21日、上海で行われたコンサートで、中国の観客と一緒に「昴」を歌う谷村新司氏。(上海=新華社配信/SMG Live提供)
【新華社上海9月24日】アジアの音楽シーンで「常緑樹」のように精力的に活動している日本の著名ミュージシャン、谷村新司氏が21日夜、中国上海市の上海大劇院で「38年目の昴」と題したコンサートを開催し、現地の観客から熱烈な歓迎を受けた。
谷村氏はこの夜、「昴」(中国語名「星」)や「花」「サライ」など中日両国で親しまれている懐かしい名曲約20曲を熱唱。何千人もの観客の中には、高齢者や「80後」(1980年代生まれ)、「90後」(1990年代生まれ)の若者、上海在住の日本人らの姿も見られた。
中国の改革開放が始まって間もない1981年、谷村氏は招待を受けて北京で行われた中日青少年文化交流イベントに参加。仲間と結成したバンド「アリス」として北京工人体育場でコンサートを行った。1994年にはアジア音楽会の関連イベントで、初めて上海のステージに立った。
今回上海で行われた「38年目の昴」公演では、谷村氏の代表曲である「昴」がオープニング曲となり、中国内外から訪れた観客の熱烈な拍手喝采を浴びた。
谷村氏は自身の創作時の心境を解説し、「昴」が長年中国で高く評価されているので「音楽は国境を越える」ことを理解するのは難しくないと率直な感想を述べた。
2010年の上海万博の際、谷村氏は日本を代表するミュージシャンとして、開幕式総監督の滕俊傑(とう・しゅんけつ)氏の招きで開幕式に出演。文化交流イベントにも参加し、このことが「昴」が世界各地に知れ渡るきっかけの一つにもなった。
70歳を迎える谷村氏は、来年アリスを再結成するが、機会があればまた中国に来て「昴」を歌いたいと意欲を示した。
谷村氏は、日中両国の音楽家が相互訪問して公演することは両国の文化交流にとって非常に重要で、音楽家が相手国の音楽学校で教鞭を執ることも、国境を越えた音楽交流を促進すると表明。以前、上海音楽学院で客員教授に就任した際に中国の学生から熱烈な歓迎を受けたことは、音楽生活の中でも忘れ難い出来事だと述べた。
谷村新司「38年目の昴」公演は28日に北京でも開催される。(記者/許暁青)