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(人物クローズアップ)習近平、新時代の先導者
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-11-17 09:00:01 | 新華社 | 編集: 王珊寧

 

2017年10月18日、習近平氏は中国共産党第19回全国代表大会で報告を行った。(新華社記者/鞠鵬)

 【新華社北京11月17日】2017年10月18日、習近平氏は1万人も収容できる人民大会堂の講壇に立ち、3時間半にも及ぶ中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告を行った。

 これは、長年にわたって中国共産党代表大会における最も重大な政治報告となり、全文は3万2千文字にも及んだ。習近平の会場に響いた声で行った報告は、70回余りの拍手を博した。

 「長期にわたる努力を経て、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。これはわが国の発展の新たな歴史的位置づけである」と習近平氏が宣告した。

 この報告は10カ国語に翻訳されており、しかも珍しいことに外国人専門家がわざと招集され、翻訳作業の最終的なチェックに取り掛かっていた。習近平氏の行った報告について、専門家たちはほとんど「力強い」と感想を述べている。ロシア人専門家のオリガ・ミグノワ氏は「報告を読んだ途端にひきつけられた。朝8時から夜中にかけて翻訳し続けて、昼ご飯も晩ご飯も忘れた」と語った。

 中国問題専門家のロバート・クーン氏(音訳)は報告をきいた後、「中国共産党の核心として、習近平氏は中国を新たな歴史的出発点に導いた」と述べた。

 25日、中国共産党第19期中央委員会第1回全体会議で、習近平氏は中共中央総書記の再当選を果たし、中国共産党の党全体としての願望をあらわにした。国内外のメディアは、習近平氏のことについて、中国を「豊かな」国から「強い」国へと変えた指導者と評価している。1949年、毛沢東氏が中国人民を率いて、中国人は「三つの大きな山」とたとえられた帝国主義・封建主義・官僚資本主義による抑圧の中から立ち上がった。1978年、鄧小平氏が改革開放を提起したことによって、中国人は貧困から豊かに変わる征途にたどり着いた。

2017年10月25日、中国共産党第19期中央委員会第1回全体会議で中共中央委員会総書記に当選した習近平氏、及び中国共産党中央政治局常務委員に当選した李克強、栗戦書、汪洋、王滬寧、趙楽際、韓正各氏が人民大会堂で第19回党大会を取材していた中国国内外の記者たちと親しく会見した。重要談話を発表した習近平氏。(新華社記者/丁海濤)

2017年10月25日午後、習近平氏などの指導者は北京の人民大会堂で中国共産党第19回全国代表大会に出席した代表、特別代表、列席者と親しく会見した。(新華社記者/蘭紅光)

 第2期の5年の任期を始めた習近平氏は、自らの執政グループを率いて国内外の記者に会見した際、第19回党大会から第20回党大会までの5年間は、「2つの百年(中国共産党創立100年の2021年に小康社会を全面的に実現し、建国100年の2049年に富強・民主・文明的で調和のとれた社会主義現代国家を実現する)」の奮闘目標の歴史的合流期となり、第1の百年奮闘目標を実現し、第2の百年奮闘目標を始めなければならないと述べた。習近平氏は「私たちは必ず忠実に職責を果たし、勤勉に働き、使命に背かず、重責を果たす…新時代には新たな気概、新たな行動が必要となる」と語り、中国共産党が「永遠に盛んな気概を保ち、永遠に人民の公僕、時代の先鋒、民族の脊柱」であると宣言した。

 

一、創造的な指導者

 5年前、ニュースの中で「ソーシャルメディア時代における初めての中国共産党の指導者」と呼ばれる習近平氏は、初めて記者との会見に臨んだ。英紙『ファイナンシャル・タイムズ』はサイトで「習近平氏が登場した。十分余りの時間で、これからの10年間に、世界で最も人口の多い国をリードする習近平氏は自らの方略を明らかにした。簡単にいえば、それは中国を偉大な国に発展させ、人民の不満を解消して、腐敗を根絶することだ。習近平氏は共産党員でない人でもわかりやすい言葉で話した」と報じた。

 ポストン大学の中国政治専門家のジョセフ・フィユスミス氏(音訳)はこのように習近平氏を評価している、「速やかに動き出し始め、革新的な性格と政治能力を確実に持っているような人だ」。一方、多くのメディアは「もう少し待ってみよう」との考えを示している。5年来、習近平氏はいかに「本気」を出して実行したか、全世界がそれを目にした。

今や、「歴史的変革」という言葉がこの1800日間あまりの日々に起きた変化をたとえるようになっている。もう一つの総括的な言葉は「長期にわたって解決したくてもできなかった難題を解決し、過去にやり遂げたくてもできなかった大事をやり遂げた」である。

 360に及ぶ重大な改革方案を発表し、それから、1500余りの改革措置を打ち出したことで、主要分野における改革の中心的枠組みが基本的に確立された。

 「反腐敗運動の嵐」によって、省・軍級以上の党員幹部と中管幹部(中国共産党中央委員会組織部に登録され、中国共産党中央委員会が任免する幹部)440人が摘発され、150万人余りが処分を受け、海外に逃亡した3400人余りが連れ戻された。

 形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢浪費の風潮を全面的に反対したことによって、8900万あまりの共産党員のチームがより純潔になり、力強くなった。

 国防を改革し、軍隊を整えて、200万人の兵士からなる中国の武装力は思想・気風、組織構造から武器・装備まで一新された。

 中国経済は2013年から2016年にかけて、年平均7.2%成長し、世界同時期の2.5%をはるかに上回り、引き続き世界経済を牽引する第1のエンジンとなっている。

 貧困人口は6000万人あまりが減り、その数はヨーロッパの1つの大国の人口数に相当するものである。人民の収入の上昇率はGDPの上昇率を超え、民衆は中国での暮らしがより安全でより快適だと感じている。

 「二人っ子」政策を全面的に実施し、中国の人口構造を改善した。

 科学技術への投資を大幅に増加し、宇宙実験室、深海潜水器、電波望遠鏡、量子衛星、大型飛行機、スーパーコンピューターなどは同時に研究開発が進み、世界の先頭に立ったことで、国民の誇りを高めた。

 史上最大規模の汚染対策の戦いを繰り広げ、最も厳しい生態環境の保護制度を立ち上げて、多くの役人が環境保護への取り組みが不十分であるために処分されてきた。

 海峡両岸指導者の初会見を実現し、香港の少数者による違法行為「セントラル占拠」の企みを打ち砕いた。

 釣魚島周辺領海の日常的な巡航を実現し、南中国海の島礁の建設を推し進め、「南中国海仲裁裁定」が紙くずとなった。

 海・陸・空での手段を使い、海外から自国民の救出に何度も成功した。

 人民元は通貨バスケットに入り、国際化の足並みが著しく速くなった。

 ロシアやアメリカなどと新型大国関係を発展し、発展途上国新興力の勃興を促進し、グローバル・ガバナンスを推進した。

 「一帯一路」と「人類運命共同体の構築」は国連の文書に盛り込まれ、中国は気候変動に対応する「パリ協定」に加入した。

 ……

 これらの事をやり遂げたが、その複雑さと難しさが簡単に想像できるだろう。5年前、習近平氏が初めて登場したとき、その親しさ、溢れる自信、それに落ち着いた話し方のほかには、海外メディアが最も注目しているのは、経済成長の鈍化、腐敗問題、環境汚染、貧富の差、党の威信の後退といった方面において、習近平氏が直面している挑戦と危機である。

 習近平氏の不屈の精神と強い責任感が重要な効果を発揮した。習近平氏は中国共産党中央政治局の民主生活会議での言葉は強い意志と個性に溢れて、人々の心の中に届いた――「党と人民が我々の献身を必要とするとき、我々は命を惜しまず、躊躇することなく身を挺しなければならない。我々ができなかったら、誰にやらせるのだ」。

 このような変化は、習近平氏の第1期の5年の任期で生じたものであった。これからまたどのような人の心を奮い立たせることがあるだろうか。これはまさに全世界が中国共産党第19回党大会を大いに注目する理由である。

 習近平氏の最新の施政綱領は人々に新鮮感を与えた。2020年に小康社会を全面的に実現した後、更に「2つの15年」奮闘し、2035年まで基本的に社会主義現代化を基本的に実現させ、今世紀中葉までに、富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国を築き上げる。

 これは、習近平氏が中国をリードして、「現代化を基本的に実現する」目標を早く完成し、更なる高水準の現代化目標を提出したことを表している。以前の党大会では、今世紀中葉までに「現代化を基本的に実現する」ことを提出したことがある。

 これは人類史上において、初めて10億以上の人口が共に現代化に邁進する奇跡である。中国は歴史的に絶対貧困から脱出して共同富裕へ向かい、経済総量は世界一に躍進し、活気に溢れる世界一の市場となる。このような人々の憧れる新時代は、1840年の鴉片戦争の後に、中華民族が待ち望んだものである。

2017年10月31日午前、習近平氏は他の中国共産党中央政治局常務委員を率いて、上海中国共産党第1回全国代表大会の旧跡で、中国共産党入党の宣誓のことばを復習した。(新華社記者/蘭紅光)

 時代の合流点に立つ指導者として、習近平氏はなすべきことを積極的に行い、中国の偉大なる夢を実現するための舵取りの者となった。

 『タイムズ』誌は、習近平氏を年度世界を影響する100人の1人と選出した。メデイアは「やる気満々」、「雄心勃々」、「頭脳明晰」、「鋼鉄のような意志とやさしい心を兼備する」、「穏やかで自信に満ちている」、「開拓性を持っている」といったような言葉で習近平氏のことを評価している。米国のブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官は、習近平氏のことを「英知で将来へ見通すことができ」、「国際と国内の問題に対して良き判断力がある」と称した。ロシアの学者であるユリ・タフロフスキは、習近平氏は「とてつもない才智を持っている人で、堅実な信念を持っている人で、現在と未来を作り出す人である」と評価した。

 ハーバート大学ケネディ政府管理学院ASHセンターが全世界の人々を対象に行った世界主要国家の指導者のイメージ調査では、10カ国の指導者に対する評価の面においても、自国の指導者が国内と国際事務を正確に処理するへの自信の面においても、習近平氏はいずれもランキングの第1位となった。

 中国共産党第19回党大会が開幕した後、『日本経済新聞』が次のように述べた。習近平氏は未来30年の国家の青写真を描き、国内外に向けてシグナルを発信した。習近平氏は中国が世界強国の地位を奪い返すという偉大な事業のために道を切り開けるだろう。

 

 二、偉大な闘争の中に形成した党の核心

 習近平氏は5年前、中共中央総書記就任した際に、直面していた最重要な政治任務は、全党の中国共産党中央への服従を確保し、中国共産党中央の権威と集中的・統一的指導を堅持することである。党内における鋭いかつ厳しい気の緩みの問題、能力不足、大衆からの遊離、消極腐敗の危険を解決しなければならない。その中、腐敗は最大な挑戦である。習近平氏は、「腐敗問題はますます深刻になると、最終的に党も国も滅びる」と指摘したうえ、この問題が解決しない限り、新時代のいかなる任務も目標も議論にならないと、強調した。

 2012年12月初に反腐敗の「初めての一歩」が踏み出され、第18期中国共産党中央候補委員に当選してまだ1ヶ月も経っていない四川省党委員会副書記李春城を取り締まった。その後、ほぼ毎月に何人の中層管理幹部が取り締まられ、最も多い時期に「1ヶ月間に7つの虎を倒した(虎は腐敗幹部を指す)」、習近平氏は実施した鉄腕が中国共産党96年間の歴史の中、かつてなく、世界各国にもまれである。

 それにしても、2014年7月末に中央政治局元常務委員周永康が「厳重な紀律違反」の疑いで調査を受けることが発表されたのは、多くの人々にとって、想定外のことであった。この前、多くの中国人は、中国共産党が中央政治局常務委員レベルの元高層部指導者を調査することを、信じようもしない。国際社会でも、就任したばかりの新幹部は、このレベルの「大きな虎」を「捕らえる」ことに十分な能力と胆力を持っていると、思っていない。

 5年間、周永康のほか、薄熙来、郭伯雄、徐才厚、孫政才、令計画のような、もともと「鉄の帽子を被る王」(絶対、責任追及されることがない特権階級のこと)と見られる一部の人達は、反腐敗の鋭い剣で突き落とされ、これまで、43人の第18期中国共産党中央委員、候補中央委員、9人の中央紀律検査委員会委員が取り締まれた。

 一部の人が中共反腐敗は「ハウス・オブ・カード」であると、疑問を持っていた。習近平氏は「数百数千の腐敗した人々の利益を損なわなかったら、13億の人民達の利益が損なわれることになる」と語った。さらに、反腐敗が経済発展に悪影響を与えるとの一部の人の見解に対して、習近平氏は「私から見るには、空が崩れることをしない」と、答えた。

 このような激しい反腐敗の戦争だけからみても、習近平氏の「リレー」は、決して安定的なものではなく、むしろ「闘争」に直面していた。中国共産党第19回党大会の報告で、習近平氏はこの言葉を23回も使い、いままでの頻度を遥かに超えていた。

 2015年の「膠着状態」から2016年の「圧倒的な態勢が形成しつつある」まで、今の中共反腐敗は「圧倒的な態勢が既に形成して、強固に発展している」。海外では、逃亡している人々は、まるで通りを横切る鼠のような苦境に陥っている;国内においても、数万人の党員幹部は組織に自分の問題を自ら、白状した。

 一部の人の「ほっとした時期がやってきた。休もう」という意見に対して、習近平氏は、「成果を出したばかりの時にやめる」のを断固として認めず、反腐敗闘争の「圧倒的な勝利」を獲得するよう、と要求した。

 インターネット利用者は一幅の漫画を描いた:習近平氏は「虎」に乗せて、こぶしを振り上げ、この猛獣を痛撃している。国家統計局の調査データによると、人民大衆は党風廉政建設と反腐敗活動に対する満足度は、中国共産党第18回党大会前の75%から2016年の92.9%に上昇した。

 習近平氏は人民に威信を確立したのは、「虎を痛撃すること」、「蝿を消滅すること」だけに頼っているわけではない。

 2013年初、新華社の『インターネット利用者は「舌の上の浪費」の抑制を呼びかける』という資料を見て、即座に指示を行い、「浪費の風は強く抑えなければならない」と要求し、公金浪費の現象を断固として途絶しなければならないと、強調した。5年間努力し続けた結果、中国共産党は、多くの人々が抑えられないと思われた歪んだ風習を抑えることに成功したのである。

 中央紀律検査委員会副書記楊晓渡は以下のように語った。「人民大衆は、かつて公金による飲食代の請求が年間2千億元にも上ったのに、どんな方法で解決できるのかは、分からないと言った。しかし、この問題を解決するため、「8項規定」が打ち出されてから、この問題がほぼ解決したといえる」。「8項規定は中国を変えた」と言っても過言ではないと、話していた。

 習近平氏は「人民はわれわれに権利を渡してくれた以上、われわれは身をもって、党と国に承諾し、党と国に報いて、やるべきことをやって、怒らせるべき人を怒らせる」と、語った。これは彼の「考え方の変化」を反映する言葉である。

 火を浴びて再生する。党の大衆路線教育実践活動、「三厳三実」特別教育、両学一做」学習教育、これから始まる「初心を忘れず、使命を胸に刻む」特別教育、共産主義理想信念を「カギとなる少数」から全党員に拡散する。

 紀律処分条例と廉潔自律準則が一体修訂され、紀律の「最低ライン」も分けられ、道徳の「最高ライン」も明示された。関係学、厚黒学、官場術を熱中する人が勢力を失い始める。この5年間、処分を受けた副処級以上の裸官だけでは5000人以上。指導幹部の上でもいける下でもいけるといういくつかの規定によって、2.2万人の県処級以上の幹部が調整された。

 2016年中国共産党第18回6中全体会議では、習近平氏の中国共産党党中央の核心、全党にとっての核心的な地位が明確された。世論によると、中国共産党のような大きな政党として大国を統治し、前進の道路に沢山の困難を直面し、強力な指導核心がないと、全党の意志統一と全国各民族の人民の団結統一を実現するのが難しく、あらゆることもできなく、奇跡を更に作り出すことができず、「数多くの新たな歴史的特徴のある偉大な闘争」を獲得することができない。

 習近平氏の「何も恐れない戦闘精神」はマルクス主義への堅信によるものである。習近平氏の講演には、「共産主義と社会主義への確固たる信念が満ち溢れている」と、彼の一人の同僚が書いた。

 2012年11月29日に『復興の道』の展覧会を観覧する際に、マルクス主義理論・思想政治教育専攻博士学位を持つ習近平氏は、陳望道が『共産党宣言』の翻訳に熱中し、墨汁を勘違いして、赤砂糖として食べたという典故をほかの中国共産党中央政治局常務委員に自ら話し、陳望道が言ってた「真理の味は非常に甘い」という話を引用した。

 習近平氏は親からも力を預かった。父習仲勛と母斉心は早いうちに革命に参加した。彼は父への手紙には、逆境においても、「お父さんは共産主義への信念は揺るぎなく堅持し、わが党は偉大で、正確で、光栄であると信じている。あなたの言行はわれわれに前進の正しい方向を指した。」と書かれていた、彼は5、6歳の時に母と一緒に買った『岳飛伝』『岳母刺字』などの絵本に書いた物語を思い出す時に、「精忠報国」の4文字はその時から今までずっと覚えていて、一生の追求する目標でもある。」と語った。

 習近平氏はい若ごろに前後にして8通の入団申請書、10通の入党申請書を書いた。20歳の時に彼は、中国共産党を入党した。

 

三、人民の幸福を追求する「公僕」

 中国共産党第19回党大会報告の翻訳・校正に携わった9人の外国人専門家の一人、ラオス語専門家のKeovichith Lamngeun氏は、習近平氏の親しみやすいイメージが印象に残っていた。Keovichith Lamngeun氏は「習総書記はたいへん偉大な中国の指導者だ。習総書記はオフィスに閉じこもっているのではなく、人民の中へ深く足を踏み入れていた。習総書記はたいへん穏やかで近づきやすく、身なりも話し方も、その笑顔も 『地に足が着いている』で、雨の日にも、強い日差しの下でも、他人に傘を持たせることはなかった。私から見れば、習総書記はとても温かな心の持ち主だ」と語っている。フランス語専門家のフプチ(音訳)氏は「私がよく見たところ、習近平氏が庶民からとても好まれているのは、彼が変化をもたらしたからだ」と語っている。

 これまでの5年間によく見られたのは、この中国共産党の総書記が庶民とじきじきに会う中で、歓声が沸き起こり、携帯電話のカメラのシャッターを切るカシャっという音で賑わうワンシーンだ。

2015年2月13日の午前に、延安市延川県文安駅鎮梁家河村で調査研究した際、歩きながら村の住民たちと語り合っていた習近平主席。(新華社記者/蘭紅光)

 北京の街中にある中国風ファーストフードの店で、習近平氏はお皿を持ち、列に並んで購入し、庶民と共に食事をとった。そして、春節(中国の旧正月)を前に、習近平氏は自ら年越し用品を用意し、挿隊(都市の知識青年が農村へ行き人民公社の生産隊に入って働くこと)で働いていた農村へ戻り、「同郷人」を訪ねた。また習近平氏は、雨に濡れながらも労働者たちと語り合い、農家を訪れ、穀倉や寝床、台所、豚小屋の様子を見回ったりした。また、習近平氏は高齢者のことを気にかけ、高齢者施設を訪れた時には、日々の食事のメニューをチェックするのを忘れることはなかった。

しかも、習近平氏は学生に関心を寄せ、彼らに「人生のボタンは初めからしっかりとかけるべきだ」と語っている。震災地を視察に訪れた時には、習近平氏はテントに入り、配置された住民の生活状況について理解し、夜が深まると、粗末な仮設住宅に寝泊りした。

2013年7月21日の午前に、雨を冒して、武漢の新港陽邏コンテナ港区で実地調査した習近平主席。(新華社記者/李学仁)

2015年1月19日、雲南省鲁甸の地震被災地にある仮住まいで被災者たちを慰問した習近平主席。(新華社記者/鞠鵬)

 また、習近平氏は大気汚染が深刻な日に北京の胡同(路地裏)へ出かけ、そこの「大雑院」(中国北方の伝統的な家屋建築である四合院内部を増改築し、複数世帯が雑居する場所)に住む庶民たちを訪れ、彼らの仕事や収入、飲食、暖房の状況及びトイレまで遠いかなどについて訊ねた。北京のある新聞は「総書記は人民と『共に呼吸し、運命を共にする』という評論を発表している。

 習近平氏記は中国にあるすべての集中的特別貧困隣接地区を見て回った。習近平氏は中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の貴州省代表団の代表である。ここは中国で最も貧しい省自治区の一つで、2016年の1人当たりの国内総生産(GDP)は全国の下位にあたる。習近平氏が貴州省代表団の討論会場に着席した時、話題がどの方向へ向かって進むか、皆は見当がつかなかった。意外なことに、習近平氏は代表たちと「食品」や「酒」「観光」について話しあった。これらは現地の人々の収入を増やす手段なのだ。

 この珍しい場面を詳しく報じたメディアはインターネットで多くのクリック数と「いいね」を獲得した。

 疑いなく、人民こそが習近平氏の「強国」という戦略的な青写真の主人公なのだ。彼は「中国共産党員の初心と使命は、中国人民の幸せと中華民族の復興を追求することだ」と語った。

 2013年11月、習近平氏は湖南省西部の貧困地域にある十八洞村を訪れた。字も読めず、「共通語」もできないミャオ族の石爬専おばさんは習近平氏をわざわざ自宅に誘い、非常に丁寧な口調で、「あなたをどう呼べばいいのか?」と聞いた。習近平氏は自己紹介で「私は人民の公僕だ」と語った。

2013年11月3日午後、湖南省トゥチャ族・ミャオ族自治州の花垣県排碧郷十八洞村で村の幹部、住民たちと座談会を開催した習近平主席。(新華社記者/王曄)

 習近平氏は農村の皆さんと空き地で輪になって座り、「ターゲットをしぼった貧困支援」を実施するには、貧困人口のためのカード登録を行い、各世帯が貧困に陥った原因を把握せねばならない。「手榴弾でノミを爆発させる」ではいけない、刺繍をほどこすように細かい工夫をするべきだ、と初めて提起した。石爬専おばさんにとって、「ターゲットをしぼった貧困支援」とは政府が支給してくれた貧困扶助資金と個人の貯金を隣近所と共に用いて、キウイ栽培に投資し、収入を増やすことだ。

 習近平氏は最近の座談会で「十八洞村は3年余りで貧困のレッテルを剥がし、全員が貧困離脱を果たした。当時の独身者約40人のうち半分が結婚し、お嫁さんは皆他の村の人だ」と嬉しそうに語っていた。

2014年4月28日、習近平氏は新疆ウイグル自治区疏附県托克扎克鎮中心小学校で教員、生徒たちと記念撮影。(新華社記者/謝環馳)

 習近平氏は中国最後の貧困人口4000万人を2020年までに全て貧困から脱却させると誓っている。これは人類の歴史上かつてない貧困に対する闘争で、中国による世界最大の貢献のひとつだと国連から賞賛された。

2017年1月24日、河北省張家口市張北県小二台鎮徳勝村の徐海成さんの家で、村の幹部や村民代表と歓談する習近平氏。(新華社記者/蘭紅光)

 習近平氏の目標は13億余りの人々が衣食に足りるだけにとどまらない。それ自身がすばらしい業績なのだが、彼は庶民に「より良い教育、より安定した仕事、より満足できる収入、より頼りになる社会保障、よりハイレベルな医療衛生サービス、より快適な居住条件、より美しい環境、そして、より豊かな精神文化や生活」を得させたいとも望んでいる。

 習近平氏は、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。中国社会の主要矛盾はすでに人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要と発展の不均衡・不十分との矛盾へと変化している。この「歴史的な変化」は中国の今後の発展に対し、新たな要求と新たな導きを提起した、と語っている。

 人民のすばらしい生活に対するより高い要望を満たすため、習近平氏は教育事業の優先的な発展を推進し、すべての子供が公平的で質の高い教育を享受できるように努めてきた。彼は中国共産党中央改革の全面的深化を指揮する指導グループ会議を何度も主宰し、医療改革に関する重大な文書を審議し、「健全な中国」を国家戦略とさせた。習近平氏は知的財産権保護制度の健全化を推進し、「恒産なき者は恒心なし(生活が安定しなくては、心の安定がない)」という何億人もの期待に答えた。彼は戸籍制度の改革を深め、より多くの人々に均等な公共サービスを享受させるよう努めた。

2013年8月29日、習近平氏は東軟集団(大連)有限公司で若手社員と親しく記念撮影。(新華社記者/鞠鵬)

 習近平氏は中国共産党が誠心誠意人民に奉仕するという趣旨を体現させた。特に、彼が15歳から農村で挿隊(都市の知識青年が農村へ行き人民公社の生産隊に入って働くこと)した経歴と関わっている。習近平氏は陜北省梁家河村で7年間知識青年として過ごしたことがある。「あの時はどんな仕事もやった。荒地の開墾、畑の耕作、草取り、羊の放牧、石炭運び、ダムの建設、糞運び……、ほとんど休んだことはなかった」「この経験を通じて、実際とは何か、事実に基づいた真実の追求とは何か、群衆とは何かということがよくわかった。これらの経験は生涯役に立つだろう」と語っている。

 習近平氏はこの大国の人々の生活に関する真の状況を理解できる十分な経歴と自信を持っている。習近平氏は44年前から政治に携わり、大隊党支部書記から党の総書記まで、一般的な公民から国家主席まで、更には一般の軍事幹部から軍事委員会の主席まで、党、政治、軍事という各分野の経験を持ち、村・県・地・市・省・直轄市から中央に及ぶ全レベルの重要な職務を経験し、各職務を長期間かけて経験・鍛錬して、着実かつ著しい政治実績を収めてきた。習近平氏は中国共産党を導き、人民の利益を完全にめぐって、常に長期的で、数年から10数年を先取した政策を決定し、また「1枚の青写真をとことんまで描いてきた」。ロシア人専門家のオリカ・ミコノワ(音訳)氏は「私は習近平氏を尊敬している。中国の指導者は新時代が求める素質をもっている」と語っている。

四、責任を果敢に担う国家改革発展の戦略家

 偉大な21世紀の国家現代化事業を推進するため、習近平氏が発起した新しい改革は世界の最大規模の改革だ。習近平氏は「改革開放は現代中国の運命を決める肝心の一手だ」と述べた。

 30年あまりの改革開放は「中国の興隆」という史上最大の奇跡を創造し、その後、残されたのはーー「時代にそぐわない一切の思想・観念や体制・仕組みの弊害」から「凝り固まった既得権益の垣根」までーー困難な仕事ばっかりだ。

 中国はどこへ向かうのか。海外の人達は不安に思っていた。「経済ハードランディング」「金融危機」「改革減速」「中国崩壊」などの論調はよく聞こえる。

 改革開放の新時代をリードする習近平氏には重大な責任が任された。習近平氏は諸葛亮氏の『出師表』から、「命を受けしより以来、夙夜に憂歎し、付託の効あらずことを恐る」のを引用し自らの気持ちを表した。習近平氏は「五位一体(経済建設・政治建設・文化建設・社会建設・生態文明建設)」と「四つの全面(小康社会の全面的完成、改革の全面的深化、全面的な法に基づく国家統治、全面的な厳しい党内統治)」で、トップダウン設計をした。習近平氏は中国経済はすでに「新常態(ニューノーマル)」に突入したため、スピード、構造、エネルギーなどの面で新たな対策を打たなければならないと判断した。

 2013年4月、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議コミュニケ起草グループが設立され、習近平氏がグループ長に就任。鄭新立・元中共中央政策研究室副主任は「各地方、部門は積極的に何万に上る改革に関するアドバイスを出した。重点は何だろうか…総書記がーー制度上の問題、社会矛盾が比較的に目立つ問題、大衆の強い不満を買った問題を集中的に解決するーーと最後の一打ちで音の調子を決めた。」

 中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議で、資源の配置における市場の「決定的な役割」を果たせると提出されたが、1992年の中国共産党第14回全国代表大会で提出されたのはずっと資源配分において市場は「基礎的な役目」である。討論で、新しい提起の仕方は革新が急速すぎで、しばらく猶予すべきだと一部に思われたが、習近平氏が最後の一打ちで音の調子を決め、重大な論理的突破を果たした。中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議コミュニケの起草に参与した学者は、習近平氏の決意がなければ、多くの重要改革は実現できなかったと回顧しながら述べた。

 国有企業・国有資産、戸籍制度、財務金融、農村用地、公立病院…長年にわたり討論され、度重なる障害があり、深層的利益の調整につながるような改革は続々とスタートし、曾てなかなか解決できなかった困難な問題が次々と解決された。

 習近平氏は「官邸制」を中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議コミュニケに書き込むことを推進した。この改革について前から呼びかけられてきたが、高層官員に関わり、恨みを買う制度だったから、なかなか応じることはなかった。世論は、習近平氏は「自分に圧力を加えたのだ」と評した。

 中共中央機関紙『人民日報』ウェブサイトは、習近平氏を「我らのグループ長」と呼ばれた。ここ5年間、習近平氏が主に中央全面深化改革指導グループ、中共中央ネット安全情報化指導グループ、中央軍事委員会の国防・軍隊の改革を深化させるための指導グループ、中央財経指導グループなどの機構を統帥した。習近平氏はまた、中央全面的な法に基づく国家統治指導グループを設置すると発表した。

 習近平氏は各分野に自ら参与している。習近平氏は重大な改革案を初稿から真剣に校閲し、逐語的に訂正した。これで、国家権力の集中と意志の同一化が保証され、監察・検査などの措置を通じて改革が実行に移すことが保障された。

 習近平氏は夙夜公に在り、勤勉に働く。中共中央弁公庁の権威者によると、どれ程遅くなっても(夜零時でも)習近平氏へ稟議書を送っても、翌朝には返事がもらえる。

 習近平氏の指導の下、新型の現代化経済システムは中国で次第に整いはじめた。システムには、供給側構造改革、国家革新、農村振興、地域間の調和発展、社会主義市場経済体制、全面的開放の新局面などの戦略・設計が含まれる。 供給側構造改革の意義を官員に理解してもらうため、中国人観光客が海外でウォシュレットや炊飯器を買うことを例に、「授業」させた。

 「中国の特色ある社会主義制度を充実・発展させ、国家統治体系・統治能力の現代化を推し進める」ーー偉大で鮮明な改革の総目標は習近平氏の戦略的見識を示した。これは中国の特色ある社会主義制度がより成熟で定型化させることの推進に関する論理的回答と現実的答えで、国家の長期的安定を確保するため、より完全、安定でより効果のある制度的システムの提供に着目するもので、世論に「5つ目の現代化」と呼ばれている。

 全面的な法に基づく国家統治から、美しい中国まで、社会主義の核心的価値観から文化的自信まで、習近平氏は社会主義現代化強国の構築についてより踏みこんだ配置を行った。彼は社会主義生産力及び生産関係が最終的に資本主義を超越するよう尽力している。これは彼が創立した中国の特色ある社会主義政治経済学にも現れている。

 この意味では習近平氏が中国のために中所得国の罠を回避するルートを見つけただけでなく、社会主義国家という新しい社会形態の統治のため、効果ある対策を見つけたのだ。

 

五、軍隊と国防の再構築を遂げた統帥者

2013年8月28日午後、遼寧艦の水兵儀仗隊を検閲する習近平氏。(新華社記者/李剛)

 習近平氏は中央軍事委員会主席として世界最大規模の軍隊を新時代において「大規模から強力へ」飛躍させるようリードしなければならない。習近平氏は第19回党大会報告で、「2035年までに国防・軍隊の現代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに人民軍隊を世界一流の軍隊に全面的に築き上げるよう努める」と述べた。

 2014年、習近平氏は高級士官400人余を率いて、福建省古田に赴いた。ここは1929年に、毛沢東氏が思想面での党建設と政治による軍建設を提出した村だ。習近平氏と将軍たちは85年前に紅軍も食べたことある紅ご飯とかぼちゃスープを食べた。これは形であり、さらには内容でもある。歴史を回顧し、革命の精神を喚起するのが目的だった。

 毛沢東氏が「鉄砲から政権が生まれる」と提唱したが、新時代の中国軍は新しい情勢に直面している。それはすなわち、広大な大陸、天空、海洋の主権を断固として守ることから、国家統一の促進までのこと、また増え続ける中国の海外利益の保護から、テロ取締り・治安維持、災害救助までのことである。

 習近平氏にとって最も重要な事は、人民軍隊を統一で絶対的指導に置かれ、軍隊が党の指揮に従うことを保障することである。習近平氏は新古田会議で、政治主導の軍隊建設、党より鉄砲支配の原則と伝統を重ねて強調した。習近平氏は、軍隊幹部の間に存在する代表的な問題を「今に解決しなければならない!そうでなければ、軍隊が変質するかもしれない」と指摘した。

 第18回党大会以来、紀律・法律に厳重に違反する嫌疑がかかり、処分された軍級以上の幹部は、元中央軍事委員会副主席2人を含め、計100人以上に達した。この人数は弾丸飛び交う激戦場で新中国のために命を捧げた将軍の人数を遥かに超えた。

 習近平氏は新しい軍事委員会の紀律検査委員会、軍事委員会の政法委員会を組み立て、軍事法律規則40件余りを制定・提出して、軍隊の優れた気風、厳正な紀律と高揚する士気を保証する。

 習近平氏は軍隊に全面的経営活動から退出するよう要求する。これは多くの既得利益に関わっているので、多くの人がいい加減にしたほうがいいと勧めたが、習近平氏は「軍隊は軍隊らしくしなければならない」と認識して、この難しいことを完成させた。

2012年12月8日、海軍の「海口艦」で水兵たちと親しく歓談する習近平主席。(新華社記者/王建民)

 これで、軍隊が戦闘力という「唯一の根本的な」標準に心を集中できる。習近平氏は真情がこもって将軍たちに、「軍事上の落伍は一旦に形成したら、国家安全に対する影響は致命的だ。わたしはよく中国近代の歴史資料を読んで、後れを取るとたたかれるという悲惨なことを見ると心が痛い!」と言った。5年前に習近平氏は、我が軍の現代化戦争に応対する能力が足りないと指摘した。

 習近平氏が導く中国歴史上の最大規模の国防と軍隊の改革は2015年末から始め、以前陸軍を核心とする七つの軍区を五つの戦区に調整した。陸軍が全軍総員を占める比例は歴史的に初めて50%以下に降りた。連合作戦指揮体制を導入した。以前の四つの総部を15つの軍委機関部門に調整した。ロケット軍、戦略支援部隊などの新たな兵種を成立した。数百名の将軍の持ち場が調整され、軍隊士官の数は30%減少し、数十の部隊は駐屯地を換え、移動させた。

 過去の5年は中国軍隊が徹底的に改めて構築し、大股で現代化に前進する肝心な時期となった。「軍委ー戦区ー部隊」という作戦指揮体系と「軍委ー軍種ー部隊」という指導管理体系が確立させた。科学技術で軍を振興する目標が提出された。軍民が深く融合するのが国家の戦略になった。中国産の空母、ステルス戦闘機、大型輸送機、先進戦略ミサイル、衛星航法システムなどの高度で新たな武器装備の研究製造においては突破を取った。練兵・戦闘準備は高い標準と常態化を実現した。

 変革後の中国軍隊の規模が精鋭になり、構成が最適化になり、編成が科学的になり、根本から長期以来の陸戦型の結構を変え、国土防衛型の兵力部署を変え、数量規模型から質量効果型へ変える大きな一歩を踏み出した。

 ある解放軍の高級将校は、「習近平主席は肝心なときに危機を迎え過ちを正し、険悪な情勢を極力挽回した。軍隊に対する改革の行動は革命的で、長期的に発展を制約した体制性障害、結構性矛盾と政策性問題を解決した」と述べた。ロシアの有力紙「独立新聞」が「習近平氏が中国軍隊の面貌を変えた」と称した。

 習近平氏は軍隊に深い感情を持っている。彼は「老兵」だ。1979年、彼は清華大学を卒業してからすぐ軍人になり、中央軍委弁公庁に入り、国防部長の秘書を務めていた。3年後、河北省正定で務めたたときに、習近平氏は色がさめた軍服を着て、ある時は軍用バッグを使った。地方で務めたときに、軍隊の職務も担当した。

 現在、習近平氏の弁公室に、彼の入職したばかりの軍服姿の写真がある。習近平氏は、「小さいごろから、我が軍の歴史の教育を受けた。この目で我が軍の指導者先輩の風采を実際に見て、少年時代から軍隊への真摯な感情を形成した。」と述べた。

 しかし、習近平氏は北京の弁公室に座って軍隊を指揮したくない。5年間にわたって、習近平氏は海の島、国境、砂漠、戦艦、戦車、戦闘機、連隊、検問所、前線へ行って、視察したが、どこへ行っても必ず部隊の駐屯地に赴いて視察する。

2014年1月26日、習近平主席が内モンゴル軍区の国境警備部隊を訪れ、国境線を守る士官と兵士たちを見舞った。習近平主席が三角山哨所で勤務設備を視察しながら、勤務中の兵士たちに「今日は、きみたちといっしょに勤務する」と話した。(新華社記者/李剛)

 習近平氏は兵士と食事を共にし、兵舎浴室のシャワーの湯加減を自らの手で確認し、早く結婚式を挙げるようと兵士を催促して、長年経ったにもかかわらず、かつて会見した基層部隊の老兵のことを思い出せるのであった。習近平氏はかつて酷寒の中を、標高1000メートルの山にのぼり、国境地帯の哨所を視察したことがある。そこで、習近平氏は受付名簿に自分の名前を書いて、「今日は、きみたちといっしょに勤務する」と兵士たちに話した。

2017年7月30日、解放軍設立90周年を前に、内モンゴル自治区にある朱日和基地で緑の迷彩服を身に付け、オフロード車に乗って野戦部隊を検閲する習近平主席。(新華社記者/李剛)

 5年間、習近平氏は閲兵式を二度も主宰した。2017年、解放軍創設90周年の前日、内蒙古自治区の朱日和訓練基地で、習近平氏は緑の迷彩服を身に付け、オフロード車に乗って野戦部隊を検閲した。これは、中国指導者のまれな野戦化戦場閲兵であった。

 その以前に行ったのは、2015年、中国が初めて中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年記念をテーマとした閲兵式であった。習近平氏は将軍たちに自ら検閲を受ける部隊の隊列を率いるよう要求した。ロシアなど17カ国からの士官と兵士も今回の閲兵式に参加した。その閲兵式では、習近平氏は30万人の兵員削減を発表し、世界平和の擁護も強調した。

 習近平氏の軍事的思想は、人類の戦争と平和との弁証関係を深く掌握したものである。習近平氏は「戦える者こそ、戦争を止めることができ、戦いの準備をしておけば、戦う必要性がなくなるであろう。戦えないほど、打ち負かされるであろう」と語っていた。これは、長期的な平和を実現する願望と追求を体現している。

 

六、国際舞台に立つ大国の指導者

2015年9月28日、ニューヨークの国連本部で、第70回国連総会の一般討論演説に出席する習近平主席が、『手を携えて協力・ウィンウィンの新しいパートナーシップを構築し、心を一つにして人類運命共同体を築く』をテーマとした重要演説を発表した。(新華社記者/龐興雷)

 47分にわたる演説は、30回以上の拍手を博した。重要なところに至ると、一語一句のたびに拍手が起こるほどであった。2017年1月、習近平氏は新中国と外交のゆかり深いジュネーヴで、「共に人類運命共同体を構築する」をテーマとする演説を発表した。

2017年1月18日、習近平主席がスイス・ジュネーブのパレ・デ・ナシオンで「人類運命共同体を共に協議、共に構築」をテーマとしたハイレベル会議に出席し、『人類運命共同体を共に構築』と題した基調演説を発表した。(新華社記者/饒愛民)

 グテーレス国際連合事務総長はその場で「習近平主席の指導のもと、中国は既に多国主義の重要な柱となっており、我々が多国主義を実行するのは、人類運命共同体を構築することを目的としているのだ」と真摯に述べた。同年2月、「人類運命共同体を構築する」という理念は国連決議に盛り込まれた。

 2016年6月、「中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際貨物列車)」がワルシャワに到着した直後に行われた式典で、習近平氏はポーランドのドゥダ大統領と共にポーランドのリンゴをおいしく味わった。今や、ポーランドのリンゴなどは「一带一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」構想の力を借りて中国への輸出を実現した。

2017年5月14日、習近平主席は北京で行われた「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」国際協力サミットフォーラムの開幕式に出席し、『手を繋いで「一帯一路」建設を推進』と題する基調演説を発表した。(新華社記者/馬占成)

 習近平氏は「一带一路」構想の総設計士として、各国の発展の加速に包容的なプラットフォームを提供した。世界100以上の国家と国際組織は「一带一路」の構築に支持を与え、参与している。2017年5月、習近平氏が主宰した「一帯一路」国際協力サミットフォーラムは、新中国が成立してから、中国が初めて提唱・主催した最高レベル、最大規模のホーム・グラウンド外交活動となっている。G7の全てのメンバー国を含む世界の主要経済体が代表を派遣して、出席した。

2017年1月17日、習近平主席がスイスのダボス国際会議センターで世界経済フォーラム2017年次総会の開幕式に出席し、『共に時代の責任を担い、共に世界の発展を促す』と題した基調演説を発表した。(新華社記者/蘭紅光)

 国際人士から見ると、習近平氏は経済グローバル化を揺るがず推進している方である。習近平氏はダボスフォーラムに出席した初の中国元首であり、行った演説は印象深かった。例えば、「保護主義は自分を黒い部屋に閉じ込めるようにして、風に吹かれず雨に打たれずにいれるに見えるが、光と空気も隔絶している。貿易戦の結果は共倒れだ。」ドイツの「ハンデルスブラット」紙は、中国の国家主席は公正たるグローバル化を擁護する主旨演説を発表して、現在世界で最も大きい共産党の指導者はダボスの経済エリート年次総会で、自由貿易を守る最も有力な率先者になったと伝えている。

2014年11月11日、習近平主席が2014年APEC非公式首脳会議に出席する各エコノミーの指導者・代表と共に「アジア太平洋パートナー林」を作るため、植樹活動に参加した。写真は、植樹の場所に向かう習近平氏と各エコノミーの指導者・代表。新華社記者/蘭紅光

 習近平氏は「共同協議・共同建設・共同享受」というグローバル・ガバナンスの推進に尽力し、国際秩序をより公正かつ合理的な方向へ発展させ、正しい義利観(道義と利益の関係についての考え方)、発展観、安全観、および多様性を尊重して、あらゆるものを受け入れるような文明交流観を提出した。習近平氏はBRICS首脳会議(アモイ)、G20杭州サミット、北京APEC首脳会議、上海・アジア相互協力信頼醸成措置会議および他の国際演壇でこれらの革新理念を明らかにし、世界により広範な影響を与えた。

2016年9月4日、第11回G20首脳会議が杭州の国際博覧センターで開催された。習近平主席が会議を主宰し、開幕式で式辞を述べた。(新華社記者/李濤)

2017年9月5日、アモイ国際会議センターで行われた中外記者会見で、第9回BRICS首脳会議、新興市場国家・発展途上国対話会について説明する習近平国家主席。(新華社記者/龐興雷)

 ここ5年間、習近平氏の足跡は五大洲の56カ国および主な国際・地域機関に至り、道のりは地球14周分に相当する。外交部の来賓担当者の紹介によると、習近平氏の訪問日程がいつもきつく忙しく、イベントは緊密に繋がっている。南アフリカの主宰する中国アフリカ協力フォーラム・ヨハネスブルグサミットでは、習近平氏は夜中12時に、まだ二国間会見に参加していた。BRICSインド・ゴア州首脳会議の期間中、習近平氏は朝8時にホテルを出て、深夜1時まで仕事をしてから、ホテルに戻った。

2017年7月4日、習近平国家主席はロシアのプーチン大統領とモスクワ・クレムリンで会談を行った。会談後、プーチン大統領が習近平主席にロシアの最高勲章である「聖アンドレア勲章」を授与した。(新華社記者/劉衛兵)

 習近平氏はロシアのプーチン大統領と20回余り会合し、二人の厚い友情によって牽引する両国関係は歴史上最も良い時期に入った。習近平氏は前後して、オバマ氏とトランプ氏の2代の米大統領と心を開いて意思疎通し、信頼を深め、疑いを解き、両国関係の健康的かつ安定した発展を実現するために方向性を明確にした。

2017年4月6日、習近平国家主席は米国フロリダ州のリゾート施設「マール・ア・ラーゴ」でトランプ米大統領と首脳会談を行った。(新華社記者/蘭紅光)

 習近平氏はEU本部を訪れた初の中国元首であり、ヨーロッパの主な国を歴訪し、その国々と中国の特別なつながりを掘り出した。中国の提案したアジアインフラ投資銀行の創設メンバー57カ国の中で、ヨーロッパの国は三分の一を占めた。習近平氏は訪問行程の半分を周辺に分けて、親睦・誠実・互恵・包容という周辺外交理念を打ち出した。習近平氏はアフリカ、ラテンアメリカ、中東を訪問し、全方位外交の構成を深めた。

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は次のように伝えた。世界的舞台で、習近平主席は中国を西側と違うようになることの選択は、独特な政治システムと文化を有し、貿易、平等、気候変動などの面で先頭に立っている国だ。多くの専門家や学者は、習近平氏の知恵と方案は「文明衝突論」「トゥキディデスの罠」「キンドルバーガーの罠」の解決に助力するとみなしている。

 第19回党大会で、習近平氏は新時代の中国の特色ある社会主義思想を詳しく述べた際、中国の特色ある大国外交が新型国際関係の構築を促し、人類運命共同体の構築を促さなければならないと明確にしている。これは、習近平氏が「天下を自分の責任とする」という気持ちにより、ずっと堅持している理念で、中国の自己発達と世界の共同発展を統一するグローバルな視野と大国の担当を示し、ゼロサムゲームとパワー・ポリティクスを基礎とする西側の伝統的な国際関係学説を超えている。

 習近平氏の文学芸術の蓄積は彼に国際的舞台での意思疎通力を与えた。習近平氏は記者の取材を受けた時、一気に10名近くのロシア作家の名前や多くのロシア名作を挙げられ、ヨーロッパを訪問した時、多くのフランスとドイツの文化名人に言及し、現地の大衆との距離を縮め、文芸の彩りがあふれた表現で習近平氏の世界と人生に対する見解を説明していた。

 習近平氏は常に生き生きとした言葉で、中国の道を述べていた。中国は「平和的、親睦で、文明のライオン」であり、「大きい」が、「メフィスト」ではない。「皆が中国発展の列車に便乗することを歓迎している」。

 習近平氏は誠意を持って人に接し、暖かくて、心遣いが細やかであり、率直な性情の人だ。プーチン大統領はかつて、APEC首脳会議の期間中、習近平氏は彼に誕生日ケーキを贈り、二人はサンドイッチを食べながらウォッカを飲んでいたと話した。コンゴ共和国のサスヌゲソ大統領は2016年7月、14回目の中国訪問を行った。習近平氏はサスヌゲソ大統領に過去の訪中写真70枚余りを贈った。コンゴ共和国で何度も内戦が起こり、保管される記録・文書が紛失したため、サスヌゲソ大統領は「これは最も貴重なプレゼントだ」と表明した。

2015年5月8日、習近平氏はモスクワで中国東北地方での抗日戦争と独ソ戦に参加したロシアの老戦士18人と会見した。老戦士に授賞した時、習近平氏は相手の足が不自由だと気づき、すぐに「そのままでいい、私が移動します」と話した。(新華社記者/張鐸)

 中国を援助したロシアの老戦士に授賞した時、習近平氏は相手の足が不便だと気づき、すぐに「そのままでいい、私が移動します」と述べた。習近平氏は過去に念じ、情を重んじて、約束通りオーストラリアに赴き、亡くなった友人ベーコンの家族を訪ねた。

 習近平氏がマンチェスター・シティFC所属のアグエロとの自撮り写真はネット上で注目されている。習近平氏はアルゼンチンで背番号10と習近平の名前(XI JINPING)が入ったユニフォームを嬉しく受け取った。習近平氏はサッカー、バスケットボール、バレーボール、ボクシングなどのスポーツが好きで、特に水泳のために時間を作り、毎回一気に1000メートル以上を泳いでいた。

習近平主席と彭麗媛夫人はトランプ大統領とメラニア夫人と共に記念撮影。2017年4月6日、習近平主席は米国フロリダ州のリゾート施設マーアーラゴ(Mar-a-Lago)で米国のトランプ大統領と中米元首会合を行った。(新華社記者/饒愛民)

 習近平氏の夫人、彭麗媛氏による同行訪問は中国の元首外交における美しい风景になっている。2015年秋、彭麗媛氏は国連の演壇に立ち、流暢な英語で2回の演説を行った。一回は自分の「中国の夢」について語り、「私はすべての子供、特に女の子が良き教育を受けるよう願っている。これは私の『中国の夢』だ」と話した。一回は、彭麗媛氏とエイズ孤児たちとの物語について語った。

2013年6月3日、習近平主席と彭麗媛夫人がコスタリカ・エレディア州サントドミンゴの農家、サモーラ(音訳)さん一家を訪れ、彼らの家族と親しく交流した。(撮影 新華社記者/張鐸)

 彼らの活動における細かいところは中国家庭の素朴な温情を示している。専用機の扉が開いたら、二人はいつも手を繋ぎながらタラップを降り、服のコーディネートや行動などが一致した事を見せている。2013年6月、コスタリカである農家を訪問した際、お菓子が出されたら、習近平氏は自然に1カットをとり、「二人で一緒に食べる」と表明した。話をしているうちに、彭麗媛氏に渡し、半分ぐらいを割らせた。

2016年10月13日、習近平主席はカンボジア・プノンペンでカンボジアのモニニヤット王太后を訪問した。モニニヤット王太后の誘いでシハヌーク太皇が生前に愛用していた椅子に座る習近平氏。(新華社記者/姚大偉)

 習近平氏の訪問に対し、各国は破格な待遇を与えた。たとえば、ロシア国防省と作戦指揮センターは初めて外国の元首にドアを開けた。イギリス王室はロイヤル馬車で習近平夫婦を迎え、バッキンガム宮殿に入らせた。カンボジアのモニニヤット皇太后はわざわざ習近平氏を招き、シハヌーク太皇が生前によく座っていた椅子に着座させた。

 G20ハンブルクサミットの期間中、一段階の会議につき、必ず短い休み時間があった。休んだ後、習近平氏はいつも時間を守り、会場に戻っていた。そのとき、会場内外にまだおしゃべりをしている他国の指導者がいた。そして、主宰者のメルケル独首相は「習主席は会場に戻ったから、今から会議を続けて開く」と話した。

 

七、新時代における現代化建設の総設計師

 習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想は、新しく修正された中国共産党規約に書き込まれ、全党の統一意志に上がり、マルクス主義の中国化におけるもう一回の飛躍になっている。これは第19回党大会の最大なハイライトだ。

 新思想を盛り込んだ党規約は次のように指摘する。「中国共産党第18回全国代表大会(第18回党大会)以降、習近平同志を主要な代表とする中国共産党員は、時代の発展に順応し、理論と実践を結び付け、新時代にはどのような中国の特色ある社会主義を堅持、発展させるか、中国の特色ある社会主義という重大な時代の課題をいかに堅持し、発展させるかについて系統的に答え、習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想を作り上げた。

 党規約は、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想の指導のもと、中国共産党は全国の各民族・人民を指導し、偉大な闘争、偉大なプロジェクト、偉大な事業、偉大な夢を統合的に計画し、中国の特色ある社会主義が新時代に入るのを推し進めてきた」と伝えている。

 習近平氏が導いた現代化の新ルートは、伝統的な西側の先進諸国が産業革命と植民地の拡大を経て現代化に邁進してきたプロセスとは明らかに異なり、「ワシントンコンセンサス」が提唱する新自由主義モデルとも全く異なっている。

 2017年は『資本論』が出版されてから150年にあたり、2018年には『共産党宣言』が発表されてから170年を迎える。また、社会主義中国の改革開放も実施から40周年目となる。習近平氏は、中国の特色ある社会主義は新時代に入ったことは、「科学的社会主義が二十一世紀の中国において生き生きと強大な力を発揮し、世界に中国の特色ある社会主義の偉大な旗印が高々と掲げられていることを意味する」とみなしている。

 習近平氏はかつて中国共産党中央政治局の集団学習会を特別に主宰し、社会主義500年の思想の源や移り変わりについて系統的に整理していた。習近平氏は中国近代以降の多種多様な主義制度における失敗の試みや社会主義を成功裏に選択したことについて総括した。特に、改革開放の40年余りにわたる経験について総括し、世界各国の執政の道、理論、制度の発展から鏡となるものを探し出し、「靴が足に合うかどうかは、履いてみなければ分からない」的な結論を導き出し、「閉鎖的で硬直したかつての道を歩まず、旗印を変えるような邪道にもそれない」との結論を下した。

 中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)で行った報告の中で、習近平氏は次のように伝えている。「中国の特色ある社会主義の道・理論・制度・文化が絶えず発展を遂げ、発展途上国の現代化への道を切り開き、発展の加速だけでなく自らの独立性の維持も望む国々と民族にも全く新しい選択肢を提供し、人類の問題の解決のために中国の知恵、中国の方案という形で貢献した」。

 米国の隔月刊誌『foreign affairs』のサイトは、「中国モデルにおいて、多くの人々が自己の国家の輝かしい未来を見届けた。大きな理想に燃える世界の国々にとって、これは魅力的な選択肢だ」と伝えている。

 中国における社会主義の発展実践及びその理論的開拓は、その国家を「歴史の周期律」から抜け出させ、「タキトゥスの罠(Tacitus trap)」を避けさせ、「歴史の終結論」に対しもう一つの回答を出し、人類の全面的な発展、社会の全面的な進歩に新たな啓示をもたらしたことを明らかにしている。

 米国のピュー研究所が37カ国を対象に実施した調査では、西側の某国指導者の支持率が低下した一方、習近平氏は、世界事務の面において正しい事を行うことができたとより多くの人々から信頼を寄せられていることが分かった。

 習近平氏が導く中国の特色ある社会主義が突入した新時代は、岐路に立つ人類が発展路線を探り求める新時代でもあるのだ。

 

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新華網日本語

(人物クローズアップ)習近平、新時代の先導者

新華網日本語 2017-11-17 09:00:01

 

2017年10月18日、習近平氏は中国共産党第19回全国代表大会で報告を行った。(新華社記者/鞠鵬)

 【新華社北京11月17日】2017年10月18日、習近平氏は1万人も収容できる人民大会堂の講壇に立ち、3時間半にも及ぶ中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告を行った。

 これは、長年にわたって中国共産党代表大会における最も重大な政治報告となり、全文は3万2千文字にも及んだ。習近平の会場に響いた声で行った報告は、70回余りの拍手を博した。

 「長期にわたる努力を経て、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。これはわが国の発展の新たな歴史的位置づけである」と習近平氏が宣告した。

 この報告は10カ国語に翻訳されており、しかも珍しいことに外国人専門家がわざと招集され、翻訳作業の最終的なチェックに取り掛かっていた。習近平氏の行った報告について、専門家たちはほとんど「力強い」と感想を述べている。ロシア人専門家のオリガ・ミグノワ氏は「報告を読んだ途端にひきつけられた。朝8時から夜中にかけて翻訳し続けて、昼ご飯も晩ご飯も忘れた」と語った。

 中国問題専門家のロバート・クーン氏(音訳)は報告をきいた後、「中国共産党の核心として、習近平氏は中国を新たな歴史的出発点に導いた」と述べた。

 25日、中国共産党第19期中央委員会第1回全体会議で、習近平氏は中共中央総書記の再当選を果たし、中国共産党の党全体としての願望をあらわにした。国内外のメディアは、習近平氏のことについて、中国を「豊かな」国から「強い」国へと変えた指導者と評価している。1949年、毛沢東氏が中国人民を率いて、中国人は「三つの大きな山」とたとえられた帝国主義・封建主義・官僚資本主義による抑圧の中から立ち上がった。1978年、鄧小平氏が改革開放を提起したことによって、中国人は貧困から豊かに変わる征途にたどり着いた。

2017年10月25日、中国共産党第19期中央委員会第1回全体会議で中共中央委員会総書記に当選した習近平氏、及び中国共産党中央政治局常務委員に当選した李克強、栗戦書、汪洋、王滬寧、趙楽際、韓正各氏が人民大会堂で第19回党大会を取材していた中国国内外の記者たちと親しく会見した。重要談話を発表した習近平氏。(新華社記者/丁海濤)

2017年10月25日午後、習近平氏などの指導者は北京の人民大会堂で中国共産党第19回全国代表大会に出席した代表、特別代表、列席者と親しく会見した。(新華社記者/蘭紅光)

 第2期の5年の任期を始めた習近平氏は、自らの執政グループを率いて国内外の記者に会見した際、第19回党大会から第20回党大会までの5年間は、「2つの百年(中国共産党創立100年の2021年に小康社会を全面的に実現し、建国100年の2049年に富強・民主・文明的で調和のとれた社会主義現代国家を実現する)」の奮闘目標の歴史的合流期となり、第1の百年奮闘目標を実現し、第2の百年奮闘目標を始めなければならないと述べた。習近平氏は「私たちは必ず忠実に職責を果たし、勤勉に働き、使命に背かず、重責を果たす…新時代には新たな気概、新たな行動が必要となる」と語り、中国共産党が「永遠に盛んな気概を保ち、永遠に人民の公僕、時代の先鋒、民族の脊柱」であると宣言した。

 

一、創造的な指導者

 5年前、ニュースの中で「ソーシャルメディア時代における初めての中国共産党の指導者」と呼ばれる習近平氏は、初めて記者との会見に臨んだ。英紙『ファイナンシャル・タイムズ』はサイトで「習近平氏が登場した。十分余りの時間で、これからの10年間に、世界で最も人口の多い国をリードする習近平氏は自らの方略を明らかにした。簡単にいえば、それは中国を偉大な国に発展させ、人民の不満を解消して、腐敗を根絶することだ。習近平氏は共産党員でない人でもわかりやすい言葉で話した」と報じた。

 ポストン大学の中国政治専門家のジョセフ・フィユスミス氏(音訳)はこのように習近平氏を評価している、「速やかに動き出し始め、革新的な性格と政治能力を確実に持っているような人だ」。一方、多くのメディアは「もう少し待ってみよう」との考えを示している。5年来、習近平氏はいかに「本気」を出して実行したか、全世界がそれを目にした。

今や、「歴史的変革」という言葉がこの1800日間あまりの日々に起きた変化をたとえるようになっている。もう一つの総括的な言葉は「長期にわたって解決したくてもできなかった難題を解決し、過去にやり遂げたくてもできなかった大事をやり遂げた」である。

 360に及ぶ重大な改革方案を発表し、それから、1500余りの改革措置を打ち出したことで、主要分野における改革の中心的枠組みが基本的に確立された。

 「反腐敗運動の嵐」によって、省・軍級以上の党員幹部と中管幹部(中国共産党中央委員会組織部に登録され、中国共産党中央委員会が任免する幹部)440人が摘発され、150万人余りが処分を受け、海外に逃亡した3400人余りが連れ戻された。

 形式主義・官僚主義・享楽主義・贅沢浪費の風潮を全面的に反対したことによって、8900万あまりの共産党員のチームがより純潔になり、力強くなった。

 国防を改革し、軍隊を整えて、200万人の兵士からなる中国の武装力は思想・気風、組織構造から武器・装備まで一新された。

 中国経済は2013年から2016年にかけて、年平均7.2%成長し、世界同時期の2.5%をはるかに上回り、引き続き世界経済を牽引する第1のエンジンとなっている。

 貧困人口は6000万人あまりが減り、その数はヨーロッパの1つの大国の人口数に相当するものである。人民の収入の上昇率はGDPの上昇率を超え、民衆は中国での暮らしがより安全でより快適だと感じている。

 「二人っ子」政策を全面的に実施し、中国の人口構造を改善した。

 科学技術への投資を大幅に増加し、宇宙実験室、深海潜水器、電波望遠鏡、量子衛星、大型飛行機、スーパーコンピューターなどは同時に研究開発が進み、世界の先頭に立ったことで、国民の誇りを高めた。

 史上最大規模の汚染対策の戦いを繰り広げ、最も厳しい生態環境の保護制度を立ち上げて、多くの役人が環境保護への取り組みが不十分であるために処分されてきた。

 海峡両岸指導者の初会見を実現し、香港の少数者による違法行為「セントラル占拠」の企みを打ち砕いた。

 釣魚島周辺領海の日常的な巡航を実現し、南中国海の島礁の建設を推し進め、「南中国海仲裁裁定」が紙くずとなった。

 海・陸・空での手段を使い、海外から自国民の救出に何度も成功した。

 人民元は通貨バスケットに入り、国際化の足並みが著しく速くなった。

 ロシアやアメリカなどと新型大国関係を発展し、発展途上国新興力の勃興を促進し、グローバル・ガバナンスを推進した。

 「一帯一路」と「人類運命共同体の構築」は国連の文書に盛り込まれ、中国は気候変動に対応する「パリ協定」に加入した。

 ……

 これらの事をやり遂げたが、その複雑さと難しさが簡単に想像できるだろう。5年前、習近平氏が初めて登場したとき、その親しさ、溢れる自信、それに落ち着いた話し方のほかには、海外メディアが最も注目しているのは、経済成長の鈍化、腐敗問題、環境汚染、貧富の差、党の威信の後退といった方面において、習近平氏が直面している挑戦と危機である。

 習近平氏の不屈の精神と強い責任感が重要な効果を発揮した。習近平氏は中国共産党中央政治局の民主生活会議での言葉は強い意志と個性に溢れて、人々の心の中に届いた――「党と人民が我々の献身を必要とするとき、我々は命を惜しまず、躊躇することなく身を挺しなければならない。我々ができなかったら、誰にやらせるのだ」。

 このような変化は、習近平氏の第1期の5年の任期で生じたものであった。これからまたどのような人の心を奮い立たせることがあるだろうか。これはまさに全世界が中国共産党第19回党大会を大いに注目する理由である。

 習近平氏の最新の施政綱領は人々に新鮮感を与えた。2020年に小康社会を全面的に実現した後、更に「2つの15年」奮闘し、2035年まで基本的に社会主義現代化を基本的に実現させ、今世紀中葉までに、富強・民主・文明・調和の美しい社会主義現代化強国を築き上げる。

 これは、習近平氏が中国をリードして、「現代化を基本的に実現する」目標を早く完成し、更なる高水準の現代化目標を提出したことを表している。以前の党大会では、今世紀中葉までに「現代化を基本的に実現する」ことを提出したことがある。

 これは人類史上において、初めて10億以上の人口が共に現代化に邁進する奇跡である。中国は歴史的に絶対貧困から脱出して共同富裕へ向かい、経済総量は世界一に躍進し、活気に溢れる世界一の市場となる。このような人々の憧れる新時代は、1840年の鴉片戦争の後に、中華民族が待ち望んだものである。

2017年10月31日午前、習近平氏は他の中国共産党中央政治局常務委員を率いて、上海中国共産党第1回全国代表大会の旧跡で、中国共産党入党の宣誓のことばを復習した。(新華社記者/蘭紅光)

 時代の合流点に立つ指導者として、習近平氏はなすべきことを積極的に行い、中国の偉大なる夢を実現するための舵取りの者となった。

 『タイムズ』誌は、習近平氏を年度世界を影響する100人の1人と選出した。メデイアは「やる気満々」、「雄心勃々」、「頭脳明晰」、「鋼鉄のような意志とやさしい心を兼備する」、「穏やかで自信に満ちている」、「開拓性を持っている」といったような言葉で習近平氏のことを評価している。米国のブレジンスキー元国家安全保障問題担当大統領補佐官は、習近平氏のことを「英知で将来へ見通すことができ」、「国際と国内の問題に対して良き判断力がある」と称した。ロシアの学者であるユリ・タフロフスキは、習近平氏は「とてつもない才智を持っている人で、堅実な信念を持っている人で、現在と未来を作り出す人である」と評価した。

 ハーバート大学ケネディ政府管理学院ASHセンターが全世界の人々を対象に行った世界主要国家の指導者のイメージ調査では、10カ国の指導者に対する評価の面においても、自国の指導者が国内と国際事務を正確に処理するへの自信の面においても、習近平氏はいずれもランキングの第1位となった。

 中国共産党第19回党大会が開幕した後、『日本経済新聞』が次のように述べた。習近平氏は未来30年の国家の青写真を描き、国内外に向けてシグナルを発信した。習近平氏は中国が世界強国の地位を奪い返すという偉大な事業のために道を切り開けるだろう。

 

 二、偉大な闘争の中に形成した党の核心

 習近平氏は5年前、中共中央総書記就任した際に、直面していた最重要な政治任務は、全党の中国共産党中央への服従を確保し、中国共産党中央の権威と集中的・統一的指導を堅持することである。党内における鋭いかつ厳しい気の緩みの問題、能力不足、大衆からの遊離、消極腐敗の危険を解決しなければならない。その中、腐敗は最大な挑戦である。習近平氏は、「腐敗問題はますます深刻になると、最終的に党も国も滅びる」と指摘したうえ、この問題が解決しない限り、新時代のいかなる任務も目標も議論にならないと、強調した。

 2012年12月初に反腐敗の「初めての一歩」が踏み出され、第18期中国共産党中央候補委員に当選してまだ1ヶ月も経っていない四川省党委員会副書記李春城を取り締まった。その後、ほぼ毎月に何人の中層管理幹部が取り締まられ、最も多い時期に「1ヶ月間に7つの虎を倒した(虎は腐敗幹部を指す)」、習近平氏は実施した鉄腕が中国共産党96年間の歴史の中、かつてなく、世界各国にもまれである。

 それにしても、2014年7月末に中央政治局元常務委員周永康が「厳重な紀律違反」の疑いで調査を受けることが発表されたのは、多くの人々にとって、想定外のことであった。この前、多くの中国人は、中国共産党が中央政治局常務委員レベルの元高層部指導者を調査することを、信じようもしない。国際社会でも、就任したばかりの新幹部は、このレベルの「大きな虎」を「捕らえる」ことに十分な能力と胆力を持っていると、思っていない。

 5年間、周永康のほか、薄熙来、郭伯雄、徐才厚、孫政才、令計画のような、もともと「鉄の帽子を被る王」(絶対、責任追及されることがない特権階級のこと)と見られる一部の人達は、反腐敗の鋭い剣で突き落とされ、これまで、43人の第18期中国共産党中央委員、候補中央委員、9人の中央紀律検査委員会委員が取り締まれた。

 一部の人が中共反腐敗は「ハウス・オブ・カード」であると、疑問を持っていた。習近平氏は「数百数千の腐敗した人々の利益を損なわなかったら、13億の人民達の利益が損なわれることになる」と語った。さらに、反腐敗が経済発展に悪影響を与えるとの一部の人の見解に対して、習近平氏は「私から見るには、空が崩れることをしない」と、答えた。

 このような激しい反腐敗の戦争だけからみても、習近平氏の「リレー」は、決して安定的なものではなく、むしろ「闘争」に直面していた。中国共産党第19回党大会の報告で、習近平氏はこの言葉を23回も使い、いままでの頻度を遥かに超えていた。

 2015年の「膠着状態」から2016年の「圧倒的な態勢が形成しつつある」まで、今の中共反腐敗は「圧倒的な態勢が既に形成して、強固に発展している」。海外では、逃亡している人々は、まるで通りを横切る鼠のような苦境に陥っている;国内においても、数万人の党員幹部は組織に自分の問題を自ら、白状した。

 一部の人の「ほっとした時期がやってきた。休もう」という意見に対して、習近平氏は、「成果を出したばかりの時にやめる」のを断固として認めず、反腐敗闘争の「圧倒的な勝利」を獲得するよう、と要求した。

 インターネット利用者は一幅の漫画を描いた:習近平氏は「虎」に乗せて、こぶしを振り上げ、この猛獣を痛撃している。国家統計局の調査データによると、人民大衆は党風廉政建設と反腐敗活動に対する満足度は、中国共産党第18回党大会前の75%から2016年の92.9%に上昇した。

 習近平氏は人民に威信を確立したのは、「虎を痛撃すること」、「蝿を消滅すること」だけに頼っているわけではない。

 2013年初、新華社の『インターネット利用者は「舌の上の浪費」の抑制を呼びかける』という資料を見て、即座に指示を行い、「浪費の風は強く抑えなければならない」と要求し、公金浪費の現象を断固として途絶しなければならないと、強調した。5年間努力し続けた結果、中国共産党は、多くの人々が抑えられないと思われた歪んだ風習を抑えることに成功したのである。

 中央紀律検査委員会副書記楊晓渡は以下のように語った。「人民大衆は、かつて公金による飲食代の請求が年間2千億元にも上ったのに、どんな方法で解決できるのかは、分からないと言った。しかし、この問題を解決するため、「8項規定」が打ち出されてから、この問題がほぼ解決したといえる」。「8項規定は中国を変えた」と言っても過言ではないと、話していた。

 習近平氏は「人民はわれわれに権利を渡してくれた以上、われわれは身をもって、党と国に承諾し、党と国に報いて、やるべきことをやって、怒らせるべき人を怒らせる」と、語った。これは彼の「考え方の変化」を反映する言葉である。

 火を浴びて再生する。党の大衆路線教育実践活動、「三厳三実」特別教育、両学一做」学習教育、これから始まる「初心を忘れず、使命を胸に刻む」特別教育、共産主義理想信念を「カギとなる少数」から全党員に拡散する。

 紀律処分条例と廉潔自律準則が一体修訂され、紀律の「最低ライン」も分けられ、道徳の「最高ライン」も明示された。関係学、厚黒学、官場術を熱中する人が勢力を失い始める。この5年間、処分を受けた副処級以上の裸官だけでは5000人以上。指導幹部の上でもいける下でもいけるといういくつかの規定によって、2.2万人の県処級以上の幹部が調整された。

 2016年中国共産党第18回6中全体会議では、習近平氏の中国共産党党中央の核心、全党にとっての核心的な地位が明確された。世論によると、中国共産党のような大きな政党として大国を統治し、前進の道路に沢山の困難を直面し、強力な指導核心がないと、全党の意志統一と全国各民族の人民の団結統一を実現するのが難しく、あらゆることもできなく、奇跡を更に作り出すことができず、「数多くの新たな歴史的特徴のある偉大な闘争」を獲得することができない。

 習近平氏の「何も恐れない戦闘精神」はマルクス主義への堅信によるものである。習近平氏の講演には、「共産主義と社会主義への確固たる信念が満ち溢れている」と、彼の一人の同僚が書いた。

 2012年11月29日に『復興の道』の展覧会を観覧する際に、マルクス主義理論・思想政治教育専攻博士学位を持つ習近平氏は、陳望道が『共産党宣言』の翻訳に熱中し、墨汁を勘違いして、赤砂糖として食べたという典故をほかの中国共産党中央政治局常務委員に自ら話し、陳望道が言ってた「真理の味は非常に甘い」という話を引用した。

 習近平氏は親からも力を預かった。父習仲勛と母斉心は早いうちに革命に参加した。彼は父への手紙には、逆境においても、「お父さんは共産主義への信念は揺るぎなく堅持し、わが党は偉大で、正確で、光栄であると信じている。あなたの言行はわれわれに前進の正しい方向を指した。」と書かれていた、彼は5、6歳の時に母と一緒に買った『岳飛伝』『岳母刺字』などの絵本に書いた物語を思い出す時に、「精忠報国」の4文字はその時から今までずっと覚えていて、一生の追求する目標でもある。」と語った。

 習近平氏はい若ごろに前後にして8通の入団申請書、10通の入党申請書を書いた。20歳の時に彼は、中国共産党を入党した。

 

三、人民の幸福を追求する「公僕」

 中国共産党第19回党大会報告の翻訳・校正に携わった9人の外国人専門家の一人、ラオス語専門家のKeovichith Lamngeun氏は、習近平氏の親しみやすいイメージが印象に残っていた。Keovichith Lamngeun氏は「習総書記はたいへん偉大な中国の指導者だ。習総書記はオフィスに閉じこもっているのではなく、人民の中へ深く足を踏み入れていた。習総書記はたいへん穏やかで近づきやすく、身なりも話し方も、その笑顔も 『地に足が着いている』で、雨の日にも、強い日差しの下でも、他人に傘を持たせることはなかった。私から見れば、習総書記はとても温かな心の持ち主だ」と語っている。フランス語専門家のフプチ(音訳)氏は「私がよく見たところ、習近平氏が庶民からとても好まれているのは、彼が変化をもたらしたからだ」と語っている。

 これまでの5年間によく見られたのは、この中国共産党の総書記が庶民とじきじきに会う中で、歓声が沸き起こり、携帯電話のカメラのシャッターを切るカシャっという音で賑わうワンシーンだ。

2015年2月13日の午前に、延安市延川県文安駅鎮梁家河村で調査研究した際、歩きながら村の住民たちと語り合っていた習近平主席。(新華社記者/蘭紅光)

 北京の街中にある中国風ファーストフードの店で、習近平氏はお皿を持ち、列に並んで購入し、庶民と共に食事をとった。そして、春節(中国の旧正月)を前に、習近平氏は自ら年越し用品を用意し、挿隊(都市の知識青年が農村へ行き人民公社の生産隊に入って働くこと)で働いていた農村へ戻り、「同郷人」を訪ねた。また習近平氏は、雨に濡れながらも労働者たちと語り合い、農家を訪れ、穀倉や寝床、台所、豚小屋の様子を見回ったりした。また、習近平氏は高齢者のことを気にかけ、高齢者施設を訪れた時には、日々の食事のメニューをチェックするのを忘れることはなかった。

しかも、習近平氏は学生に関心を寄せ、彼らに「人生のボタンは初めからしっかりとかけるべきだ」と語っている。震災地を視察に訪れた時には、習近平氏はテントに入り、配置された住民の生活状況について理解し、夜が深まると、粗末な仮設住宅に寝泊りした。

2013年7月21日の午前に、雨を冒して、武漢の新港陽邏コンテナ港区で実地調査した習近平主席。(新華社記者/李学仁)

2015年1月19日、雲南省鲁甸の地震被災地にある仮住まいで被災者たちを慰問した習近平主席。(新華社記者/鞠鵬)

 また、習近平氏は大気汚染が深刻な日に北京の胡同(路地裏)へ出かけ、そこの「大雑院」(中国北方の伝統的な家屋建築である四合院内部を増改築し、複数世帯が雑居する場所)に住む庶民たちを訪れ、彼らの仕事や収入、飲食、暖房の状況及びトイレまで遠いかなどについて訊ねた。北京のある新聞は「総書記は人民と『共に呼吸し、運命を共にする』という評論を発表している。

 習近平氏記は中国にあるすべての集中的特別貧困隣接地区を見て回った。習近平氏は中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の貴州省代表団の代表である。ここは中国で最も貧しい省自治区の一つで、2016年の1人当たりの国内総生産(GDP)は全国の下位にあたる。習近平氏が貴州省代表団の討論会場に着席した時、話題がどの方向へ向かって進むか、皆は見当がつかなかった。意外なことに、習近平氏は代表たちと「食品」や「酒」「観光」について話しあった。これらは現地の人々の収入を増やす手段なのだ。

 この珍しい場面を詳しく報じたメディアはインターネットで多くのクリック数と「いいね」を獲得した。

 疑いなく、人民こそが習近平氏の「強国」という戦略的な青写真の主人公なのだ。彼は「中国共産党員の初心と使命は、中国人民の幸せと中華民族の復興を追求することだ」と語った。

 2013年11月、習近平氏は湖南省西部の貧困地域にある十八洞村を訪れた。字も読めず、「共通語」もできないミャオ族の石爬専おばさんは習近平氏をわざわざ自宅に誘い、非常に丁寧な口調で、「あなたをどう呼べばいいのか?」と聞いた。習近平氏は自己紹介で「私は人民の公僕だ」と語った。

2013年11月3日午後、湖南省トゥチャ族・ミャオ族自治州の花垣県排碧郷十八洞村で村の幹部、住民たちと座談会を開催した習近平主席。(新華社記者/王曄)

 習近平氏は農村の皆さんと空き地で輪になって座り、「ターゲットをしぼった貧困支援」を実施するには、貧困人口のためのカード登録を行い、各世帯が貧困に陥った原因を把握せねばならない。「手榴弾でノミを爆発させる」ではいけない、刺繍をほどこすように細かい工夫をするべきだ、と初めて提起した。石爬専おばさんにとって、「ターゲットをしぼった貧困支援」とは政府が支給してくれた貧困扶助資金と個人の貯金を隣近所と共に用いて、キウイ栽培に投資し、収入を増やすことだ。

 習近平氏は最近の座談会で「十八洞村は3年余りで貧困のレッテルを剥がし、全員が貧困離脱を果たした。当時の独身者約40人のうち半分が結婚し、お嫁さんは皆他の村の人だ」と嬉しそうに語っていた。

2014年4月28日、習近平氏は新疆ウイグル自治区疏附県托克扎克鎮中心小学校で教員、生徒たちと記念撮影。(新華社記者/謝環馳)

 習近平氏は中国最後の貧困人口4000万人を2020年までに全て貧困から脱却させると誓っている。これは人類の歴史上かつてない貧困に対する闘争で、中国による世界最大の貢献のひとつだと国連から賞賛された。

2017年1月24日、河北省張家口市張北県小二台鎮徳勝村の徐海成さんの家で、村の幹部や村民代表と歓談する習近平氏。(新華社記者/蘭紅光)

 習近平氏の目標は13億余りの人々が衣食に足りるだけにとどまらない。それ自身がすばらしい業績なのだが、彼は庶民に「より良い教育、より安定した仕事、より満足できる収入、より頼りになる社会保障、よりハイレベルな医療衛生サービス、より快適な居住条件、より美しい環境、そして、より豊かな精神文化や生活」を得させたいとも望んでいる。

 習近平氏は、中国の特色ある社会主義は新時代に入った。中国社会の主要矛盾はすでに人民の日増しに増大する素晴らしい生活への需要と発展の不均衡・不十分との矛盾へと変化している。この「歴史的な変化」は中国の今後の発展に対し、新たな要求と新たな導きを提起した、と語っている。

 人民のすばらしい生活に対するより高い要望を満たすため、習近平氏は教育事業の優先的な発展を推進し、すべての子供が公平的で質の高い教育を享受できるように努めてきた。彼は中国共産党中央改革の全面的深化を指揮する指導グループ会議を何度も主宰し、医療改革に関する重大な文書を審議し、「健全な中国」を国家戦略とさせた。習近平氏は知的財産権保護制度の健全化を推進し、「恒産なき者は恒心なし(生活が安定しなくては、心の安定がない)」という何億人もの期待に答えた。彼は戸籍制度の改革を深め、より多くの人々に均等な公共サービスを享受させるよう努めた。

2013年8月29日、習近平氏は東軟集団(大連)有限公司で若手社員と親しく記念撮影。(新華社記者/鞠鵬)

 習近平氏は中国共産党が誠心誠意人民に奉仕するという趣旨を体現させた。特に、彼が15歳から農村で挿隊(都市の知識青年が農村へ行き人民公社の生産隊に入って働くこと)した経歴と関わっている。習近平氏は陜北省梁家河村で7年間知識青年として過ごしたことがある。「あの時はどんな仕事もやった。荒地の開墾、畑の耕作、草取り、羊の放牧、石炭運び、ダムの建設、糞運び……、ほとんど休んだことはなかった」「この経験を通じて、実際とは何か、事実に基づいた真実の追求とは何か、群衆とは何かということがよくわかった。これらの経験は生涯役に立つだろう」と語っている。

 習近平氏はこの大国の人々の生活に関する真の状況を理解できる十分な経歴と自信を持っている。習近平氏は44年前から政治に携わり、大隊党支部書記から党の総書記まで、一般的な公民から国家主席まで、更には一般の軍事幹部から軍事委員会の主席まで、党、政治、軍事という各分野の経験を持ち、村・県・地・市・省・直轄市から中央に及ぶ全レベルの重要な職務を経験し、各職務を長期間かけて経験・鍛錬して、着実かつ著しい政治実績を収めてきた。習近平氏は中国共産党を導き、人民の利益を完全にめぐって、常に長期的で、数年から10数年を先取した政策を決定し、また「1枚の青写真をとことんまで描いてきた」。ロシア人専門家のオリカ・ミコノワ(音訳)氏は「私は習近平氏を尊敬している。中国の指導者は新時代が求める素質をもっている」と語っている。

四、責任を果敢に担う国家改革発展の戦略家

 偉大な21世紀の国家現代化事業を推進するため、習近平氏が発起した新しい改革は世界の最大規模の改革だ。習近平氏は「改革開放は現代中国の運命を決める肝心の一手だ」と述べた。

 30年あまりの改革開放は「中国の興隆」という史上最大の奇跡を創造し、その後、残されたのはーー「時代にそぐわない一切の思想・観念や体制・仕組みの弊害」から「凝り固まった既得権益の垣根」までーー困難な仕事ばっかりだ。

 中国はどこへ向かうのか。海外の人達は不安に思っていた。「経済ハードランディング」「金融危機」「改革減速」「中国崩壊」などの論調はよく聞こえる。

 改革開放の新時代をリードする習近平氏には重大な責任が任された。習近平氏は諸葛亮氏の『出師表』から、「命を受けしより以来、夙夜に憂歎し、付託の効あらずことを恐る」のを引用し自らの気持ちを表した。習近平氏は「五位一体(経済建設・政治建設・文化建設・社会建設・生態文明建設)」と「四つの全面(小康社会の全面的完成、改革の全面的深化、全面的な法に基づく国家統治、全面的な厳しい党内統治)」で、トップダウン設計をした。習近平氏は中国経済はすでに「新常態(ニューノーマル)」に突入したため、スピード、構造、エネルギーなどの面で新たな対策を打たなければならないと判断した。

 2013年4月、中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議コミュニケ起草グループが設立され、習近平氏がグループ長に就任。鄭新立・元中共中央政策研究室副主任は「各地方、部門は積極的に何万に上る改革に関するアドバイスを出した。重点は何だろうか…総書記がーー制度上の問題、社会矛盾が比較的に目立つ問題、大衆の強い不満を買った問題を集中的に解決するーーと最後の一打ちで音の調子を決めた。」

 中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議で、資源の配置における市場の「決定的な役割」を果たせると提出されたが、1992年の中国共産党第14回全国代表大会で提出されたのはずっと資源配分において市場は「基礎的な役目」である。討論で、新しい提起の仕方は革新が急速すぎで、しばらく猶予すべきだと一部に思われたが、習近平氏が最後の一打ちで音の調子を決め、重大な論理的突破を果たした。中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議コミュニケの起草に参与した学者は、習近平氏の決意がなければ、多くの重要改革は実現できなかったと回顧しながら述べた。

 国有企業・国有資産、戸籍制度、財務金融、農村用地、公立病院…長年にわたり討論され、度重なる障害があり、深層的利益の調整につながるような改革は続々とスタートし、曾てなかなか解決できなかった困難な問題が次々と解決された。

 習近平氏は「官邸制」を中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議コミュニケに書き込むことを推進した。この改革について前から呼びかけられてきたが、高層官員に関わり、恨みを買う制度だったから、なかなか応じることはなかった。世論は、習近平氏は「自分に圧力を加えたのだ」と評した。

 中共中央機関紙『人民日報』ウェブサイトは、習近平氏を「我らのグループ長」と呼ばれた。ここ5年間、習近平氏が主に中央全面深化改革指導グループ、中共中央ネット安全情報化指導グループ、中央軍事委員会の国防・軍隊の改革を深化させるための指導グループ、中央財経指導グループなどの機構を統帥した。習近平氏はまた、中央全面的な法に基づく国家統治指導グループを設置すると発表した。

 習近平氏は各分野に自ら参与している。習近平氏は重大な改革案を初稿から真剣に校閲し、逐語的に訂正した。これで、国家権力の集中と意志の同一化が保証され、監察・検査などの措置を通じて改革が実行に移すことが保障された。

 習近平氏は夙夜公に在り、勤勉に働く。中共中央弁公庁の権威者によると、どれ程遅くなっても(夜零時でも)習近平氏へ稟議書を送っても、翌朝には返事がもらえる。

 習近平氏の指導の下、新型の現代化経済システムは中国で次第に整いはじめた。システムには、供給側構造改革、国家革新、農村振興、地域間の調和発展、社会主義市場経済体制、全面的開放の新局面などの戦略・設計が含まれる。 供給側構造改革の意義を官員に理解してもらうため、中国人観光客が海外でウォシュレットや炊飯器を買うことを例に、「授業」させた。

 「中国の特色ある社会主義制度を充実・発展させ、国家統治体系・統治能力の現代化を推し進める」ーー偉大で鮮明な改革の総目標は習近平氏の戦略的見識を示した。これは中国の特色ある社会主義制度がより成熟で定型化させることの推進に関する論理的回答と現実的答えで、国家の長期的安定を確保するため、より完全、安定でより効果のある制度的システムの提供に着目するもので、世論に「5つ目の現代化」と呼ばれている。

 全面的な法に基づく国家統治から、美しい中国まで、社会主義の核心的価値観から文化的自信まで、習近平氏は社会主義現代化強国の構築についてより踏みこんだ配置を行った。彼は社会主義生産力及び生産関係が最終的に資本主義を超越するよう尽力している。これは彼が創立した中国の特色ある社会主義政治経済学にも現れている。

 この意味では習近平氏が中国のために中所得国の罠を回避するルートを見つけただけでなく、社会主義国家という新しい社会形態の統治のため、効果ある対策を見つけたのだ。

 

五、軍隊と国防の再構築を遂げた統帥者

2013年8月28日午後、遼寧艦の水兵儀仗隊を検閲する習近平氏。(新華社記者/李剛)

 習近平氏は中央軍事委員会主席として世界最大規模の軍隊を新時代において「大規模から強力へ」飛躍させるようリードしなければならない。習近平氏は第19回党大会報告で、「2035年までに国防・軍隊の現代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに人民軍隊を世界一流の軍隊に全面的に築き上げるよう努める」と述べた。

 2014年、習近平氏は高級士官400人余を率いて、福建省古田に赴いた。ここは1929年に、毛沢東氏が思想面での党建設と政治による軍建設を提出した村だ。習近平氏と将軍たちは85年前に紅軍も食べたことある紅ご飯とかぼちゃスープを食べた。これは形であり、さらには内容でもある。歴史を回顧し、革命の精神を喚起するのが目的だった。

 毛沢東氏が「鉄砲から政権が生まれる」と提唱したが、新時代の中国軍は新しい情勢に直面している。それはすなわち、広大な大陸、天空、海洋の主権を断固として守ることから、国家統一の促進までのこと、また増え続ける中国の海外利益の保護から、テロ取締り・治安維持、災害救助までのことである。

 習近平氏にとって最も重要な事は、人民軍隊を統一で絶対的指導に置かれ、軍隊が党の指揮に従うことを保障することである。習近平氏は新古田会議で、政治主導の軍隊建設、党より鉄砲支配の原則と伝統を重ねて強調した。習近平氏は、軍隊幹部の間に存在する代表的な問題を「今に解決しなければならない!そうでなければ、軍隊が変質するかもしれない」と指摘した。

 第18回党大会以来、紀律・法律に厳重に違反する嫌疑がかかり、処分された軍級以上の幹部は、元中央軍事委員会副主席2人を含め、計100人以上に達した。この人数は弾丸飛び交う激戦場で新中国のために命を捧げた将軍の人数を遥かに超えた。

 習近平氏は新しい軍事委員会の紀律検査委員会、軍事委員会の政法委員会を組み立て、軍事法律規則40件余りを制定・提出して、軍隊の優れた気風、厳正な紀律と高揚する士気を保証する。

 習近平氏は軍隊に全面的経営活動から退出するよう要求する。これは多くの既得利益に関わっているので、多くの人がいい加減にしたほうがいいと勧めたが、習近平氏は「軍隊は軍隊らしくしなければならない」と認識して、この難しいことを完成させた。

2012年12月8日、海軍の「海口艦」で水兵たちと親しく歓談する習近平主席。(新華社記者/王建民)

 これで、軍隊が戦闘力という「唯一の根本的な」標準に心を集中できる。習近平氏は真情がこもって将軍たちに、「軍事上の落伍は一旦に形成したら、国家安全に対する影響は致命的だ。わたしはよく中国近代の歴史資料を読んで、後れを取るとたたかれるという悲惨なことを見ると心が痛い!」と言った。5年前に習近平氏は、我が軍の現代化戦争に応対する能力が足りないと指摘した。

 習近平氏が導く中国歴史上の最大規模の国防と軍隊の改革は2015年末から始め、以前陸軍を核心とする七つの軍区を五つの戦区に調整した。陸軍が全軍総員を占める比例は歴史的に初めて50%以下に降りた。連合作戦指揮体制を導入した。以前の四つの総部を15つの軍委機関部門に調整した。ロケット軍、戦略支援部隊などの新たな兵種を成立した。数百名の将軍の持ち場が調整され、軍隊士官の数は30%減少し、数十の部隊は駐屯地を換え、移動させた。

 過去の5年は中国軍隊が徹底的に改めて構築し、大股で現代化に前進する肝心な時期となった。「軍委ー戦区ー部隊」という作戦指揮体系と「軍委ー軍種ー部隊」という指導管理体系が確立させた。科学技術で軍を振興する目標が提出された。軍民が深く融合するのが国家の戦略になった。中国産の空母、ステルス戦闘機、大型輸送機、先進戦略ミサイル、衛星航法システムなどの高度で新たな武器装備の研究製造においては突破を取った。練兵・戦闘準備は高い標準と常態化を実現した。

 変革後の中国軍隊の規模が精鋭になり、構成が最適化になり、編成が科学的になり、根本から長期以来の陸戦型の結構を変え、国土防衛型の兵力部署を変え、数量規模型から質量効果型へ変える大きな一歩を踏み出した。

 ある解放軍の高級将校は、「習近平主席は肝心なときに危機を迎え過ちを正し、険悪な情勢を極力挽回した。軍隊に対する改革の行動は革命的で、長期的に発展を制約した体制性障害、結構性矛盾と政策性問題を解決した」と述べた。ロシアの有力紙「独立新聞」が「習近平氏が中国軍隊の面貌を変えた」と称した。

 習近平氏は軍隊に深い感情を持っている。彼は「老兵」だ。1979年、彼は清華大学を卒業してからすぐ軍人になり、中央軍委弁公庁に入り、国防部長の秘書を務めていた。3年後、河北省正定で務めたたときに、習近平氏は色がさめた軍服を着て、ある時は軍用バッグを使った。地方で務めたときに、軍隊の職務も担当した。

 現在、習近平氏の弁公室に、彼の入職したばかりの軍服姿の写真がある。習近平氏は、「小さいごろから、我が軍の歴史の教育を受けた。この目で我が軍の指導者先輩の風采を実際に見て、少年時代から軍隊への真摯な感情を形成した。」と述べた。

 しかし、習近平氏は北京の弁公室に座って軍隊を指揮したくない。5年間にわたって、習近平氏は海の島、国境、砂漠、戦艦、戦車、戦闘機、連隊、検問所、前線へ行って、視察したが、どこへ行っても必ず部隊の駐屯地に赴いて視察する。

2014年1月26日、習近平主席が内モンゴル軍区の国境警備部隊を訪れ、国境線を守る士官と兵士たちを見舞った。習近平主席が三角山哨所で勤務設備を視察しながら、勤務中の兵士たちに「今日は、きみたちといっしょに勤務する」と話した。(新華社記者/李剛)

 習近平氏は兵士と食事を共にし、兵舎浴室のシャワーの湯加減を自らの手で確認し、早く結婚式を挙げるようと兵士を催促して、長年経ったにもかかわらず、かつて会見した基層部隊の老兵のことを思い出せるのであった。習近平氏はかつて酷寒の中を、標高1000メートルの山にのぼり、国境地帯の哨所を視察したことがある。そこで、習近平氏は受付名簿に自分の名前を書いて、「今日は、きみたちといっしょに勤務する」と兵士たちに話した。

2017年7月30日、解放軍設立90周年を前に、内モンゴル自治区にある朱日和基地で緑の迷彩服を身に付け、オフロード車に乗って野戦部隊を検閲する習近平主席。(新華社記者/李剛)

 5年間、習近平氏は閲兵式を二度も主宰した。2017年、解放軍創設90周年の前日、内蒙古自治区の朱日和訓練基地で、習近平氏は緑の迷彩服を身に付け、オフロード車に乗って野戦部隊を検閲した。これは、中国指導者のまれな野戦化戦場閲兵であった。

 その以前に行ったのは、2015年、中国が初めて中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周年記念をテーマとした閲兵式であった。習近平氏は将軍たちに自ら検閲を受ける部隊の隊列を率いるよう要求した。ロシアなど17カ国からの士官と兵士も今回の閲兵式に参加した。その閲兵式では、習近平氏は30万人の兵員削減を発表し、世界平和の擁護も強調した。

 習近平氏の軍事的思想は、人類の戦争と平和との弁証関係を深く掌握したものである。習近平氏は「戦える者こそ、戦争を止めることができ、戦いの準備をしておけば、戦う必要性がなくなるであろう。戦えないほど、打ち負かされるであろう」と語っていた。これは、長期的な平和を実現する願望と追求を体現している。

 

六、国際舞台に立つ大国の指導者

2015年9月28日、ニューヨークの国連本部で、第70回国連総会の一般討論演説に出席する習近平主席が、『手を携えて協力・ウィンウィンの新しいパートナーシップを構築し、心を一つにして人類運命共同体を築く』をテーマとした重要演説を発表した。(新華社記者/龐興雷)

 47分にわたる演説は、30回以上の拍手を博した。重要なところに至ると、一語一句のたびに拍手が起こるほどであった。2017年1月、習近平氏は新中国と外交のゆかり深いジュネーヴで、「共に人類運命共同体を構築する」をテーマとする演説を発表した。

2017年1月18日、習近平主席がスイス・ジュネーブのパレ・デ・ナシオンで「人類運命共同体を共に協議、共に構築」をテーマとしたハイレベル会議に出席し、『人類運命共同体を共に構築』と題した基調演説を発表した。(新華社記者/饒愛民)

 グテーレス国際連合事務総長はその場で「習近平主席の指導のもと、中国は既に多国主義の重要な柱となっており、我々が多国主義を実行するのは、人類運命共同体を構築することを目的としているのだ」と真摯に述べた。同年2月、「人類運命共同体を構築する」という理念は国連決議に盛り込まれた。

 2016年6月、「中欧班列(中国と欧州を結ぶ国際貨物列車)」がワルシャワに到着した直後に行われた式典で、習近平氏はポーランドのドゥダ大統領と共にポーランドのリンゴをおいしく味わった。今や、ポーランドのリンゴなどは「一带一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」構想の力を借りて中国への輸出を実現した。

2017年5月14日、習近平主席は北京で行われた「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」国際協力サミットフォーラムの開幕式に出席し、『手を繋いで「一帯一路」建設を推進』と題する基調演説を発表した。(新華社記者/馬占成)

 習近平氏は「一带一路」構想の総設計士として、各国の発展の加速に包容的なプラットフォームを提供した。世界100以上の国家と国際組織は「一带一路」の構築に支持を与え、参与している。2017年5月、習近平氏が主宰した「一帯一路」国際協力サミットフォーラムは、新中国が成立してから、中国が初めて提唱・主催した最高レベル、最大規模のホーム・グラウンド外交活動となっている。G7の全てのメンバー国を含む世界の主要経済体が代表を派遣して、出席した。

2017年1月17日、習近平主席がスイスのダボス国際会議センターで世界経済フォーラム2017年次総会の開幕式に出席し、『共に時代の責任を担い、共に世界の発展を促す』と題した基調演説を発表した。(新華社記者/蘭紅光)

 国際人士から見ると、習近平氏は経済グローバル化を揺るがず推進している方である。習近平氏はダボスフォーラムに出席した初の中国元首であり、行った演説は印象深かった。例えば、「保護主義は自分を黒い部屋に閉じ込めるようにして、風に吹かれず雨に打たれずにいれるに見えるが、光と空気も隔絶している。貿易戦の結果は共倒れだ。」ドイツの「ハンデルスブラット」紙は、中国の国家主席は公正たるグローバル化を擁護する主旨演説を発表して、現在世界で最も大きい共産党の指導者はダボスの経済エリート年次総会で、自由貿易を守る最も有力な率先者になったと伝えている。

2014年11月11日、習近平主席が2014年APEC非公式首脳会議に出席する各エコノミーの指導者・代表と共に「アジア太平洋パートナー林」を作るため、植樹活動に参加した。写真は、植樹の場所に向かう習近平氏と各エコノミーの指導者・代表。新華社記者/蘭紅光

 習近平氏は「共同協議・共同建設・共同享受」というグローバル・ガバナンスの推進に尽力し、国際秩序をより公正かつ合理的な方向へ発展させ、正しい義利観(道義と利益の関係についての考え方)、発展観、安全観、および多様性を尊重して、あらゆるものを受け入れるような文明交流観を提出した。習近平氏はBRICS首脳会議(アモイ)、G20杭州サミット、北京APEC首脳会議、上海・アジア相互協力信頼醸成措置会議および他の国際演壇でこれらの革新理念を明らかにし、世界により広範な影響を与えた。

2016年9月4日、第11回G20首脳会議が杭州の国際博覧センターで開催された。習近平主席が会議を主宰し、開幕式で式辞を述べた。(新華社記者/李濤)

2017年9月5日、アモイ国際会議センターで行われた中外記者会見で、第9回BRICS首脳会議、新興市場国家・発展途上国対話会について説明する習近平国家主席。(新華社記者/龐興雷)

 ここ5年間、習近平氏の足跡は五大洲の56カ国および主な国際・地域機関に至り、道のりは地球14周分に相当する。外交部の来賓担当者の紹介によると、習近平氏の訪問日程がいつもきつく忙しく、イベントは緊密に繋がっている。南アフリカの主宰する中国アフリカ協力フォーラム・ヨハネスブルグサミットでは、習近平氏は夜中12時に、まだ二国間会見に参加していた。BRICSインド・ゴア州首脳会議の期間中、習近平氏は朝8時にホテルを出て、深夜1時まで仕事をしてから、ホテルに戻った。

2017年7月4日、習近平国家主席はロシアのプーチン大統領とモスクワ・クレムリンで会談を行った。会談後、プーチン大統領が習近平主席にロシアの最高勲章である「聖アンドレア勲章」を授与した。(新華社記者/劉衛兵)

 習近平氏はロシアのプーチン大統領と20回余り会合し、二人の厚い友情によって牽引する両国関係は歴史上最も良い時期に入った。習近平氏は前後して、オバマ氏とトランプ氏の2代の米大統領と心を開いて意思疎通し、信頼を深め、疑いを解き、両国関係の健康的かつ安定した発展を実現するために方向性を明確にした。

2017年4月6日、習近平国家主席は米国フロリダ州のリゾート施設「マール・ア・ラーゴ」でトランプ米大統領と首脳会談を行った。(新華社記者/蘭紅光)

 習近平氏はEU本部を訪れた初の中国元首であり、ヨーロッパの主な国を歴訪し、その国々と中国の特別なつながりを掘り出した。中国の提案したアジアインフラ投資銀行の創設メンバー57カ国の中で、ヨーロッパの国は三分の一を占めた。習近平氏は訪問行程の半分を周辺に分けて、親睦・誠実・互恵・包容という周辺外交理念を打ち出した。習近平氏はアフリカ、ラテンアメリカ、中東を訪問し、全方位外交の構成を深めた。

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は次のように伝えた。世界的舞台で、習近平主席は中国を西側と違うようになることの選択は、独特な政治システムと文化を有し、貿易、平等、気候変動などの面で先頭に立っている国だ。多くの専門家や学者は、習近平氏の知恵と方案は「文明衝突論」「トゥキディデスの罠」「キンドルバーガーの罠」の解決に助力するとみなしている。

 第19回党大会で、習近平氏は新時代の中国の特色ある社会主義思想を詳しく述べた際、中国の特色ある大国外交が新型国際関係の構築を促し、人類運命共同体の構築を促さなければならないと明確にしている。これは、習近平氏が「天下を自分の責任とする」という気持ちにより、ずっと堅持している理念で、中国の自己発達と世界の共同発展を統一するグローバルな視野と大国の担当を示し、ゼロサムゲームとパワー・ポリティクスを基礎とする西側の伝統的な国際関係学説を超えている。

 習近平氏の文学芸術の蓄積は彼に国際的舞台での意思疎通力を与えた。習近平氏は記者の取材を受けた時、一気に10名近くのロシア作家の名前や多くのロシア名作を挙げられ、ヨーロッパを訪問した時、多くのフランスとドイツの文化名人に言及し、現地の大衆との距離を縮め、文芸の彩りがあふれた表現で習近平氏の世界と人生に対する見解を説明していた。

 習近平氏は常に生き生きとした言葉で、中国の道を述べていた。中国は「平和的、親睦で、文明のライオン」であり、「大きい」が、「メフィスト」ではない。「皆が中国発展の列車に便乗することを歓迎している」。

 習近平氏は誠意を持って人に接し、暖かくて、心遣いが細やかであり、率直な性情の人だ。プーチン大統領はかつて、APEC首脳会議の期間中、習近平氏は彼に誕生日ケーキを贈り、二人はサンドイッチを食べながらウォッカを飲んでいたと話した。コンゴ共和国のサスヌゲソ大統領は2016年7月、14回目の中国訪問を行った。習近平氏はサスヌゲソ大統領に過去の訪中写真70枚余りを贈った。コンゴ共和国で何度も内戦が起こり、保管される記録・文書が紛失したため、サスヌゲソ大統領は「これは最も貴重なプレゼントだ」と表明した。

2015年5月8日、習近平氏はモスクワで中国東北地方での抗日戦争と独ソ戦に参加したロシアの老戦士18人と会見した。老戦士に授賞した時、習近平氏は相手の足が不自由だと気づき、すぐに「そのままでいい、私が移動します」と話した。(新華社記者/張鐸)

 中国を援助したロシアの老戦士に授賞した時、習近平氏は相手の足が不便だと気づき、すぐに「そのままでいい、私が移動します」と述べた。習近平氏は過去に念じ、情を重んじて、約束通りオーストラリアに赴き、亡くなった友人ベーコンの家族を訪ねた。

 習近平氏がマンチェスター・シティFC所属のアグエロとの自撮り写真はネット上で注目されている。習近平氏はアルゼンチンで背番号10と習近平の名前(XI JINPING)が入ったユニフォームを嬉しく受け取った。習近平氏はサッカー、バスケットボール、バレーボール、ボクシングなどのスポーツが好きで、特に水泳のために時間を作り、毎回一気に1000メートル以上を泳いでいた。

習近平主席と彭麗媛夫人はトランプ大統領とメラニア夫人と共に記念撮影。2017年4月6日、習近平主席は米国フロリダ州のリゾート施設マーアーラゴ(Mar-a-Lago)で米国のトランプ大統領と中米元首会合を行った。(新華社記者/饒愛民)

 習近平氏の夫人、彭麗媛氏による同行訪問は中国の元首外交における美しい风景になっている。2015年秋、彭麗媛氏は国連の演壇に立ち、流暢な英語で2回の演説を行った。一回は自分の「中国の夢」について語り、「私はすべての子供、特に女の子が良き教育を受けるよう願っている。これは私の『中国の夢』だ」と話した。一回は、彭麗媛氏とエイズ孤児たちとの物語について語った。

2013年6月3日、習近平主席と彭麗媛夫人がコスタリカ・エレディア州サントドミンゴの農家、サモーラ(音訳)さん一家を訪れ、彼らの家族と親しく交流した。(撮影 新華社記者/張鐸)

 彼らの活動における細かいところは中国家庭の素朴な温情を示している。専用機の扉が開いたら、二人はいつも手を繋ぎながらタラップを降り、服のコーディネートや行動などが一致した事を見せている。2013年6月、コスタリカである農家を訪問した際、お菓子が出されたら、習近平氏は自然に1カットをとり、「二人で一緒に食べる」と表明した。話をしているうちに、彭麗媛氏に渡し、半分ぐらいを割らせた。

2016年10月13日、習近平主席はカンボジア・プノンペンでカンボジアのモニニヤット王太后を訪問した。モニニヤット王太后の誘いでシハヌーク太皇が生前に愛用していた椅子に座る習近平氏。(新華社記者/姚大偉)

 習近平氏の訪問に対し、各国は破格な待遇を与えた。たとえば、ロシア国防省と作戦指揮センターは初めて外国の元首にドアを開けた。イギリス王室はロイヤル馬車で習近平夫婦を迎え、バッキンガム宮殿に入らせた。カンボジアのモニニヤット皇太后はわざわざ習近平氏を招き、シハヌーク太皇が生前によく座っていた椅子に着座させた。

 G20ハンブルクサミットの期間中、一段階の会議につき、必ず短い休み時間があった。休んだ後、習近平氏はいつも時間を守り、会場に戻っていた。そのとき、会場内外にまだおしゃべりをしている他国の指導者がいた。そして、主宰者のメルケル独首相は「習主席は会場に戻ったから、今から会議を続けて開く」と話した。

 

七、新時代における現代化建設の総設計師

 習近平新時代の中国の特色ある社会主義思想は、新しく修正された中国共産党規約に書き込まれ、全党の統一意志に上がり、マルクス主義の中国化におけるもう一回の飛躍になっている。これは第19回党大会の最大なハイライトだ。

 新思想を盛り込んだ党規約は次のように指摘する。「中国共産党第18回全国代表大会(第18回党大会)以降、習近平同志を主要な代表とする中国共産党員は、時代の発展に順応し、理論と実践を結び付け、新時代にはどのような中国の特色ある社会主義を堅持、発展させるか、中国の特色ある社会主義という重大な時代の課題をいかに堅持し、発展させるかについて系統的に答え、習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想を作り上げた。

 党規約は、「習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想の指導のもと、中国共産党は全国の各民族・人民を指導し、偉大な闘争、偉大なプロジェクト、偉大な事業、偉大な夢を統合的に計画し、中国の特色ある社会主義が新時代に入るのを推し進めてきた」と伝えている。

 習近平氏が導いた現代化の新ルートは、伝統的な西側の先進諸国が産業革命と植民地の拡大を経て現代化に邁進してきたプロセスとは明らかに異なり、「ワシントンコンセンサス」が提唱する新自由主義モデルとも全く異なっている。

 2017年は『資本論』が出版されてから150年にあたり、2018年には『共産党宣言』が発表されてから170年を迎える。また、社会主義中国の改革開放も実施から40周年目となる。習近平氏は、中国の特色ある社会主義は新時代に入ったことは、「科学的社会主義が二十一世紀の中国において生き生きと強大な力を発揮し、世界に中国の特色ある社会主義の偉大な旗印が高々と掲げられていることを意味する」とみなしている。

 習近平氏はかつて中国共産党中央政治局の集団学習会を特別に主宰し、社会主義500年の思想の源や移り変わりについて系統的に整理していた。習近平氏は中国近代以降の多種多様な主義制度における失敗の試みや社会主義を成功裏に選択したことについて総括した。特に、改革開放の40年余りにわたる経験について総括し、世界各国の執政の道、理論、制度の発展から鏡となるものを探し出し、「靴が足に合うかどうかは、履いてみなければ分からない」的な結論を導き出し、「閉鎖的で硬直したかつての道を歩まず、旗印を変えるような邪道にもそれない」との結論を下した。

 中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)で行った報告の中で、習近平氏は次のように伝えている。「中国の特色ある社会主義の道・理論・制度・文化が絶えず発展を遂げ、発展途上国の現代化への道を切り開き、発展の加速だけでなく自らの独立性の維持も望む国々と民族にも全く新しい選択肢を提供し、人類の問題の解決のために中国の知恵、中国の方案という形で貢献した」。

 米国の隔月刊誌『foreign affairs』のサイトは、「中国モデルにおいて、多くの人々が自己の国家の輝かしい未来を見届けた。大きな理想に燃える世界の国々にとって、これは魅力的な選択肢だ」と伝えている。

 中国における社会主義の発展実践及びその理論的開拓は、その国家を「歴史の周期律」から抜け出させ、「タキトゥスの罠(Tacitus trap)」を避けさせ、「歴史の終結論」に対しもう一つの回答を出し、人類の全面的な発展、社会の全面的な進歩に新たな啓示をもたらしたことを明らかにしている。

 米国のピュー研究所が37カ国を対象に実施した調査では、西側の某国指導者の支持率が低下した一方、習近平氏は、世界事務の面において正しい事を行うことができたとより多くの人々から信頼を寄せられていることが分かった。

 習近平氏が導く中国の特色ある社会主義が突入した新時代は、岐路に立つ人類が発展路線を探り求める新時代でもあるのだ。

 

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