「植物酵素」(上)と「スクワレン」(下)は説明が異なるだけで、内外の包装はほぼ同じ、価格もほぼ同じだった。
クルーズ船では何もかもが素晴らしかった。しかし徐さんは一ヶ月以上がたっても、最後の免税店の買い物を思い出すと、ハエを飲み込んだように全身が不快になる。「新華ネット」が伝えた。
徐さんは10月2日夜、クルーズ船「四日遊」で福岡県に到着した。このクルーズ船には2000人以上の観光客が乗り、そのほとんどが中国人で、ほとんどが船を降りた。
クルーズ船の観光客は大型バスに乗り込み、市街地に向かっていった。
バスが動き出すと、徐さんは運転手の隣に立つ女性が話をするのを目にした。女性は30代で、バスのガイドだと自己紹介した。
ガイドは当初、主に福岡や日本の風土や人情について、普通の説明を行っていた。彼女は、日本の子供は寒さに強いと話した。例えば彼女の小学生になる2人の子供は、冬も短パンを履き長ズボンを履いたことがなく、病気になることも稀だと話した。それから彼女は「自然に」、日本人が健康的で、頻繁に魚を食べ肝油を飲むと話を変えた。
彼女は自分も美容を好むと話した。彼女はその後、子供の同級生の母親から、日本人女性のダイエットの秘密を聞き出した。「酵素」と呼ばれるものを摂取するのだ。「私は以前とても太っていましたが、これを摂取するようになってから痩せました」
最初の目的地は福岡タワーだった。実際には福岡市のただのテレビ塔で面白みがなく、上海の東方明珠塔や広州タワーの比ではない。下車した観光客のうち福岡タワーを見に行った人は少なく、付近のスーパーに殺到した。
徐さんが入ると、スーパーの店内は人で溢れ返り、身を動かすこともままならなかった。棚の商品はすでに空っぽになっていた。徐さんは残念ながら、バスに戻るしかなかった。ガイドは、次の目的地は免税店で、40分ほどしか時間が取れないから、重要なものを買うようにと言った。免税店で下車する前、ガイドはタイミングよく「効き目バツグン」というスティック型の美容器具を紹介した。
日本で物を買うつもりのなかった徐さんは「洗脳」され、徐々に脳内で明確な「ショッピングリスト」を形成していった。酵素もスクワレン(肝油)もスティック型美容器具も悪くないな……。
(チャイナネット)
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