柔遠(じゅうえん)駅(琉球館)は中国福建省の「省級文物保護単位」(省級文化遺産)で、明代成化8年(1472年)に建設が始まった。当時、明の朝廷に琉球国王からの貢ぎ物を献上する任務を担っていた琉球の貢使(こうし)は、福州の沿海地域から上陸し、内陸地域へ移動する途中でまず柔遠駅に滞在し、それから「京城」(現在の北京を指す)へ赴いて中国の皇帝に謁見していた。明の朝廷が同駅を「柔遠」駅と名付けた理由は「優待遠人,以示朝廷懐柔之至」(遠方からの訪問者を優遇することで、朝廷の懐柔政策を明示する)という一文に由来している。当時柔遠駅には多くの琉球人が滞在していたことから、一般的に琉球館と呼ばれている。
ここ数年、柔遠駅は改修工事を経て,福州の対外友好関係史の博物館として無料開放されている。同館はこれまでの中国と琉球の友好交流の歴史を人々に理解してもらうだけでなく、「一帯一路」構築の推進および世界文明の発展にも、重要な歴史的根拠を与えている。(新華社記者/魏培全)
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