中国情報通信研究院 副院長の何桂立氏は先ごろ、モノのインターネット(IoT)やクラウドコンピューティング、ビッグデータなどの新世代情報技術の結びつきが強まるのに伴い、IoTの発展を制約し、影響を及ぼしていた断片化の問題が解決され、中国がIoT2.0時代へ正式に入ったとの見方を示した。2020年に中国のIoT市場は4兆元を超えると予想している。
何桂立氏は9月1日、江西省工業 情報化委員会、鷹潭市政府、中国情報通信研究院が共同で開いた江西省モバイル物聯網発展戦略 記者会見で、上記のように述べた。中国がIoT1.0時代から2.0時代に入ったことは、3つの変化に現れていると説明した。
1つ目は、技術スタンダード。過去の技術は準備が不足し、例えば規格化が完全ではなかった。現在はモバイルIoTが、NB-IoT(狭域帯IoT)、eMTC(拡張性機器通信技術)、セルラーネットワークの未来進化型技術5G(第5世代モバイル通信技術)で構成される技術体系を確立した。うちNB-IoTグローバルスタンダードが国際モバイル通信規格化団体3GPPに承認され、eMTC関連のスタンダードも定まりつつある。
2つ目は、産業の環境。IoT1.0時代においては産業構造、産業チェーンが整っていなかった。中国は現在、チップ、モジュール、システム、プラットフォームを含む初歩的なモバイルIoT産業体系を確立したことで、産業の急速な発展期に入り、IoTが新技術発展の産業環境で大きく向上した。
3つ目は、応用シーン。人々が「技術を知っているだけで用途が分からない」という探索の段階から、今ではこの新技術がどのような領域に応用でき、どのような問題を解決するかが明確になった。権威機関の研究によると、モバイルIoTは、グローバルネットワークの設備数を2020年に240億超に増やし、2025年の世界経済成長に対する影響力は金額にして11兆1000億米ドルと、世界GDPに占める割合が11%に達する見込み。
何桂立氏は記者会見で、2020年に中国IoT市場が4兆元を超えるとの見方を示した。スマート製造、公共事業・スマートシティ、クルマのインターネット(テレマティクス)・交通・物流、スマートホーム、ウェアラブルがIoTの発展する5大分野となり、うちスマート製造と公共事業・スマートシティが1兆元規模の市場になるとみている。
(チャイナネット)
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