600年間風に吹かれ雨に打たれた故宮は、文化の象徴であるだけでなく、更に無数の伝統的な知恵の発掘と探索を待っている。
一、600年間の風雨を越えて、故宮に水がたまらない秘密を明らかに
2016年7月、北京は55時間続く集中豪雨に襲われた。北京市内の多くの場所が冠水したが、故宮は20分間で全ての水たまりが排出された。
排水用の龍頭からたまり水が一同に排出された時の写真も雨が上がった後、ネット上で大きな話題となった。龍頭の排水口は故宮の主な三つの宮殿(太和殿、中和殿、保和殿)の土台に、合計1142カ所あり、雨が降った後の排水作用を発揮する。
豪雨の際、故宮には大きな水たまりができたことはなく、これは故宮の地面が北京市の地理的環境の特徴に順応していることと関係している。故宮は全体的に北が高く南が低く、高低差は約2メートルあるため、排水性に優れている。
また、故宮には露溝と四角い形をした排水口が至る所に分布し、全ての水はこれらの排水口から故宮地下の巨大な排水システムに流れ込み、更に城壁外側の護城河や中南海などに排出される。
紫禁城の排水システムの歴史は、紫禁城自体よりも長い。史料を見みると、紫禁城全体はどれだけの雨が降ったとしても、これまで冠水したことがあるという記載がない。今日まで、故宮の排水システムは90%が古代の排水システムを採用している。
二、冷蔵庫と氷室が揃って出陣、皇室の避暑の手段
夏の酷暑に現代人はエアコンをつけ、冷たい飲み物を飲むことができる。しかし、エアコンと扇風機が無かった古代、皇帝はどのように暑い夏の日を過ごしていたのだろか。
清朝乾隆時代につくられたホーロー冷蔵庫(写真:中新網)
早くは明清時代、氷の箱は重要な暑気を払う道具として、皇居のなかで広く使用されていた。当時、一般的には木製の氷の箱が使われ、氷の箱内には導熱性の弱い金属が採用され、氷の使用時間を延ばした。箱の上には小さな穴をあけ、冷気を放散し、温度を下げた。
故宮では夏になると非常にたくさんの氷が必要となり、全てを特別に建設した地下氷室で保存した。現在、氷室は観光客サービスエリアとして使用されている。
2016年から、故宮の氷室は観光客のサービスエリアとして開放(写真:中新網)
今日、「中国製造」はますます世界から注目を集めている。今日の科学技術の進歩に驚くと同時に、伝統の智慧が今日の生活をどのように輝かせるかという問題は、中国であっても他の国であっても、これから考え続けなければならない課題だ。
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