典型的な二次元映画
日本の映画史上で、興行収入トップ10に入っている映画の半分はアニメーション映画だ。しかし、アニメーション映画は「二次元映画」とは異なり、全てのアニメ映画に二次元文化の要素が含まれているわけではない。
日本アニメ界の国宝級の巨匠宮崎駿を例にすると、彼の作品の形式は、「二次元」の基準にマッチしているものの、そこに込められた思いは「二次元文化」ではない。宮崎駿の作品の多くは、若い女性が主人公で、一人でもやっていけるヒロインの意思の強さが強調され、フェミニズムの色彩が濃い。「萌え」を売りにして、男性に従属している「二次元文化」の女性のイメージに対して、彼自身強く反対している。
では、どんな映画が典型的な二次元映画なのだろう?その一つに「新世紀エヴァンゲリオン」が挙げられる。同作品は、人物設定やストーリーなど全てが「二次元文化」の特徴にマッチしている。もちろん、「新世紀エヴァンゲリオン」のすごい所は、二次元文化であるだけでなく、革命的な「意識の流れ」を採用しており、神秘学、心理学、宗教などの要素を複雑なストーリーに盛り込んでいる点だ。同作品は側面から、若者が信仰心に欠け、目標を見失っていた当時の日本の社会の状況を映し出している。