3日、漳扎鎮にある小学校の復旧プロジェクトの現場で、復旧作業に参加する元ホテルの料理人、徐庭風さん。(新華社記者/李力可)
【新華社成都8月8日】以前なら今頃の季節は、中国四川省九寨溝景勝地周辺は人でごったがえしていたが、今年は閉鎖されている。現地のある村落はこの機会を利用して「グレードアップ」し、ある村民は一時的な「転換」を図っている。
九寨溝景勝地に隣接する漳扎鎮は、地震により町内の九寨溝県第二人民医院と漳扎鎮小学校が大きな損害を受け、現在復興のさなかにある。復興作業現場では、ホテルの調理師だった徐庭風さんがレンガを運んでいる。同僚は、最初の頃の徐さんは手に持ったフライ返し振り回しているようだったと冗談を言った。
27歳の徐さんは永豊郷中寨村の村民で、地震により家屋が損害を受けただけでなく、一時的に職も失った。地震前は主に九寨溝の入り口にある荷葉ホテルで調理師をしており、観光シーズンには朝8時半から午前0時まで忙しく働き、1日に200品以上の料理を作っていた。最も得意なのはヤク肉の酒炒めだというが、大さじを持っていた手でレンガを持つことになるとは、夢にも思わなかったという。徐さんは「景勝地が閉鎖されてから、仕事がなくなった。親戚の勧めで、ここで働いている」と語り、収入は以前と大差ないが、新たな他の技術を習得できたという。
華西集団四川省第一建築工程公司の王明鳴プロジェクトマネジャーは「ここで働いている人たちには、技能訓練を受けさせ、専門の技術を身につけてもらう」と語り、現地の貧困家庭、民衆が労働を通して、震災後の復興に参加していると紹介した。漳扎鎮の工事現場には、30人余りの貧困村民と80人余りの一般民衆の労働者が働いており、現場作業員数の半分を占めている。全県では、復興に参加する現地住民は延べ6581人に上り、その中で727人が貧困層だという。
同鎮牙屯村では、村民は一貫して九寨溝景勝地に頼った観光業で生計を立ててきた。村内には39棟の古いチベット風家屋が建てられていたが、九寨溝地震でそれぞれ異なる程度の損害を受けた。村幹部の沙松氏は、現在計画に基づいて新しいチベット風木造家屋を建築中で、震災後の空白期間を利用して村全体をグレードアップし、観光の魅力を高めたいと述べた。(記者/周相吉、李力可、薛晨)