中国で主流になるのは難しい?
実際には、中国で二次元文化は主流文化では決してなく、主流文化へと成長するのも難しい。日本の文化背景が単調であるのと違い、中国は多民族国家で、人々の背景も異なり、文化もバラエティに富んでいる。そのため、二次元文化が多くの人のニーズに応えることはできず、最終的に映画のテーマも多様化する。これは、米国の市場の状況と似ているかもしれない。オンラインリサーチの国内大手艾瑞諮訊(アイリサーチ)は、中国の二次元ユーザーは2016年に2億7千万人に達し、うち7000万人が二次元の大ファンであると予測しているが、この数字には懐疑的な見方を持たずにはいられない。
それに、中国の文化産業はまだ成熟しておらず、日本のような整った二次元産業チェーンはまだ形成されていない。日本では、紙のコミック市場が15年連続で縮小しており、多くの二次元作品は、関連商品を売って利益を確保している。日本は、製作会社やコミックの出版社、広告会社、テレビ局、玩具メーカーなどからなる製作委員会制度を採用している。それらの機関はテレビアニメや映画を製作し、配給しながら、共に資金リスクを分担している。また、さまざまな産業チェーンから構成されているため、一つの作品の関連商品の開発もマルチに行える。
もしかすると、中国の映画業界の人たちが考えるべきなのは、どのようにして二次元ファンに合わせるかではなく、どのようにおもしろい映画のコンテンツを作り出し、一人でも多くの人に受け入れてもらえるようにするかということなのかもしれない。
(人民網日本語版)
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