【新華社香港4月4日】中国香港特別行政区の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官はこのほど、全国人民代表大会(全人代)常務委員会が「香港特別行政区基本法」の付属文書1と付属文書2の改定案を可決して以降、初めて取材に応じ、今後の施政の重点や社会が関心を寄せる点について答えた。
林鄭氏は「香港の選挙制度を改善する上で重要な一歩を踏み出した。香港の多くの選挙関連法は今後、改定後の基本法付属文書1と2に基づき、相応の改定をする必要がある」と述べた。
「改善後の選挙制度はより多くの有能な人材を集めることができるのか」との質問については、香港は人材に恵まれており、香港に責任感を持つ人もいると指摘。選挙制度の改善後により有能な人材を集め、行政主導の政治体制を強固にしていく自信を示した。
国の安全保障が保障され、選挙制度の改善が無事実行されたことで「一国二制度」を長期的、安定的に実践する条件が整ったが、教育やメディア、公務員の育成・管理などの面で改善すべき制度がまだ多く残っているとも指摘。「市民との接点を今後一層増やしていくことは間違いない。彼らの関心事を理解し、積極的かつ前向きに対応していく」と説明した。
選挙制度の改善は、よりよく経済に焦点を当て、市民の生活を改善するためでもある。特に長年の懸案となっていた住宅などの根深い問題を解決する。
林鄭氏はこの問題について、特区政府は異なる社会層の家庭に住宅を提供するため、幾つかの新たな住宅政策を打ち出したと説明。新規に開発した土地の7割を公共住宅の建設に充てており、この比率は以前より明らかに高くなったと述べた。
香港では3月末以降、新型コロナウイルス感染状況が落ち着きをみせ、特区政府の感染対策は一定の成果を上げた。林鄭氏は「現在最も重要で効果的なのは予防接種だ」と指摘。「香港は幸福であり、幸運に恵まれている。ワクチンは多く、中央政府の支援もある。供給は安定している」と語った。特区政府もワクチン接種奨励策を次々と打ち出しているとし、より多くの市民が接種を受けることに期待を示した。
香港国家安全維持法(国安法)の制定・施行から選挙制度の改善まで、外部の反中勢力はあらゆる機会を逃さず香港の問題に干渉してきた。林鄭氏は彼らの行動を「ダブルスタンダード」「偽善」「虚言」の三つの言葉で表現。「私個人や香港特区政府高官、中華人民共和国高官に対する『制裁』で、われわれが脅しに屈すことはない。今後も正しいことを続け、国を守り、香港特区を守る」と語った。
当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。