1週間近くにわたって続いた米国の民衆による金権政治への抗議デモがようやく終わりを迎えようとしている。デモに参加した民衆は、ロビイストや富裕層が巨額の政治献金を利用して米国の政治を操っているとの批判を繰り広げた。各地のデモ活動は全体として平穏なものだったが、千人近くが秩序妨害などで短時間拘束された。ただ拘束された人々はすぐに釈放されている。
米国では、首都ワシントンやボストン、フィラデルフィアを初めとする30以上の都市で金権政治に講義するデモ活動が起こっている。首都ワシントンでは11日から毎日、数百人の民衆が国会議事堂前に集まって座り込みを行っている。主催者によると、デモの参加者は約4000人にのぼる。米国各地からやって来た参加者のほとんどは自費で活動に参加し、金権政治を米大統領選の焦点とするようアピールしている。
ある民衆はこう語った。「抗議にやって来た人々は、政府に自分の声を聞いて欲しいと思っている。私たちはこの5年、金権政治の悪化を目の当たりにしてきた。ほぼ半分の州では、一部の有権者の投票を制限する法案が採択されている。投票を制限されるのは往々にして有色人種と貧しい人々だ」
ニューヨーク出身の女優、ロザリオ・ドーソンも国会議事堂での座り込みに参加し、短時間拘束された。これからも民衆とともに金権政治に抗議していくつもりだ。「立ち上がった民衆とともに立つ気持ちは揺るがない。多くの人にかかわりのある私たちの声が重視されることを願っている」
デモ活動は15日にピークを迎え、140人余りの抗議者が警察に逮捕された。逮捕者はすでに千人前後に達している。ただ逮捕されたデモ参加者は通常、その日のうちに釈放されている。
米国は今年、大統領選を迎えている。金権政治が大っぴらになるのも大統領選の年だ。デモ参加者らは、大企業やロビイストの政治に対する影響力はますます強まり、政治に公平に参加する民衆の権利を損なっていると主張している。
米国の民衆が金権政治に対して大規模デモを組織するのはこれが初めてではない。5年前には「オキュパイ・ウォールストリート」(ウォール街を占拠せよ)という運動が盛り上がった。この時には、大企業や独占金融集団に対し、絶対的多数の民衆の福祉を顧みることなく、冒険的な金融操作に熱中し、巨大な破壊を与えながら責任を取らないとの批判が爆発した。
(写真は新華社より 文字はチャイナネットより)
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