中国の習近平国家主席は11月18日、フィリピン・マニラで開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)・CEOサミットに出席し、基調演説を発表した。(翻訳・編集/謝艶 撮影/新華社記者李学仁)
【新華社北京11月20日】習近平国家主席は18日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)・CEOサミットで『APECのリーダー的役割を発揮し、世界経済の課題に対応しよう』と題した基調演説を行い、国際社会の幅広い議論を引き起こした。
演説の中で習主席は、アジア太平洋地域の各経済体は勇敢に責任を負い、助け合って困難を乗り切らねばならないと強調し、改革・革新の推進の堅持、開放型経済の構築の堅持、発展アジェンダの実行の堅持、相互接続の推進の堅持といった4つの提案を提起した。習主席は中国経済の動向に対する国際社会の注目点について回答し、中国の発展理念を明らかにし、中国の発展がもたらした莫大なチャンスについて展望した。
海外の専門家と学者は、世界経済やアジア太平洋地域の発展が、いずれも現実的な課題に直面する背景のもと、中国の指導者が提起した先見の明を持つ主張や構想、また現れた高い自信は、アジア太平洋地域が正しい方向に向かって前進するのに有利だとみなしている。
アジア太平洋地域のために方向性を描き出す
米ヒューストン大学東アジア政治専攻の李堅強(Peter Li)終身教授は、次のような見方を示した。習主席が演説の中でアジア太平洋経済体の課題への対処や世界の成長の推進に対して提起した4つの提案は、世界経済の持続的かつ穏健な発展を推進する方面における中国政府の決意をはっきりと示し、同時にサミットに出席した地域内の各経済体に、方向が正しく、絶えず革新し安定的に成長する世界経済を共同で構築できるよう期待しているとも表明している。
日本・日中関係研究所所長の凌星光氏は、次のようにみなしている。習主席が今回提起した4つの提案は、中国の世界経済の良性な循環メカニズムの構築方面におけるけん引・推進的役割をはっきりと示した。開放の推進、貿易の拡大の促進、経済の一体化の実現、政策や物流人員などの相互接続への促進は、いずれも当地域の発展に有利となる見通しで、これも世界経済の振興と密接に関わっている。
また、オーストラリア・メルボルン王立工科大学、オーストラリアのAPEC研究センター(Australian APEC Study Centre)の主任研究員、 Ken Waller氏は、次のようにみなしている。習主席の演説の中の2つの内容は、アジア太平洋、更には世界経済の成長の促進にとって特に重要だ。その1つは、中国が国内改革の継続的な推進を表明したこと。これは中国の投資や雇用の成長を支援する見通しで、中国の経済協力パートナーにとってはメリットになるだろう。もう1つは、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構築の加速を提起したことで、これは地域や世界の経済活動の強化に重大な影響を与える見込みだ。