財富品質研究院による年に一度の「中国ぜいたく品報告書」がこのほど上海で発表された。衰退しつつあると言われるぜいたく品市場が実は依然成長しているというやや意外な結果となった。これによると、2015年の市場総規模は2552億ドルに達し、年間成長率は約11%に達する見込みで、成長率は2014年から大きく回復している。一方、これまで人気だったぜいたく品が伸びず、国内のぜいたく品通販サイトも不調となるなど変化もうかがえ、消費者がここ数年で成長し、やたらと金をばらまかなくなっているという傾向が見て取れる。銭江晩報が伝えた。
▽ぜいたく品消費、78%が海外購入 アウトレットやネット購入が主流に
同報告書では、ぜいたく品消費の中心層として、資産1000万元を保有する全国の3820人が調査の対象となった。こうした人々の趣向は、大衆の消費傾向に直接影響することとなる。
市場が縮小しているように見えるにもかかわらず、統計では拡大しているのはなぜか。消費を大きく後押ししたのは、ターゲットがしぼられた高級志向のブランドと、デザイナーブランドだった。従来型のぜいたく品ブランドの成長速度は、業界全体の成長速度をはるかに下回った。LVMHやケリング、リシュモングループの財務報告からもこの一年の苦しい道のりが見て取れる。
「一部の客は店に値段を比べるためだけに来るようになった。値段を見たらすぐにネットで買ってしまう」。あるバッグブランドの店員によると、国内の店舗でのブランドの売り上げ低下は否定できない事実となっている。だが中国の今年のぜいたく品消費額は再び高まって258億ドルに達し、前年同期から3%増えている。