を示している。
第1に、中国が南中国海紛争の平和的解決という基本的立場を変えたことはない。中国は南中国海の「トラブルメーカー」ではないし、航行と飛行の自由を妨害したこともない。中国は再三善意を示し、南中国海を平和、友好、協力の海にすることを提案している。実践においては、関係国との海上協力を積極的に発展させている。
第2に、中国は南中国海問題の「国際問題化」に断固反対している。中国は「デュアルトラック」の考えを堅持している。すなわち、具体的な争いは直接の当事国が交渉と協議を通じて解決すべきであり、南中国海の平和と安定は中国とASEAN諸国が共同で維持するというものだ。