ネガティブリストを含めた中米2カ国間投資協定交渉に対する外界の憶測について、中国社会科学院金融研究所の鄭聯盛副研究員は記者の取材に応じた際に、「中米投資協定交渉は中米対話の中心議題であるが、米国側は中国側の金融改革推進、資本勘定の開放を希望している。しかし、米国は今アジア太平洋回帰の方針を据えており、中米関係が複雑になっているため、中国はこの問題について慎重に対応するだろう」と話した。
「おそらくネガティブリストを含めた中米投資協定交渉に新しい進展がみられるだろう。中国側から見ると、BITは中国経済の将来に有利であるため、経済の下振れと改革圧力に直面している中国は、BIT交渉面で米国側に歩み寄る可能性が高い」と鄭聯盛氏が分析している。
「米国も交渉の推進を期待している。米国側は金融と資本勘定における中国政府の一層の開放が必要だが、それに関する中国側の持つボトムラインも知っており、強硬過ぎず、ある程度妥協して協定調印につなげたいだろう」と鄭氏が指摘する。
米国はSDRの人民元採用を支持する可能性
SDR(特別引出権)の通貨バスケットの人民元採用も今回の対話の注目点になる。中国は国際通貨基金(IMF)による年内の人民元準備通貨承認を希望しているが、IMFは現在人民元のSDR通貨バスケット入りを評価している最中で、年内決定される見込みだ。そしてこの問題において、米国が決め手となる。