米大統領選の投票が火曜日行われる。早ければ北京時間水曜日昼頃、速報が出ると見られる。今回は最も衝撃的な大統領選となっており、最後の時が迫るにつれ読みにくくなってきた。生じうる深い影響も、世界の多くの人から注目されている。
投票まで後2日になり、ヒラリー氏とトランプ氏の世論調査の支持率が、かつてないほど肉薄している。ある世論調査では、ヒラリー氏のリードがわずか1−3%のみになった。ヒラリー氏の勝算は依然としてトランプ氏よりも高いが、彼女と彼女を支持するエリートたちが不安になり、焦りを覚える不確定要素がある。
ヒラリー氏が最後にトランプ氏に際どく勝利すれば、権力を手にできるだろうが、勝利による政治的効果が大幅に割り引かれる。トランプ氏が「栄えある敗北」を喫すれば、米メディアの不公平な肩入れにより落選したと主張し、選挙が「コントロール」されていたと批判する資格を手にする。米国社会が選挙後に分裂を解消できるかは、トランプ氏の態度にかかっている。トランプ氏が「騒動」を続けようとすれば、そのための支援を得ることができるだろう。
トランプ氏が勝利すれば、米国の政治に激震が走る。米国のエリートは彼を容赦なく批判し、邪悪なレッテルを貼り付けた。トランプ氏の勝利は、米国の伝統的な政治の価値観が覆されることを意味する。これがどれほど深刻な程度に達するか、米国社会にそのソフトランディングを促す力があるかは、米国の体制の柔軟性を試す稀な試練となる。
人々は今回の大統領選を通じ、米トップの政治家のブラックな面を目にした。彼らは相手を倒すため、手段を選ばない。このリーダーを選択する方法はすでに歪められており、「どちらが嫌か」を競うイタズラのようになっている。現職のケリー国務長官さえ、今回の選挙が米国のイメージを落とし、きまりの悪いことだと認めている。調査に応じた米国の有権者のうち8割が、候補者2人について「悪印象」と回答している。
米国は今回の選挙で、真の改革に向かうのだろうか?これは難しいと言わざるをえない。西側世界では、リーダーが弱くなり、有権者が強くなるという全体傾向がある。西側では圧倒的な大差をつけ勝利する政治リーダーが少なく、リーダーが抜本的な改革を実行する権威を持たない。トランプ氏も大口を叩き、馬鹿騒ぎすることしかできない。最終的には「破壊者」になるだけで、新たなメカニズムを作る強い実力を持たない。彼がホワイトハウスに入居すれば、虎から猫に変わり、毒を抜かれるだろう。
今回の大統領選は、米国の政治体制の深い傷を露呈し、衝撃を生んだ。この衝撃のうち、プラスのエネルギーに変わるものは少ない。米国社会はこのような衝撃を消極的にしか受け入れることができない。衝撃が勝手に生じ、消えるのに任せ、ほんの少し対処するだけで、いつも通りに日々を送るのだ。
米国は早めに発展したのが幸いだった。地理的メリットを含む多くの要因により、米国は西側最大の先進国になった。その体制のメリットは徐々に失われ、問題が浮上している。しかしこれまで蓄積してきた成果と、それによる有利な地位が国の自信を支え続けることで、外国人から見れば非常に深刻な問題をも見落とさせている。
(チャイナネット)
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