日本の家電大手東芝はテレビの自社生産から撤退し、海外企業へのブランド供与モデルに転換する計画で、大陸部企業や台湾地区企業が最も有力な供与先の候補だという。中国電子商会がこのほど発表した「2015年中国液晶テレビ消費および2016年情勢予測報告」も、日系を含む外資系ブランドの売上シェアが15%に低下したことを伝えた。外資系ブランドの中でもとりわけ日系企業の「脱家電」の動きが外資系不振の最も典型的な例だといえる。業界関係者は、「日系家電はかつての発展の勢いを失い、戦略を転換せざるを得なくなった」との見方を示す。「北京商報」が伝えた。
同報告によると、15年の中国の液晶テレビ販売量は4400万台で、小幅に増加した。外資系ブランドではサムスン、シャープ、ソニー、LGだけが基本的に堅調だった。16年の消費需要は著しく伸びることはないという。
ここ数年、国内家電メーカーが猛烈な勢いで発展し、創維、康佳、TCLをはじめとする従来のテレビメーカーに加え、楽視や小米といったインターネット企業が次々にチャンスをつかみ、オンラインのブランドや販売ルートの開発を進めている。データによると、14年の世界のテレビ市場の中で、韓国ブランドが占める割合は40%、大陸部ブランドは約25%、日系ブランドは25%に満たず、米国と台湾地区の企業が10%を占めた。
こうした状況と鮮明な対照を成すのは日系家電メーカーで、業績不振により、「脱家電」に向けたモデル転換の取組に徐々に力を入れている。
今年8月初め、海信はシャープのメキシコテレビ工場を2370万ドル(1ドルは約120.4円)で買収すること、アメリカ地域(ブラジルを除く)におけるシャープテレビの5年間のブランド使用権を獲得したことを明らかにした。パナソニックも今年1月に中国での最後のテレビ工業を閉鎖した。また東芝は今年初め、日本以外の国のテレビ市場から完全に撤退することを明らかにした。
業績報告からわかることは、パナソニック、ソニー、東芝などの日系家電大手はここ数年は巨額の損失を出し続けており、非常に苦しい状況にあるということだ。データをみると、東芝は今年3月31日までの2014年度に、ライフスタイル事業の営業損失が1097億4700万円に達した。家電事業の営業損失は12年度が704億円、13年度が546億4400万円だった。また15年1 3月の家電部門の営業損失は85億円だった。
業績低迷の重い負担から抜け出すため、日系家電ブランドはモデル転換を追求し、新たな道を見いださなければならなくなった。昨年にはパナソニックと米テスラモーターズが提携し、米国に大規模なリチウムイオン電池工場を建設した。東芝も建築、原子力発電、インフラ建設など工業分野の大手ユーザー向けのB2B(企業間取引)事業により多く力を入れつつある。
(人民網日本語版)
推薦記事:
中国の人工衛星地上ステーションで暗黒物質探査衛星「悟空」のデータ受信に成功
北京地下鉄16駅で平日午前7時までのプリペイドカード利用に7割引きの優遇を試行