2015年6月29日、中国科学院広州生物医薬・健康研究院の裴端卿(ペイ・ドゥアンチン)氏と陳捷凱(チェン・ジエカイ)氏が率いる研究チームは、iPS細胞研究の分野で画期的な進展を実現し、新たな発想によりヤマナカファクターを含まない初期化方法を確立した。中国科学報が伝えた。
この研究では体細胞段階のファクターを出発点とし、がん遺伝子「c-Jun」と幹細胞の多能性がまったく相容れないことを発見した。c-Junインヒビターは初期化を促すほか、ヤマナカファクターのうち最も中心的な「Oct4」の代わりになる。研究チームはこの発見を踏まえた上で、長年に渡る初期化メカニズムの研究結果を組み合わせ、ヤマナカファクターを含まない新たなiPS細胞誘導因子を形成した。
日本人研究者の山中伸弥氏が2012年にノーベル賞を受賞すると、2006年に発見されたiPS技術が人々に知られるようになった。iPS技術は4つの遺伝子(ヤマナカファクター)を体細胞に作用させることで、これを胚性幹細胞まで若返らせることができる。これは再生医学の幹細胞資源の問題を解消し、幅広い応用の価値を持つ。
裴氏は新たな初期化方法について、「これは実験室の8年弱に渡る一連の取り組みの結晶であり、c-Junの発見とその関連する研究だけでも7年弱を費やした。新たな初期化方法は6つのファクターを必要とし、うち3つは代替不可の重要ファクターで、実験室の一連の長期的な取り組みによって蓄積された」と話した。
(人民網日本語版)
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