8日に撮影した王君子さんが焼いた汝窯青磁の作品。「折沿盤(せつえんばん)」(左上)、「三足洗(さんぞくせん)」(左下)および「三足炉(さんぞくろ)」。(組み合わせ写真、鄭州=新華社記者/李安)
【新華社鄭州5月17日】汝窯(じょよう、河南省臨汝県付近一帯にあった青磁窯)青磁の陶芸家、王君子(おう・くんし)さんは、汝窯青磁の「天青色」(スカイブルー)の美をよみがえらせるため、30年以上にわたり心血を注ぎ、数々の難題に取り組んできた。そして、ついに汝窯青磁を焼成する「超絶的な技法」を会得し、国家級無形文化遺産「汝窯青磁焼成技法」の代表的伝承者となった。
中国河南省宝豊県大営鎮の清凉寺村には、北宋時代に宮廷に献上する磁器を焼成していた「汝官窯(じょかんよう)」の跡地がある。王君子さんは年少の頃より家族から汝窯青磁文化の薫陶を受けてきた。最初は軽やかで味わい深く、セミの翅のような細かい筋が走り、玉石のような滑らかさがあるといった特徴をもつこの汝窯青磁を好んでいただけだったが、やがて夢中になり、青磁の研究に没頭し、何千回もの試行を重ね、ついに汝窯青磁の焼成のカギとなる技術を把握し、独自の技法を編み出していった。
王君子さんは汝窯青磁の文化を発揚し、その技法を伝えるため、2003年から20人ほどの弟子を受け入れ、汝窯青磁焼成の伝統製法や技術を若い人たちに伝えてきた。今では、汝窯青磁文化は王君子さんの努力によって、地元の文化クリエイティブ産業発展の代表的な存在となっている。彼は、「私の夢は汝窯青磁の焼成技術をよみがえらせ、伝承してその名を高め、広めていくことだ」と語った。(記者/李安)