16日、座談会であいさつする人民教育出版社の黄強(こう・きょう)社長。(北京=新華社記者/江小舟)
【新華社北京10月17日】(記者/郭丹 江小舟)中国の人民教育出版社が主催する「『中日交流標準日本語』発行30周年座談会・シンポジウム」が16日、北京で行われた。同社が日本の光村図書出版と共同で出版した「中日交流標準日本語」は中国で日本語を独学する若者の間で最も人気の高い教科書とされる。会場には両国の出版関係者や日本語教育界の代表、読者らが一堂に会し、30年間の交流の成果について懇談した。
同書は1988年の出版以来、中国での発行部数が1500万セットを超え、読者も1千万人を超えた。これまでに3回改訂され、今でも日本語学習者の間で人気を集めている。中国語版の他にもウイグル語版や韓国語版も出版されており、台湾地区もすでに同書の著作権を取得済みで出版を見込んでいる。
人民教育出版社の黄強(こう・きょう)社長はあいさつで、中日両国の平和友好交流と中国の改革開放の下で生まれた同書は、両国の国際文化協力の手本となっただけでなく、中日文化交流の「推進剤」の役割も担ったと述べた。
光村図書出版の小泉茂社長は人民教育出版社との教材編集と開発の歴史を振り返り、同書の誕生が両国の出版社による共同努力の結晶であるだけでなく、日中平和友好交流の結晶でもあると語った。小泉氏はまた、2020年の東京五輪と2022年の北京冬季五輪を迎えるにあたり、同書が開放的な国際社会の中で日中交流の架け橋としてより大きな役割を果たしていくことに期待を示した。
人民教育出版社は時代の発展に応じ、同書を電子書籍としてアプリ化し、またeラーニングカリキュラムを提供している。書籍とアプリ、eラーニングという日本語独学者向けの三次元教育システムがすでに構築されている。