【新華社延安6月12日】中国の黄土高原に位置する陝西省延安(えんあん)市呉起(ごき)県は、中国で初めて耕地を森林に戻した県である。同県は1998年から「樹木の伐採や耕作の禁止、植林・植草の推進、放牧禁止」の取り組みを実施した。
ここ20年で、呉起県は合計245万ムー(約1633平方キロ)の耕地や荒れ山を森林に戻し、痩せ果てて荒涼としていた黄土高原に緑を蘇らせた。全県の森林カバー率はすでに1997年の19・2%から現在の72・9%にまで上昇し、年間降水量は1997年の478・3ミリから2017年の587・5ミリに増加した。
耕地を森林に戻すことで、現地の人々は従来の土地活用モデルに別れを告げ、住まいと生態環境を改善した。徐々に発展を遂げてきた林業家庭経営と林業経済は、庶民が貧困を脱却し豊かになるための新たな手段となった。2018年、呉起県の農民1人当たりの可処分所得は、1997年の12倍に当たる1万956元(1元=約16円)に達した。