1.本部所在地は?
3月24日夕方、北京の金融街にある位置する全国政協ホールの近くに、その建設中の建物はあった。アジアインフラ投資銀行(AIIB)の本部になることが予定されている建物である。周囲はとても静かな雰囲気である。 著名な国際問題専門家である中国人民大学の金燦栄副院長は「韓国やサウジアラビアなどが、AIIBの本部誘致における有力なライバルである。AIIBの先行きの見通しが明るいために、多くの国が自国に本部を置きたいと考えている。国のイメージアップにもつながるためである」との見方を示した。
2.初代総裁は?
2014年10月23日、北京で21ヶ国の財相・代表者会議によってAIIB設立準備覚書が調印される前日、中国国際金融(CICC)の金立群会長はその職を辞し、財政部のAIIB設立準備チームの責任者及びAIIB多国間臨時事務局長に転じた。 金氏はこれまで、国内では財政部世界銀行局局長、財政部長補佐、財政部副部長を担当し、海外では世界銀行副執行会長(1988~1993年)、アジア開発銀行(ADI)副総裁(2003年8月から5年間)を歴任してきた。同氏はADI副総裁という高い職位に初めて就いた中国人でもある。
こうしたことからAIIB設立準備チームの責任者に金氏、副責任者に中国クリーン開発メカニズム基金管理センターの陳歓主任が就任した。今後はAIIBの発足に伴い上層部の職に就くとみられている。 財政部の財政科学研究所の王朝才副所長は「内外での経験が豊富で、見識も高い」と金氏を高く評価した上で「総裁が中国人から選ばれることになれば、金氏がその有力候補になる。ただAIIBはまだ機構について協議中であり、臨時事務局長の金氏が総裁に就任することが決定したわけではない」との見方を示した。
先の中国人民大学の金副院長は「英国やドイツなどの欧州の大国が副総裁のポストなどを要求してくると思われる。しかし同ポストの数はそれほど多くはなく、バランスをとらなければならない。これまでは米国についていけばよかったが、今後は中国がリーダーとなる。各国の要求に対して平等に応えるのは、そう簡単ではない」と指摘した。 今後AIIBの主要ポストの獲得を目指して、各国の間で大きな駆け引きが行われそうだ。
(チャイナネット)
推薦記事:
特別取材:金融の「大動脈」が「一帯一路」の発展を助力―中国銀行の田国立総裁を取材
「金融先物市場の父」メラメド名誉会長:米国がアジアインフラ投資銀行に加盟しないのは愚鈍な行為だ
中国中銀、金融資源の「三農」への傾斜を促進
中国は今後も中立的金融政策を推進 周小川氏