苦労して手に入れた商品に怒り心頭
多くの観光客が店内に殺到し、買い物かごをひったくり、大急ぎで商品を買い漁った。徐さんはやっとの思いでカウンターに近づき、「酵素と肝油はありませんか?」と聞いた。店員はなんと中国語を理解し、話すこともできた。店員は「ありますよ」と言うと、4つのピカピカした箱を手際よく並べていった。箱には「米国財団法人 野口医学研究所」と書いてあり、権威あるように見えた。
徐さんは商品を手にできただけでも幸運と思い、多くのことを考えずレジに直行した。精算を終えてから隣で携帯電話の電卓機能を使い計算すると、数百元かと思っていた「植物酵素」と「スクワレン」の価格が、合計で1万元弱に達していた。さらに不思議なことに、徐さんは「植物酵素」と「スクワレン」は字が異なるだけで、包装がほぼ同じ(その後帰宅後に箱を開けたところ、2種類の商品の中の瓶も同じだった)で、価格もほぼ同じであることに気づいた。
徐さんはなんとなく騙されたと感じ、店内を一回りした後、勇気を出してレジに行き返品を要求した。しかし店員は返品は受け付けられないと言った。徐さんは、箱を開いておらず店も離れていないのに、なぜ返品できないのかと聞いた。店員は「返品は受け付けられない」を繰り返し、相手にしなかった。なんとなくおかしいと感じただけで、他にも購入したい物があったので、徐さんは諦めた。免税店を出た徐さんは、多くの観光客が自分と同じように、多くの袋を手にしているのを目にした。
旅行後に調べた徐さんは、怒りを爆発させた。「野口」というブランドが見つからず、さらに調べてみると、日本の買い物で騙されたという多くの苦情が見つかった。困難な交渉の末、ついに返品できたという人のある商品は、徐さんが購入したものとまったく同じだった。
情報によると、これらのガイドや店員は中国人で、中国人を騙しているという。酵素は1箱せいぜい3000−4000円だそうだ。これらの商品は日本で買物をする中国人のために「オーダーメイド」されたものだという。
徐さんは諦めきれず、旅行会社に連絡した。回答はこうだ。「当社はクルーズ船のチケットを手配するだけで、マージンなどその他のことについては無関係です。ツアーリーダーを探して、ガイドに連絡できないか試してみてはどうでしょうか」
徐さんにはこんなことに費やす時間も精力もなかった。
読んでもまったく理解できない日本語の説明を見て、徐さんは商品の品質も心配になった。お金を無駄にしたことはさておき、特に子供の場合、摂取して病気になったら大問題だ。 徐さんは現在も家の中に、総額1万元弱・計4箱の植物酵素とスクワレンを保管している。摂取するわけにも捨てるわけにもいかず、放っておけば場所を占め、見るだけでもむしゃくしゃする。
(チャイナネット)
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