傅瑩全人代外事委員会主任委員は24日、第11回北京―東京フォーラムに出席し、「東アジア地域協力から見る中日関係」と題するスピーチを行いました。傅主任委員は、「中日関係や中国周辺および世界の状況に新たな変化が生じたため、より開放的な視野から中日関係を考えるべき時代が到来している」と指摘しました。
傅主任委員は、「中日関係が今日のような複雑な境地に至ったのは、歴史的、現実的な諸要素の交錯が招いたものである。中日両国には互いへの真の理解が欠けており、日本側は中国人が関心を寄せる点に耳を傾けようとしていない」と語った上で、釣魚島問題を例にあげ、「日本側は今に至るまで、ずっと独り言を言うのみで、中国政府や民間の強い反論を受け入れようとしていない。中国人民は釣魚島を失うことを絶対に受け容れず、かつ争議の棚上げは放棄を意味したものではない。これは日本側が見落としている重要なポイントである。日本政府は領土の争いを国家の安全保障レベルまで引き上げただけでなく、日本の存立に関わる戦略的安全危機のレベルにまで拡大し、中国を日本全土を脅かす隣国であるかのようなイメージを作りあげた。これにより、日本国民の中国への誤解はますます深くなっている」と指摘しました。
傅主任委員はまた、「中日両国が互いに耳を傾けあうことができるかどうかがキーポイントだ。自分の角度だけから物事を考えてはいけない。同時に、双方共に、中日関係を改善、発展させるための地域的視野を意識しなおさなければならない。90年代から、東アジア地域協力は活発な発展を見せ、様々な国の人々にメリットを与えてきた。1985年から2014年までを見ると、世界経済の規模の増加が6.2倍である中で、東アジア経済体(ASEAN+中日韓)は9.3倍も拡大している」と述べました。
傅主任委員はさらに、「中国が提出した一帯一路、アジアインフラ投資銀行などの新しいテーマの展開は、東アジア協力により広い舞台を提供することだろう。目下重要なのは、地域議題をポジティブな内容にリードし、協力を基本姿勢にすることであり、ネガティブな問題や争いに引きずられ続けるべきではない。中日関係や東アジア協力が早急に開放的な対話、寛容な態度での互恵の協力という、元来の軌道に戻ることを期待する」と述べました。
(中国国際放送局)
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