27日、インタビューに応じる王泰平中国アジア経済発展協会名誉会長・元大阪総領事。(撮影/胡暁格)
【新華社北京6月29日】中国北京市で27日、「一帯一路」沿線諸国商会協会・シリーズ円卓会議の一つ、中日商会協会円卓会議が行われた。会議に出席した元大阪総領事で中国アジア経済発展協会の王泰平名誉会長はインタビューに応じ、「一帯一路」建設に対する日本政府の態度について、日本企業が積極的に「一帯一路」に加わろうとしたことが、日本政府の態度の変化を促したと語った。
「一帯一路」建設に対して日本政府は、消極的に傍観し、警戒し疑問視する態度から、客観的な見方をし、積極的に参加するという態度へ変化した。これについて王氏は、日本の態度の変化には主に3つの側面があると述べた。
一つ目は、中国経済が全体的に「穏中向好」(安定の中で良好な方向へ向かう)な状態を維持し、中・高速発展の傾向を示している点。日本は中国の経済成長を見込んでいなかったが、その見通しが完全に誤りだったことをわれわれは実践を通じて証明してみせた。2010年に中国の国内総生産(GDP)は日本を上回り、その後も日本との差を徐々に開きつつある。中国という巨大な経済体を前に、協力を選択することが大勢の赴くところである。
二つ目は、日本企業が積極的に「一帯一路」に加わろうとしたことが、日本政府の態度の変化を促したという点。「一帯一路」構想は2013年に提起されて以降、沿線国や国際社会の大きな反響を呼んだ。中国は常に開放的な姿勢を取り、第三国市場での協力推進に力を入れてきた。すでに参入している日本企業もあり、彼らは我先に「一帯一路」の波に乗ろうとしている。中日両国の企業同士が提携を求めることは客観的な現実と発展のニーズに基づくものといえよう。日本国内の市場が飽和状態にあるのに対し「一帯一路」は新たな市場を開拓しており、これは日本企業にとって大きな魅力となっている。なかでも、日本の大企業の「一帯一路」建設に対する積極的な態度は、日本政府の態度の変化をより促すものとなっている。
三つ目は、米国との関係による影響。トランプ米大統領が就任直後に環太平洋パートナーシップ協定(TPP)からの離脱を正式に発表し、保護貿易主義を打ち出したことで、日本は「米国一辺倒」ではなく戦略的意図をアジアに置くべきことを意識するようになった。それは中国の台頭に対する安倍政権の認識に変化をもたらし、これまでの抑圧的な姿勢を徐々に協力の模索へと変化させた。
王氏は、日本企業の「一帯一路」建設への積極的な参加は、中日関係に前向きな影響を与えるとの見方を示し、両国の経済関係と政治関係は互いに補完し、互いに促進するものだと指摘した。(取材/竜怡欣、胡暁格)
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