フランスパリ郊外にあるディズニーランド園内で来場客を迎えるミッキーマウス。2003年11月18日撮影。
どうしてパリのディズニーランドは利益を出すのが難しいのか。専門家によると、初期投資コストが予算を超えていたことや盲目的な施設拡大といった原因に加え、園内での消費が低かったことが大きな原因だと指摘する。パリのディズニーランドはヨーロッパの顧客を対象としており、アメリカのディズニーランドの顧客が持つ大衆消費文化の習慣は少ない。またフランスは自国文化保護の原則を貫いており、ディズニーランドに敵対感情があった。さらにアジアの顧客と比べてヨーロッパの顧客は購買意識がそれほど高くない。そこに金融危機の影響が加わり、一人当たりの消費は低位に留まることになった。
パリディズニーランドの運営から見ると、ローカライズの重要性に気付かず、当初はレストランでアルコール類を提供しなかったことから、ヨーロッパの顧客のニーズを満たすことができなかった。しかし近年、特に親会社による10億ユーロの追加投資を行った2015年以降、パリディズニーランドは積極的に改良を行い、傘下のホテルをリニューアルした。同年6月1日には白雪姫とスター ウォーズのアトラクションをオープンしたことで顧客を集めている。ローカライズ戦略が奏功したのだ。
一方、アジアにある東京ディズニーランドはパリと全く異なる展開だった。同ディズニーランドは1982年にオープンし、たちどころに大成功を収めた。2008年のリーマンショックによる影響があったのにもかかわらず、入場数は過去最高を記録し、純利益は180億円に達した。