第2次世界大戦中、日本で強制労働を強いられたとして中国の元労働者らが日本企業に賠償を求めている問題で、三菱マテリアルと和解交渉をしている3団体の代表者が3日、北京市内で会合を開き、和解案について「三菱の謝罪文や和解金の金額に不満はあるが、生存者の高齢化が進み、生存しているうちに解決したいという気持ちや多くの被害者や遺族の意見をふまえ、受け入れる」との声明を発表した。声明発表には37人の被害者遺族が参加した。
声明では、三菱マテリアルが7月19日に米国の元捕虜や家族らと面会し、公式に謝罪したことにも言及し、肯定的な姿勢を示すと同時に、「基本的人権において、差別的な対応をせず、誠意を見せてほしい。そして、1日も早く中国の被害者に対して謝罪し、和解してほしい」と付け加えた。
声明を発表したのは第2次大戦中国労働者三菱被害者聯誼聯席会、第2次大戦中国労働者長崎三島被害者聯誼会(高島、端島、崎戸)、中国日本強制連行労働者河北三菱分会の3団体。第2次世界大戦中に日本に強制連行され三菱で労働を強いられた中国人労働者とその家族が主体となっている。
声明は「勇気を持って歴史的責任を担ってこそ世界的企業としてふさわしい」と指摘している。
賠償を求めるために15年間奮闘してきた、第2次大戦中国労働者三菱被害者聯誼聯席会の戴秉信・秘書長は、「ここまで来るのは本当に大変だった。三菱がこの一歩を踏み出すことができれば、歴史的一里塚となる。三菱が謝罪する日、生存者が生きているうちに勝利のたよりを聞く日を、待ちわびてきた」と語る。